心を枯らすくらいなら、涙を枯らしてしまえ。

CAST宮本 龍之介宮本 龍之介

作者:まのがーる。

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.03.02

その日、俺
(宮本リュウノスケ)は
珍しく舞い上がっていた。





朝、靴箱を開けると
ひらりと舞った手紙。





慌てて空中で
捕まえたそれには、





“伝えたいことがあるから、
放課後
校舎裏に来て欲しい”





と、丁寧な字で
書かれていた。





手紙、放課後、
校舎裏。





3つ揃えば
答えは1つ。





そう、
愛の告白だ。





少なくとも、
喧嘩でないのは
明白だった。





白い横長の封筒に
丸いシールで丁寧に封をした
これが果たし状だった暁には、
俺は笑い死ぬだろう。





友人たちは
それを知らないため、





いつもより口数が多く
明らかに様子がおかしい
俺を変な目で見ていたが、
ここは無視に限る。





このことが不良少年気味な
友人たちに知れると
確実に茶々を入れに来る。





しかもそれが愛の告白でなく、
罰ゲームなどだったとしたら、
この先一生
ネタにされるに違いない。





テスト期間
明けなのがあって、
奴らはオモシロに
飢えているから
より状況が悪かった。





最悪と言っても
過言ではないだろう。













‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐*‐





待ちに待った放課後、
今日は1日
何も手につかなかった。





手早く荷物をまとめ、
遊びたがる友人たちには
委員会などと嘘をつき
校舎裏に向かうと、





数人の女子の声が
聞こえた。





どうやら1人を
元気づけているようで、
「いけるよ」だの
「マノカなら大丈夫!」だのと
聞こえる。





マノカという名には
心当たりがあった。





クラス一
かわいいのではないかと
俺の中で話題沸騰中の
広瀬マノカだ。





俺は彼女に密かに
想いを寄せていたが、
まさかあっちから
告白してくるだなんて、
夢のようだった。





これほどまでに
自分の耳がいいことに
感謝したことはない。





ありがとう、
優れた聴覚。





さあ、乙女よ。
広瀬マノカよ。





愛の告白を我が身に
投げつけるが良い。





さあ! さあ!
さあ!













*‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐





広瀬マノカは、校内の
イケイケJCであった。





彼女は顔も良く、
性格も悪くはないため、
クラスカーストでは
常に最上位のグループに
所属していた。





しかし、顔よし性格よしの
怖いものなしの癖に、
恋に関しては
臆病なところを見せていた。





特に手痛い失恋をしたとか、
心に傷を負わされたとかいう
過去はないが、





友達の恋愛話を聞くうちに、
恋に敗れ、傷つくのが
何よりも恐ろしく
なっていたのだ。





彼女はまず念入りに
石橋を叩き、
外堀を埋めることから
始めようとしていた。





数人の友達に協力を仰ぎ、
意中の彼の友人のなかの
1人を呼び出すことに
成功したのであった。





時間通りに現れた彼に、
手紙を差し出した。





真面目で優しい彼なら
きっとあの人に
手紙を渡すだろう。





直接渡すことすらできない
臆病な私の代わりに。













‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐*‐





結論から言おう。





俺は失恋した、





この傷は深すぎるし
痛すぎる。





中2の時に
トラックに轢かれて
骨折した時より
ずっと痛い。





広瀬マノカが
はにかみながら
差し出した手紙は、





“むかつくほどに”
顔の良い友人
(南ルワ)宛だった。





この際、焼却炉に
焼き捨ててやろうかと
思ったが、





そんなことをしたら
人間性ガタ落ちだし、





広瀬マノカの信頼と
ささやかな勇気を
無駄にすることになる。





しょんぼりと肩を落として
教室に戻った俺を見て、
友人たちがにやりとする。





この上ないオモシロを
察知したのだろう。





俺は大きなため息と共に、
その南ルワの袖を引いた。







*end*

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