都合の良い相手

CAST南 龍和南 龍和

作者:のか

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.04.08

俺(南ルワ)には
“男”の恋人がいる。





名前は
「戸部コウショウ」。





同じクラスで
小学校の頃から一緒の
イケメンな奴。





どうして
付き合うことになったのか、、





それは
“彼奴(コウショウ)が
モテすぎるから“
である。





そんな理由で?
と思うかもしれないが、
本当だ。





入学初日から
女子の目線を
釘付けにしていた。





コウショウとクラスが
同じになった女子共は
猿かと思うほど雄叫びを上げ、





廊下を全力疾走しながら
喜んでいたくらいなのだから。





入学から3日が過ぎた頃、
俺はコウショウに
家まで来るよう
LINEで呼び出された。





(めんどくせぇな)と
悪態をつきながらも
コウショウの家へ向かう
準備をする。





\ピンポーン/





チャイムを押したと同時に
玄関の扉が勢いよく開いた。





そして(俺目線では)
キラキラと眩しい
サラサラ髪のコウショウが
ひょこっと顔を出した。





コ「遅かったじゃん」





ル「これでも急いできたわ。
入るぞ」





コ「うん。
汚いけど」





汚い?
今汚いって言ったか?





いやいやいやいや、、
これのどこが汚いんだよ、、





玄関を通り
靴を脱いだ。





目線を上げると
そこは、綺麗なお花やら
高そうな壺やらが並ぶ
広すぎるほどのリビングだった。





(まぁ何回か
来てるんだけどね)





数回来ても
慣れない豪邸。





どんだけ金持ちなんだよ、、
羨ましいわ!!
家交換してくれよ!!!





心の中で何度も
嫉妬を露わにする。





自分でも恥ずかしいと
思うほどだ。





ル「で、なんで呼んだの?」





コ「驚くなよ?
いいな?
絶対だぞ??」





ル「は?
あぁ、うん。
分かった」





めちゃくちゃ
圧をかけられた。





驚くな?
そこまでやばい
内容なのか?





そんなやばいなら
なんで俺に言うんだ?





色々な考えが
頭の中をぐるぐると
ループする。





目が回りそうだ。





コ「実はな、、」





ル「早く言えって」





コ「だから!
俺の恋人役をしてくれ!」





ル「え?」





思考が停止した。





恋人役?
なんなんだそれは。





漫画の読みすぎだろ、、
演技の仕事でも
決まったのか?





いやそもそも
芸能活動してたのかよ?





待ってくれ、
頭の回転がどんどん
遅くなっていく。





ここまで混乱したのは
初めてかもしれない。





ル「ちょ、ちょっと待て。
恋人役?」





コ「ほら。俺モテるじゃん?
だから偽彼女みたいな感じでさ!
無理?」





ル「モテるのは認めるけど、、
それなら女に頼めばよくね?
なんで俺?」





確かにそうだ。





モテるのが嫌なら
恋人を作ればいい(のか?)。





でもなんでわざわざ
男の俺に頼むんだ?





逆にゲイなんて
噂が流れたら
嫌じゃないのか?





コウショウの考えが
理解できなかった。





コ「男同士の方が
女子寄って来ないじゃん。
それに俺ゲイだし」





ル「???
え? ゲイなの?」





は! つ! み! み!
初耳なんですけど?





ゲイ?
あらそれは
どういうことかしら??





いや別にいいんだ、
ゲイだろうが
バイだろうが
レズだろうが。





その人の
人生なんだから。





いやでも今言うか?





しかも親友でも
なんでもないこの俺に。





コ「そっ! ゲイだよ。
だからお願い」





ル「、、」





コ「頼む!
お前ならイケメンだし
付き合ってても
違和感ないだろ?」





ル「違和感しかねぇだろ、、」





コイツのために
付き合った方がいいのか、





それとも
断った方がいいのか。





どっちにすればいいか
決められないでいた。





いっそのこと
キスでもハグでも
してくれりゃ
決心がつくのかもしれない。





コ「別に時間
かかってもいいから。
返事待ってるよ」





ル「まぁ、、いいよ」





コ「ん? いいの??
え? まじ?
ありがと、、なのか?」





ル「自分から言っといて
困惑すんな」





どうして
OKしたのか。





その理由は自分でも
よく分からない。





ただ、この先
コウショウが
モテているところを
見たくなかったんだ。





だって俺
非リアだから!!!!泣





それに男と付き合って
自分の人生の経験として
入れておきたかった。





この先、俺も
男を好きになるかも
しれないし。





そんな理由で
コウショウとの
恋人生活が始まった。





コイツは
デリカシーがない。





偽彼女になった翌日、
教室にいる全員に
俺と付き合ってると
言い歩いたのだ。





偽だぜ?
そこまで強調しなくても
いいだろ、、





誰かに「恋人いるの?」
って聞かれたら
答えればいいのに。





でもさ、
俺気づいたんだよね。





コウショウが俺を
本気で好きだってこと。





確信はない(ないのかよ)。





でも俺と付き合ってから
話してるときだけ
明らかに動揺していて、
目を合わせてくれない。





目が合ったかと思ったら
すぐ逸らすし
顔を真っ赤にしているのだ。





俺もコウショウを
好きになるまで
時間はかからないのかもな。





なんでそう思うか、
そんなの分かんないけど。





「今日は暑いな」





カーテンと窓を開け、
放課後の教室に1人だけ
残っている俺を
風が優しく包み込んでくれた。







*end*

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