運命の友情と恋

CAST若林 真帆若林 真帆

作者:焼きそばのソース

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.04.01

マホ「ねー、これみて」





オオゾラ「どれ?」





マホ「これだよっ」





タカト「ニコ国のおーじさま?」





マホ「うん! しんしで
かっこいいでしょっ」





オオゾラ「おれのほうが
かっこいいよ」





マホ「なにいってるの!」





タカト「このおーじの
となりにいるひめさまより
ぼくのほうがかわいいよね」





マホ「もうー!
このおーじさまがいちばん
かっこいいのっ!」





私は小さい頃に読んだ絵本の
王子様に恋をした。





だけど、絵本の王子様とは
恋できないって知って、
こんな夢を抱くようになった。





私も現実で
王子様みたいな人に出会って
それで恋をしたいって・・・













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





マホママ「マホー、
早く起きなさい!」





バタッ、ドンッ!





マホ「・・・いったぁー」





若林マホは毎日のように
ベットから落ちている。





お尻をさすりながら、
ゆっくり立ち上がる。





また、あの夢みてたなぁ。





3人で王子様の
絵本を読む夢。





マホママ「マホー!!
起きなさぁい!」





マホ「起きてるよっ」





マホママ「今日、入学式でしょ!
早く支度しなさいよ」





!!!





マホ「そうだったっ!」





今日から高校生!
ということは・・・





マホ「ついに運命の
王子様に会える!」





私は、真新しくて
シワ1つない制服に
袖を通す。





階段をリズムよく降りて、
朝食が並ぶテーブルに向かった。





マホパパ「マホ、おはよう」





マホ「おはよう!
ねぇ、見てっ」





私はその場で
くるっと回る。





マホパパ「うん、
よく似合ってるよ」





新聞を読んでいるパパは
親指を立ててそう答えた。





ニコラ学園高校の制服は
可愛いんだよね!





