私達は悪女じゃない!!

CAST関谷瑠紀

作者：涙雨美雨

2021.02.21

ルキ「今日はあるかな？」

二コラ学園恋物語をみる。

私主演の話は・・・

ない!?

アム「ルキ～あった？」

ココハ「私は？」

ルキ「ない！」

ルキ「私も、アムも、
ココハも、
３人ともない！」

アム「どれどれ・・・
ほんとだ！」

ココハ「しかもまた
悪女の役じゃん」

ルキ「もしかしたら
一生ないかもね」

アム「そんなこと
言わないでよー」

ココハ「うちは一生
メアリいじめる役
やんなきゃ
いけないわけ!?」

ルキ「私とゆななは
仲がいいのに
みんな勘違いしてる！」

あ、どうも
ルキです。

私は二コモ
なんだけど・・・

ニコ学の
ヒロインやりたい！

って思っているんだけど、
ヒロインなんて
夢のまた夢。

１回だけニコ学に
主演で出たことがあるけど、

それ以外は
悪女の役しか
まわって来ない。

アムとココハと私は、
ニコ学の悪女役の常連で、
悪女三姉妹と呼ばれている。

毎日ニコ読ちゃんが
書いてくれるニコ学を
チェックしてるけど、

ない!?

ゆなな「おはよー」

ルキ「あっ！
ゆななおはよー」

この子はゆなな、

私の大親友で、
ニコ学の主演の常連。

ほかにも、メアリ、
マホが常連で、
ヒロイン三姉妹と
呼ばれている。

分からんでもない、
３人とも可愛くて
いかにも『ヒロイン』
って顔だ。

それに比べて私は・・・

キュッと
吊り上がった目、
やけに長い脚、
テンションいつも高め・・・

どっからどうみても
悪女だ。

でも私も
ヒロインになりたい～。

マネージャー「ルキ、
ニコ学来週土曜日
撮るから」

ルキ「えっ！　主役？」

マネージャー「じゃなくて
悪女、
ゆななをいじめる」

またか・・・

＊。・　土曜日　・。＊

レン「好きだ！
付き合ってくれ！」

ゆなな「はい！」

ルキ「ちょっと待って！
なんでゆなななのよ！
私の方が可愛いでしょ！」

監督「はいカット！
今日はここまで！
また明日！」

レン「お疲れ様でした」

ルキ「お疲れ様でした」

やっぱりレン君
かっこいいな。

いつかニコ学の
主演になったとき
相手役になって
欲しいな。

いやいや、
絶対ない！

監督「いや～
ルキちゃんさすが
悪女三姉妹、今日も
いい演技だったね～」

ルキ「いや～
それほどでも～」

ヒロイン
やりたいだなんて
言えね～。

レン「・・・」

＊。・　次の日　・。＊

レン「あっ！
ルキちゃんおはよう！
早いね！」

ルキ「おはよ～」

レン「あのさ、ルキは、
ヒロインやりたいと
思わないの？」

げっ！
見抜かれている！

ルキ「あははー
そうは思わないかな～」

なんちゃって。

レン「どうして？」

ルキ「だって、
私、悪女三姉妹だし、
私が悪女やんなくて
誰がやるの？」

レン「だったらいいけど、
昨日悪女三姉妹って
言われた時、
あんまり嬉しそうじゃ
なかったから」

お、思いっきり
見抜かれてる～。

けど、誰も見抜いて
くれなかった悩みを
すくいとってくれた。

なんか、嬉しい、かも・・・

レン「ルキ、いつか
ヒロインになるよ」

ルキ「？」

＊。・　１ヶ月後　・。＊

マネージャー「ルキ！
ニコ学の主演
決まったよ！」

ルキ「噓！
嬉しい！」

マネージャー「台本はこれ！」

アム「ルキ～
聞いたよ～」

ココハ「うちらニコ学で
ルキの友達役だってよ！」

ルキ「ほんと!?」

アム「『学校でキツイ性格だと
思われているルキ、
ココハ、アムは
学校では浮いた存在だったが、
ある日学校の王子様のような
レンがルキに一目惚れし、
２人は付き合うが、
それを良く思わない
学校の三大美女、
ゆなな、メアリ、マホが
ルキ達をいじめる』
というお話」

ルキ「えっ！　レン君と!?」

＊。・　１週間後　・。＊

レン「一目ぼれしました。
付き合ってください」

ルキ「はい！」

監督「カット！
いや～２人とも
演技上手！」

レン「監督、これは
演技ではありません」

ルキ「？」

レン「本音です！」

ええええええ!?

レン「元々ルキちゃんが
好きで好きで、
このニコ学も
ルキちゃんを
主演にするために
頑張って書いたんだ！」

ルキ「そうなの？」

レン「うん」

ルキ「・・・」

レン「嫌だった？」

ルキ「そんなことない、
すっごく嬉しい！」

レン「返事、
聞かせてくれない？」

私はレンに抱きついた。

ルキ「大好きだよ！
レン！」

悪女三姉妹の私達、
今は胸を張って言える。

私達は、
悪女じゃない！

ＥＮＤ///