異世界転生は恋の始まり
作者:sakyon
私、宮本わかな。
今、好きな人がいる。
彼の名前は
紀田なおや。
今日、彼に
勇気を出して
告白しようと思ってる。
放課後、
彼を呼び出した。
わかな「なおや君・・・
私、なおや君のことが
好きです!
付き合ってください!」
彼から
帰ってきた言葉は
衝撃的なものだった。
なおや「は?
お前みたいなデブと
誰が付き合うもんか」
え・・・
で、デブ?!
そんな酷いこと、
そ、そんな・・・
私はショックで
倒れた。
わかな「ここは・・・
どこ・・・?」
目覚めると
知らない場所にいた。
?「ようやく
お目覚めですか」
わかな「え?! だれ?」
くるみ「私はくるみ。
ここは、好きな人に
デブと言われ
振られた人達が
転生してくる場所です」
わかな「どうすれば
出られるの?!」
くるみ「この世界から
出る方法は
ひとつだけあります。
それは、今の体重から
5キロ痩せることです」
わかな「ご、5キロ?!
それはキツいんじゃ・・・」
くるみ「では、
頑張ってください」
くるみは消えた。
わかな「でも、それしかないんじゃ
頑張るしかない・・・
5キロやせて
アイツを見返してやる!」
?「気合い入ってるね笑」
ハ、ハズッ。
わかな「あなたは・・・」
れん「俺はれん。
この世界には
3日前に
転生してきた」
わかな「そうだったんですか」
れん「敬語はいらないよ。
ほら、ついてきて」
れんに
手を引かれながら
ついていった。
れん「ここがジム。
1日の大半はここで
トレーニングをして
痩せる」
わかな「きつそ」
れん「きついけど
案外楽しいんだぜ?
ほら、やってみよう」
それから
れんの指導のもと
トレーニングを行った。
しばらく
トレーニングをして、
今日のノルマを達成した。
わかな「つ、疲れた・・・
れんは息も上がらないんだ、
すごいね・・・」
れん「俺も最初は
ゼェゼェ言ってたよ。
でも慣れてくれば
平気になるから」
でも楽しかった。
れんが優しく
教えてくれるから。
わかな「明日も一緒に
トレーニングしてくれる?」
れん「無理だと思う」
わかな「え?」
ショックだった。
顔から血の気が引いた。
うん。
って言ってくれると
思ったから。
目に涙が溜まった。
れんが
焦った様子で言った。
れん「無理っていうのは
明日は筋肉痛で
わかなはできないと
思うよってこと」
わかな「あっそういうことか。。
私てっきりれんに
拒否られたんだと・・・」
涙をぬぐいながら
言った。
れん「大丈夫。
俺、今までの
トレーニングで
今日が1番楽しかったから。
わかなが来てくれて
よかった」
わかな「私も楽しかった」
れんと別れて
案内してくれた
部屋に行った。
そのままベッドに
倒れこんで
グッスリと
眠りについた。
・ ・ ・ ・ ・
朝。
ここは「どこ!?」
焦った。
ちょっと経ってから
思い出した。
夢じゃなかったんだって
思った。
身支度をしてから
れんと
トレーニングをしよう。
そう思って
起き上がろうとした。
が、
無理だった。
れんがいったとおり
身体中筋肉痛で
痛くて痛くて
動けないまま
しばらく寝てると
ピンポーン
となった。
動けないので
わかな「れんだよね、
入って」
と、大声で言った。
れん「入るよ?」
れんがきた。
れん「やっぱり
筋肉痛だよね」
わかな「恥ずかしながら・・・」
れん「マッサージ
してあげよっか」
わかな「え?」
ちょっと
ビックリしたけ
ど私は頷いた。
思ったより
れんのマッサージは
ハードだった。
めっちゃ
引っ張られた。
わかな「痛い痛い、
もうやめて!!」
れん「これ筋肉痛に
効くんだよ。
ちょっと我慢しな」
痛かった。
けど、れんと一緒にいれて
楽しかった。
れん「じゃあ帰るね」
マッサージが終わって
少しして
れんが言った。
わかな「うん」
れん「今日しっかり休めば
明日はトレーニング
できるはずだから」
わかな「わかった。
明日は行くから」
れんが帰って
私は動けなくて
暇なので
寝ることにした。
ブランコを漕ぐ夢
犬を触る夢
告白される夢
どの夢にも
れんと私がいた。
私、れんのことが
好きなんだ。
自覚した。
起きた頃には
もう朝で
筋肉痛も治っていた。
れんに会うのが楽しみで
急いで支度をして
家を出た。