マホママ「早く食べて出なさい。
外にタカトくんと
オオゾラくん待ってるよ」





マホ「えっ! もう?」





私は白米にふりかけをかけて、
飲むように頬張った。





味噌汁も
一気に飲み干した。





マホ「じゃあ、行ってきます!」





マホママ「ママとパパも
後で行くからね」





マホパパ「よし、新しく買った
カメラも持ってこう」





マホ「うん!」





私は玄関を飛び出した。







マホ「ごめん!
遅くなったっ」





外には、腕を組んで
壁に寄りかかってるオオゾラと、
近所の野良猫を撫でる
タカトがいた。





ニャァー





タカト「あぁ、逃げちゃった」





オオゾラ「猫はそんなもんだろ」





大倉タカトと懸樋オオゾラ。





私達は幼馴染なんだ。





今日の夢に出てたのも
その2人。





オオゾラ「よし、行くか」





幼稚園、小学校、中学校と、
登校は毎日3人で行ってる。





タカトは手鏡で髪の毛を
整えながら言う。





タカト「僕、可愛いから
すぐ人に囲まれちゃって、
困るんだよね」





タカトは
自称可愛いキャラ。





まぁ、目大きいし
笑顔も可愛いから、
自分で可愛いと言うのも
わかるけどね。





逆に私は元気で活発過ぎて、
男の子に間違われるくらいだったし。





オオゾラ「それ、
俺にも貸して」





タカト「ん」





オオゾラ「新しいピアス確認!」





マホ「えっ!
もう開けたの?」





オオゾラ「おう!
これで俺のかっこよさが、
より引き立てられるだろう!」





そしてオオゾラは、
自称イケメンキャラ。





まぁ、顔立ちは
シュッとしてるし、
モテてたからわかるけど。





オオゾラ「早く可愛い女の子達に
会いたいなぁー」





何よりオオゾラは
チャラい・・・





マホ「私は、運命の
王子様に会う!」





オオゾラは、
呆れた様子で私を見る。





オオゾラ「あの絵本の王子様?
まだ諦めてなかったんだ」





マホ「当たり前!」





タカト「飽きないねー。
てかオオゾラ、鏡返してよ」





オオゾラ「まだ俺を見てたい」





タカト「僕も笑顔の確認
しとくんだから」





可愛い奴と
運命の王子様を探す奴と
チャラい奴。





タイプは結構違うのに、
今まで本当に仲良くして
きたなぁって思う。





それはきっと、昔から
お互いをちゃんと
知っているからかなって
思うんだ。





オオゾラ「マホ?
足止まってんぞ」





タカト「どしたの?」





マホ「なんでもないよ!」





なんだろなぁ。私、
変わらないこの関係に
すごく満足してる。













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





校長「新入生代表、
1年1組懸樋オオゾラ」





チャラいのに、頭は良い。





女子「あの男の子
オオゾラ君って
言うんだぁー」





女子「かっこいいよね!」





すでにおモテのようで。





女子「ねぇ、タカト君は
どこの中学出身?」





タカト「ニコラ中学だよー」





女子「タカト君、
こんなに可愛いから、
中学校でもモテてたんじゃない?」





タカト「まぁ、ね」





後ろでひそひそ
話す声が聞こえて、
私はふっと笑った。





こちらもおモテのようで。





よし、私も王子様探すぞー!













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





マホママ「写真撮るよー!」





入学式が終わって、
私達は記念撮影をしていた。





マホ「タカト、オオゾラ、
もっとよって!」





私は真ん中に立って、
2人の肩に手をかけて
自分の方に引き寄せた。





タカト「髪が乱れちゃうじゃん」





オオゾラ「俺も、ピアスが
よく見えるようにしないと」





マホ「もう、めんどくさいなぁ!
はい、とにかく前向いてっ!」





マホママ「ハイチーズ!」





パシャ!





タカト「マホ、小学校の時も
中学校の時も
肩組んで撮ったよね。
ありがちなポーズだけど、
変えないの?」





マホ「幼稚園の時もだよ!」





オオゾラ「よく覚えてんなぁ」





私は、ママから
カメラを借りた。





撮った写真を確認して、
笑顔でそれを2人に見せた。





マホ「それに、ほら!
肩組みが私達らしいなって思って。
私、3人で撮った写真を
大切にアルバムに入れてるから、
思い出が増えるみたいで
嬉しいんだ!」





なんとも嬉しそうな私を見て、
2人は目を合わせて、
静かに笑った。





オオゾラ「じゃ、沢山
写真とろーぜ!」





タカト「向こうの桜の木、
いいんじゃない?」





マホ「うん、行こう!」





私はピントを
2人に合わせる。





タカト「こっちの方が
可愛く見えるな」





オオゾラ「桜と俺、映えるなぁ」





2人が並ぶと、ほんとに
1つの作品のように
美しくなる。





マホ「撮るよー!」





パシャ!





うん、いい感じ!





タカト「マホ、確認させて」





オオゾラ「俺もー」





2人が私の持っている
カメラを覗き込む。





オオゾラ「お、いいじゃん」





タカト「うん、よく撮れてる」





隣に立つと、
はっと気づく。





2人とも身長が
いつの日か私を超えて、
すごく高くなった。





肩幅だって広くて、
筋肉質で。





やっぱり
男の子なんだなぁ。





マホ「ねぇこの後
どっか行く?」





入学記念で、
3人で遊びたいな!





2人が男っぽくて、
大人っぽくなったとしても、
3人でまだ、遊ぶよね?





