春のソワレ。

CAST阿部 ここは阿部 ここは

作者:のの。

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.03.01

ピピピピッ
ピピピピッ────・・・





(んぅ・・・
もう朝かぁ・・・)





カチッ





「ふぁぁあ・・・」





みなさん、
おはようございます!





私の名前は
『阿部ココハ』。





ニコ中の3年生を
しています。





(もうすぐ卒業なのが
悲しい・・・)





ちなみに、
彼氏ができたことは
ありません!泣





(まだ眠いなぁ・・・)





換気をするために
窓を開けると、
一気に冷たい風が
部屋の中へ
押し寄せてきた。





ブルッ





(寒っ!
もう4月なのにぃ・・・)





そそくさと窓を閉めて、
学校の制服を
左腕に抱えながら
部屋のドアを開ける。





そして、冷たい階段を、
ゆっくりゆっくり降りていく。





「お母さんおはよぉ・・・」





「おはよう。
今日も寒いねぇ・・・」





母が、リビングにある
大きな窓を眺めて言う。





「あら? 桜のつぼみ、
もうすぐ咲きそうじゃない?」





「え? どれどれ?
・・・あ、ほんとだぁ・・・」





私の家の庭には、
父が植えてくれた
桜の木があって、
毎年綺麗な花を咲かせるんだ。





もう4月なんだけど、
今年は寒いから
少し咲くのが遅いみたい。
(早く咲くといいな!)





「ほら。
ぼーっとしてないで
準備しなさい」





(あっそうだった・・・笑)





制服をストーブの近くに
置いて温める。





その間に顔を洗おうと、
洗面所に行く。





(寒いから
あったかいお湯で
洗おっと)





蛇口をひねり、
水の温度を
手で確かめながら
お湯になるのを待つ。





「あ、おかあさぁん!
ホットミルク
作っといてぇ!」





もはや外に聞こえてるん
じゃないか?
と思うぐらい大きな声で、
母の方へ首を傾けながら言う。





「はいはい・・・」





(絶対、めんどさいなぁとか
思ってる笑)





顔を見なくても分かる。





呆れ顔を
しているはずだ苦笑





そんなこんなで
洗顔が終わり、
次は制服に
着替えようとしたとき、
誰かの優しい声が
耳に届いた。





《もうすぐ咲くよ。
待っててね》





「え?」





その声はすごく優しいが、
女性と言うには
無理があった。





じゃあお父さん?





いやいや、今父は
青森に出張中だ。
ありえない・・・





「お、お母さん?
今なんか言った?」





私は少し不安になり、
母に尋ねた。





「・・・?
別に何も言ってないけど?
どうしたの?笑」





(いや・・・
でも確かに
聞こえたんだけどな・・・)





ま、まさか幽霊?!





無理無理無理無理!!
取り憑かれてないよね?!!





(やばい・・・
めっちゃ怖い・・・)





震える体を
落ち着かせようと、
ストーブの前で
うずくまる。





すると、また『あの声』が
聞こえてきた・・・





《怖くないよ、
大丈夫。
ボクは怖くない》





(また? 怖くない?
幽霊じゃないの・・・?)





頭が混乱してきた。





突然のことで、
何がなんだか
わからない・・・





でも、その優しい声で
少し安心している
自分もいた。





(とっ! とにかく!
今は学校に行こう・・・
まだ怖いけど・・・泣)





いつも以上の速さで
テキパキと学校へ行く
準備をする。





「いってきまぁす」





「行ってらっしゃい」





バタンッ





(あの声
なんだったんだろう?
不思議だなぁ)





そう思いながら、
桜の木を見上げる。





すると・・・
───────────────
─────────────





ふわっ





「ッ!!」





一瞬にして体と隅々に
桜の香りが行き渡る。





驚いて思わず
目を閉じってしまった。





そして、ゆっくりと
瞼を開けると、
目の前には・・・





「えっ?!!!?!」





《ココハちゃん・・・
だよね?
ふふっ。
やっと会えた》





そこには、
目を見開くほどの美少年が
立っていたのだ・・・





「なっ、なんで・・・
私の名前・・・」





《全部知ってるよ、
だって、産まれたときから
そばにいたじゃない》





(そばに、いた?)





この人は
何を言っているんだろうと、
首を傾げる。





それを見た謎の美少年が
『ふふっ』と笑う。





《そうだよね・・・
分かんないよね・・・》





「あの、ほんとに
誰なんですか?
・・・ちょっと、
怖いです」





そう言うと、
その美少年は
悲しい顔をする。





(綺麗な顔・・・)





《信じて
もらえないかもだけど、
ボクはあのサクラだよ》





そう言って、
桜の木を指さす美少年。





私も桜の木を見上げる。





《好きだよ。
また、会おうね》





耳元でまた
優しい声がする。





すぐに美少年が
いたところへ
視線を戻すと、
そこにはもう、
あの美少年はいなかった。





(あれ・・・?
なんで・・・)





不思議に思い辺りを
見回すと、
桜の花びらが1枚、
足元に落ちてきた。





花弁を拾い上げ、
また、庭にある
桜の木を見上げると・・・
───────
────





「え・・・うそ・・・」





なんと、満開になった
桜の木が
私を見下ろしていたのだ。





そしてまた、あの声が
聞こえてきた。





《ふふっ。驚いた?
ボクはレン。
またね》





「・・・・・・レン・・・?」





私はまだ現実を
理解していなかったけど、





この満開の桜はきっと、
レンが咲かせてくれたんだと、
心のどこかで思っていた。





(あ、学校)





思い出したように
歩き出すと同時に、





拾い上げた1枚の
桜の花びらを、
大事にポケットへ
しまった。







*end*

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