ジムにはれんがいて
私を見つけると
手を振った。
私も手を振り返して
れんのところに
走っていった。
れん「おはよ。
筋肉痛は
治ったみたいだね」
わかな「うん。
もう大丈夫」
私のこと
心配してくれるなんて
優しいな。
この日もれんと
1日トレーニングをした。
トレーニングが終わって
れんとも
さよならの時間。
ちょっと
寂しかったけど
わかな「また明日!」
と笑顔で言った。
れん「また明日」
れんも
笑顔で言った。
家に帰って
体重をはかると
わかな「嘘?!」
もう3キロも
痩せていた。
昨日は筋肉痛で
動けなくて
ごはん食べてないし、
今日はめっちゃ
運動したから
痩せたのかな。
でもこれは
私にとって
嬉しい出来事だった。
☆....☆....☆....☆
日付が変わって
ジムに出かけた。
わかな「おはよ、れん」
れん「あ、おはよ」
わかな「なんか元気ない?」
れん「じつは来た時から
もう5キロ痩せていて・・・」
悲しかった。
れんとは
もう会えないんだ。
れんはもう一度
好きな人に
告白するんだ。
私の思いは
届かないんだ・・・
泣きそうになったけど
わかな「良かったね、れん。
これで好きな人に
OKもらえるじゃん!」
と無理やり
笑顔を作っていった。
私がここに来て
4日目。
れんは
ここに来て7日目。
もう帰っても
おかしくない
頃合いだったのに
私はれんが
いなくなるという現実と
向き合っていなかった。
わかな「ほら、
早くいきなよ。
好きな人が
逃げちゃうよ?」
もう涙が溢れそうで
その顔を
見られたくなかった。
なのにれんは
私の顔を見ていった。
れん「俺はもう
あいつのことなんか
好きじゃない。
あいつに振られて
良かったと思ってる。
あいつのおかげで
大好きだと思う人に
出会えたから」
わかな「え・・・」
私は泣いた。
涙がとまらなかった。
ぼろぼろ出てくる涙を
れんは優しく拭って
言った。
れん「俺はわかなが好きだよ」
まともにでない声で
言った。
わかな「私もれんが好き」
れんは
涙が止まるまで
私のそばにいてくれた。
私が泣き止んで
少しして
れん「じゃあ俺は行くね。
わかなが振られた日の放課後、
ニコラ駅の前で待ってるから、
必ず来いよ」
わかな「うん。またね」
れん「またね」
笑顔で
手を振って言った。
さよならじゃなくて
またねって。
それから私は必死で
トレーニングをした。
れんがいないから
楽しくない。
とにかく痩せる!!!
それだけ考えて。
☆....☆....☆....☆
私がここに来て
7日目。
やっと5キロ
痩せることに成功。
くるみ「わかなさん
おめでとうございます。
それでは
このゲートを通って
元の世界に
帰ってください」
わかな「はい」
待っててね、
れん・・・
ゲートを通ったら
そこは学校で
なおやに告白した日の
昼休みだった。
鏡で見た私は
転生する前の
私の何倍も可愛かった。
なおや「わかな。
ちょっと話がある」
わかな「話なら聞かないよ」
なおや「え?」
わかな「私、今日
大事な用があって
それどころじゃないの。
悪いけど
明日にしてくれる?」
なおや「え、えぇ・・・」
なおやは
困った表情だった。
少し冷たかったかなって
思ったけど
私にデブって言った人なんか
ひとつも好きじゃない。
今の私はれんが好き。
5、6時間目の勉強は
頭に入らなくて
何も覚えてない。
放課後のチャイムが
鳴った瞬間
私は走って
ニコラ駅に向かった。
早く会いたい。
今すぐれんに・・・
ニコラ駅に着くと
れんが待っていた。
わかな「れん・・・」
息をきらしながら
れんのもとに
走っていった。
わかな「れん!!」
大きな声で叫んだ。
れん「わかな!!」
私はれんに
飛びついた。
人目なんて
気にしないもん。
わかな「会いたかった」
泣いてるのか
笑ってるのか
自分でもよくわからない。
れん「俺も会いたかった」
れんは笑ってる。
わかな「大好きだよ」
れんの顔を見て
思わず言った。
れん「俺もだよ」
異世界転生は
大変だったけど
可愛くなれたし、
なおや見返せたし、
何より
れんと出会えたし、
なんだかんだで
楽しかったな。
*end*
宮本 和奏

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