するとオオゾラが
へらっと笑いながら言う。





オオゾラ「ごめんー
俺、女の子達とこれから
ボウリング行くことになってる!」





そんなオオゾラの隣で
タカトも言う。





タカト「俺は、中学の同級生から
誘われてたんだよね」





マホ「・・・そう、なんだ。
じゃあ仕方ないね、
楽しんできてね!」





オオゾラ「おう!
じゃあ俺、そろそろ
待ち合わせ時間なるから
行くわ」





マホ「・・・うん」





タカト「・・・じゃあ、
僕もそろそろ行くね」





そう言い、歩き出す。





マホ「あ・・・うん」





しかし、タカトは足を止め、
私の方に戻ってきた。





タカト「そんな顔、しないでよ」





行って欲しくないのが、
バレちゃったかな。





マホ「ごめん」





タカト「僕はオオゾラと違って、
女の子とは遊びに行かないよ」





マホ「・・・私も女の子だけど」





するとタカトは
目を丸くして言う。





タカト「マホは、
単なる女の子以上に
幼馴染でしょ?
だから、今度どっか行こ!
じゃ、行くね」





タカトは笑顔をみせて
背を向け歩いて行った。





タカトはいつも
私の心を読んでいる。





そして、
気遣ってくれてる。





すごく嬉しかったよ。





だけどね・・・、





人はいつかは恋する。





オオゾラはもちろん、
タカトだって。





それで、彼女ができたらって
考えたら・・・、





きっと、3人で
過ごす時間だって減って、
高校を卒業する頃には
会話さえしなくなったらって思うと、





寂しくてたまらない。





すごくわがままなのは
わかってる。





だけど、





大人になっても、





3人で肩組んで
笑ってたいって思った。





マホ「無理、なのかな・・・」













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





ピピピピピピッ





マホ「・・・ねむ」





昨日は何故だか
眠れなかった。





それは、きっと・・・





オオゾラ「マホー!」





タカト「遅刻するよー!」





へっ!?





私は窓を開けた。





玄関先にいたのは、
タカトとオオゾラ。





タカト「まだ寝てたのー?」





オオゾラ「急げー!」





マホ「やっば!」





今日は確か、ママもパパも
早朝から仕事だっけ!





完全に忘れてたっ!





制服に着替えると、
朝ごはんは食べずに
2人の元に向かった。





マホ「ごめんっ」





タカト「待たされるのも
慣れてるからいいよー」





オオゾラ「てか、今日の初授業、
体育だぜ?
急がねーと!」





女子も体育だったよね?





走る2人の後を追おうと
私も走り出そうとした。





が、足元がふらついた。





うわっ!





気をつけないと。





オオゾラ「マホ、急げ!」





マホ「う、うん・・・」





なんだか気分が悪い、
それに体が重い。





私はそれを紛らわすように
足を大げさに動かして、
精一杯走った。











・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





男子は体育館、
女子はグラウンドで
体育の授業が行われた。





太陽がギラギラ輝いていて、
雲ひとつない青空。





初授業というのに、
ハードル走!





先生「はい、次行くよー」





笛の合図と一緒に
走り出す。





1つ目のハードルを
飛び越えた瞬間、
急に気持ち悪さが
私を襲った。





ふらついて、
その場に座り込む。





先生「若林さん、大丈夫?」





マホ「はい・・・、あの、
保健室行ってきていいですか?」





先生「うん、ゆっくりでいいよ」







*・。+ *・。+ *・。+





頭痛い、気分悪い、
足元が分からない・・・





今にも横になりたい・・・





私はふらつき、
壁に寄りかかって、
うずくまった。





誰か・・・助けて・・・





声にならない、思いは
ひとりの男の子の心に届いた。





リュウタロウ「大丈夫!?」





マホ「・・・あ、、、」





リュウ「手、回して。
保健室行くから」





私は、かすかに目を開けて
口パクでありがとうと言った。





男の子は首を縦に動かして、
真剣な顔になった。













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





・・・ん





あれ?





私は保健室のベッドで
寝ていた。





マホ「・・・私、
どうしてここに」





リュウ「あ、気がついた?」





私は結構寝ていたらしい。





その男の子は窓を開けて
カーテンを止めていた。





茶色がかったサラサラの髪の毛、
筋の通った高い鼻。
凶器とも言えるような
透き通って凛とした瞳。





すごく、かっこよかった。





まるで・・・





リュウ「良かった。
回復したみたいで」





本物の王子様みたい・・・





探していた、
絵本の王子様。





リュウ「俺も、気分悪いって言って、
ここに来て休もうかなって」





そうなんだ。





その行く途中で、
私に会ったのかな?





すると、男の子は
いたずらっ子のように
くすっと笑った。





リュウ「だけど本当は
サボりたかっただけなんだよね」





紳士みたいな感じの子だと
思ってたけど、
男の子っぽい
やんちゃな面もあるんだ。





裏表のない、
新鮮な感じがした。





マホ「私、若林マホ。
そっちは?」





リュウ「古川リュウタロウ」





マホ「古川君ね」





古川君はまた、
くすっと笑う。





リュウ「なんか接しにくいから、
リュウでいいよ。
俺もマホちゃんって呼ぶから」





マホ「じゃあ・・・リュウ君」





リュウ「うん。俺、まだ
マホちゃんと話したいから、
ここにいてもいい?」





マホ「いいよ!」





体調もかなり回復したし、
リュウ君と話すの楽しいし。





リュウ君は「やった」と言って、
近くの椅子に座る。





リュウ「マホちゃんは
どこ中だったの?」





マホ「ニコラ中学だよ」





リュウ「えっ! 一緒だ!」





マホ「そうなの!?」





リュウ「小学校は?」





マホ「ニコニコ小だよ、
え、まさか?」





リュウ「そのまさかなんだけど!」





うっそ!





私はふふっと笑った。





マホ「小学校も中学校も
一緒だったのに、
初絡みって不思議だね」





リュウ「ねー、
全然知らなかった」





マホ「だけど、人数多かったから、
学年に知らない人もいたと思う」





リュウ「俺もだよー、俺のクラス、
1組だったから、
端の6組の子なんて
全く接点なかったし」





マホ「私、6組だったよ!」





なんか、
色々かぶりすぎて、
面白い。





リュウ「俺、こんなに女子と
話が続いたの初めてかも」





マホ「そうなの?
すごく女の子と
話してそうだけど」





リュウ「そんなんに見える?」





マホ「なんか、王子様って
感じがするから」





するとリュウ君は、
ボッと顔を赤くする。





リュウ「えっ!?
俺、全然王子って
キャラじゃないよ!
恥ずかし」





リュウ君、照れてる・・・!





キーンコーンカーンコーン





あ・・・なっちゃった。





リュウ「・・・じゃあ、俺
そろそろ戻るね」





マホ「・・・うん」





リュウ君はドアを開けて
出ようとしたが、
手を止めて振り向いた。





リュウ「また、
会ってもいい?」





ドキッ





マホ「もちろん、いいよ!」





リュウ「じゃ、またね」





マホ「うん、また!」





リュウ君は、
静かに戸を閉めた。





私は、布団をかぶって、
足をばたつかせた。





やっぱり
運命の王子様だよ!





話も盛り上がったし、
また会いたいって
言ってくれたし!





タカトとオオゾラに
報告だ!





私はにんまりしながら
枕に顔を埋めていた。













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





・次の日・





昨日、運命の王子様と
出会った私は、
1時間も早く起きていた。





マホ「早く2人に言いたいな」





私はスマホを持っていないから、
LINEで2人に伝えることが
出来ない。





だから、
直接言うしかない。





私は待ち合わせ時間になるまで、
玄関で待っていた。





あと30分・・・長いな。





マホ「・・・そうだ!」





私は、自分の部屋に戻ると、
鏡の前に座る。





マホ「髪型変えてみよっかな」





いつもは高めの
ポニーテール。





マホ「下ろしてみようかな・・・!」





先生にバレない程度に
色付きリップもつけたいな。





私はゴムを取り髪を整えると、
あまり使っていない
桜色のリップをつけた。





イメチェンを終えると、
鏡に映る自分をじっと見つめた。





マホ「少しは
可愛くなったかな・・・」





今、リュウ君に会ったら、
意識してもらえるかな。





また昨日みたいに
話せるかな・・・





リュウ君のことを考えたら、
自然と心臓の音が早くなる。





マホ「・・・私、
一目惚れしちゃったのかな」





恋する気持ちを
初めて知って、





なんだか嬉しかった。













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





・30分後・





マホ「2人ともおはよ!」





家から2人が出てくると、
元気よくそう言った。





2人は唖然とした表情を
していた。





タカト「・・・マホ、
ポニーテールどうしたの?」





マホ「イメチェン、だよ!」





オオゾラ「しかも、
口紅つけてるし」





2人はいつもと違う私を見て、
恐る恐る近づいてきた。





マホ「これはリップだよ。
色付きだけど」





オオゾラ「なんで急に
イメチェンしたん?」





私は待ってましたと
言わんばかりに
ニマッと笑う。





タカト「うわ、
すっごい笑ってる・・・」





マホ「ついに、
運命の王子様に会ったの!」





2人は大きな
ため息をつく。





オオゾラ「俺より
カッコよくないと
王子様と認めねーからな」





タカト「僕より可愛くないと、
認めないよ!」





親目線ですか・・・?





マホ「私、その人に
一目惚れしちゃった
みたいなの!」





2人の表情は
呆れる一方。





マホ「リュウ君は、
昨日話してみてわかったけど、
裏表のない究極の
運命の王子様だから!」





「リュウ君」と言う言葉に、
2人は大げさと言っていいほどに
ビクついた。





タカト「その王子様、
リュウ君って
呼んでるの・・・?」





オオゾラ「・・・もうそんな
あだ名呼びできる
親密な関係になったのか!?」





だから、なんで
そんな親目線?





マホ「オオゾラだって、
あだ名で呼ぶ女の子、
いるでしょ?」





するとオオゾラは
首をブンブン横に振る。





オオゾラ「俺が女の子を
あだ名で呼ぶなんて、
引かれるしキモいわ!」





まぁ・・・
より一層チャラくなるし。





マホ「タカトは?」





タカトは
頭が混乱しそうなくらい
首を横に振る。





タカト「あり得ないよ。
女の子には優しくするけど、
あだ名で呼ぶなんてしない!」





そんなもんかなぁ・・・





マホ「まぁ、
リュウ君は運命だから、
うまくいくと思う!」





そう言って走り出した私に
2人は静かに口を開く。





オオゾラ「・・・マホの恋だから、
応援するし、干渉はしない」





タカト「・・・僕も。
可愛くなるアドバイスとかはする」





・・・あれ?





認めてくれるんだ・・・





応援してくれるのは
嬉しいのに、





なんだかもやっとする。





きっと私は
期待してたんだ、





2人なら、
もっとちゃんと
批判してくれるかなって。





私のことを
分かってくれてるから、





「まだ早いんじゃない?」とか





「俺らと遊ぶ方が楽しいだろ」とか





なんか、バカみたい。





マホ「・・・あ、今日の宿題
やってなかったんだった。
先学校行ってやらないと。
私、先行くね」





私は後ろを振り向かず
走り出した。





棒読みに聞こえたかな。





それでも、いい。





居心地のいい2人との時間が
なぜかさっきは
抜け出したいものになったから、
それも一刻も早く。





マホ「何か、変な気持ち・・・」





私は青く澄んだ空を見て
呟いた。







タカト「・・・これでいいのかな」





オオゾラ「これはマホの恋だ。
口はできるだけなら、
出さない方がいいと思う」





タカト「・・・だけど、
もしマホが付き合ったりしたら、
3人で遊ぶとか、
なくなるかもよ」





オオゾラ「・・・マホにとっては
初めての恋だから、
なんでも見守ってやろうぜ」





タカト「・・・そうだね」







2人は今、
何を思ってるんだろう。





きっと2人も同じ
青く澄んだこの空を
見上げてる。





相手の心なんて、





知れるはずもないのに。













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





カナミ「・・・さんっ
・・・若林さん!」





4時間目の数学が終わった後、
後ろの席の子に話しかけられた。





カナミ「若林さん、聞いてる?」





マホ「あっ・・・ごめん、
聞いてなかった、
えーっと、あなたは・・・」





カナミ「小林カナミだよ」





朝のことが
ずっと頭を駆け巡る。





カナミ「若林さんと、
話してみたかったんだよね。
だって、あの2人の
幼馴染でしょ? いいなぁ!」





マホ「そうかな」





カナミ「だって、2人とも
王子様みたいだもん」





マホ「王子様じゃないよー。
チャラいし、うるさいし」





カナミ「めっちゃ、けなすじゃん!
あははっ、若林さん、
もっと大人しい人かと思ってたー!」





マホ「私、女友達少ないから、
接し方わからないんだよね・・・」





ずっと3人でいたから。





カナミ「じゃあ、私、
若林さんの友達になりたい!」





朝の悩みを
少し忘れるくらい、
嬉しかった。





マホ「うん!
私も、小林さんの
友達になりたい!」





私達はふふっと笑った。





カナミ「じゃあ、マホと
カナミ呼びにしよー!」





すごく距離が
近くなったみたいで、
心があったかい。





カナミ「この後の昼休みに、
一緒に弁当食べよ!」





マホ「うん!」





私は、手提げから
弁当を取り出した。





私の席は
1番前の廊下側。





タカトの席は
4列目の廊下側。





タカトは、近くの男子と、
パンを食べながら話していた。





オオゾラの席は
1番後ろの窓側。





オオゾラは、
近くの女子達と
弁当を食べていた。





その時、会話の一部が
聞こえてきた。





女子「ねー、オオゾラ君!
今日放課後
カラオケ行かない?」





また、誘われてるし。





ま、どうせ
行くんだろうけど。





オオゾラ「いいよー!」





ほらね。





カナミ「オオゾラ君すごいね。
やっぱりめちゃくちゃモテてる!」





マホ「ねー」





そして、
オオゾラを誘った女子は、
タカトの席の方に向かった。





女子「タカト君も行かない?」





タカトは下を向いたまま、
何か考えていた。





そして、ゆっくり
顔を上げて笑顔で答えた。





タカト「いいよ」





女子「うっそ!
まじ豪華じゃん!」





カナミ「タカト君もモテモテ!」





・・・うそ





タカトは私に
言ってくれた・・・、





僕は女の子と
遊びに行かないって。





そう言ってくれたのに・・・





思った通りだ、
タカトだって、
男だもん。





可愛いと言われてるけど、
男だから、
遊びにも行く。





だけど、
嘘をつかれたのは
すごく、辛い。





マホ「カナミ、
屋上で弁当食べよ?」





カナミ「え、屋上いくの?」





マホ「屋上まだ行ったことないから、
行ってみたいだよね」





そんなの、
まっぴらの嘘。





早くこの場から
離れたかった。





カナミ「あー、そういえば私も
行ったことなかったっけ。
じゃ、早く行こ!」





マホ「うん・・・」













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





・屋上・





カナミ「へぇ、結構
屋上広いねー!」





マホ「ねー、景色もいいし」





私の恋はほったらかして、
遊びに行くなんて!





2人がその気なら、
私だって動く!





マホ「ねー、カナミ」





ベンチに座りながら
カナミに呼びかけた。





カナミ「マホ、どうしたの?」





マホ「古川リュウタロウ君って
知ってる?」





私は、リュウ君との
恋を進める!





カナミ「古川?
あぁ、5組にいた気がするけど、
その人がどうしたの?」





マホ「一目惚れしちゃってさ・・・、
あまり関わる時がないんだけど、
どうやったら仲良くなれると思う?」





すると、カナミは
目を見開いて私を見る。





カナミ「古川に!?
まー顔はかっこいいけどね、
近寄りにくいというか、
あんまり喋ったことないから、
分かんないなぁ」





マホ「初めて喋った時、
すごい楽しくてさ。
運命って思った」





その瞬間、
カナミが笑い出す。





カナミ「運命? マホ、
ロマンチックだねー!」





マホ「そうかな」





私は顔を赤くして
下を向いた。





カナミ「古川、5、6時間目
大体保健室いるらしいよ」





マホ「サボってるのかな」





昨日もサボりって
言ってたし。





するとカナミは
首を傾げて言う。





カナミ「んー、
なんか午後の時間は、
体調が悪くなるらしいよ」





大丈夫なのかな・・・





するとカナミは
ニッと笑う。





カナミ「マホも体調悪いって言って、
保健室行ったらー?」





!?





マホ「体調悪くないけど」





カナミは私に向かって
ウィンクして言う。





カナミ「サ、ボ、リ、だよっ!」





マホ「・・・サボってもいいの?」





カナミ「本当はダメだけど」





ダメじゃん!





カナミは唇に
人差し指を当てる。





カナミ「バレなかったらいい!」





そーいう問題じゃ
なくない?





カナミ「まぁ、私に任しといて!
口実は、私が作っとくから!」





マホ「うまくいくかなぁ」





カナミ「運命を感じたんでしょ?
じゃあ、すぐに行動するべき!」





運命の王子様は、
リュウ君しかいない!





マホ「うん、頑張ってみる!」





作戦実行だ!













*・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆





・5時間目・





そろそろ時間?





後ろをちらっと向くと、
カナミが頷く。





私は、お腹を抑えながら
おでこを机につける。





カナミ「マホ、大丈夫?」





カナミが私に呼びかける。





先生は気づかない。





そこで今度は大きめな声で、





カナミ「マホ、保健室
行った方がいいんじゃない?」





先生「若林さん、大丈夫?」





よし!





マホ「ちょっとお腹が痛くて」





カナミ「私が保健室まで
付き添います」





先生「前も気分悪そうにしてた時も
あったわよね。
行ってきていいわよ」





私とカナミは、
目を合わせて少し笑い、
保健室へと向かった。





その時に、タカトとオオゾラは、
こちらに鋭い視線を送っていた。





マホ「あー、怖かった!」





カナミ「でもよかったじゃん!」





これで、
リュウ君に会える!





マホ「うん、頑張る!」





カナミ「じゃ、私はここで。
この後のこと、
教えてよね!」





マホ「うん、わかった!」





カナミが去って行くのを見て、
深く息をついて、
ドアを開けた。





ガラッ





そこにいたのは、
窓の外を眺めていた
見覚えのある男の子。





私はすぐに気がついた。





マホ「リュウ君」





リュウ君は、
私の方を見ると、
にっこり笑った。





リュウ「マホちゃん、来たんだ。
今日も調子悪いの?」





私は首を横に振る。





マホ「嘘ついて来ちゃった」





リュウ「ダメだよ。サボったら」





私はふふっと笑う。





リュウ「まぁ、俺もだけど」





マホ「リュウ君は、
午後から調子悪くなるって
聞いたけど・・・」





するとリュウ君は
私が見たことのない
大笑いをした。





リュウ「それはデマだよ」





マホ「そうなの?」





と、その時
リュウ君がふらついて
ベットの柵に手をついた。





マホ「大丈夫!?」





私はリュウ君を支えながら
窓に近い椅子に座らした。





リュウ「ありがと・・・」





マホ「体調悪くなるの、
本当じゃん。
無理しないでよ」





それでもリュウ君は、
笑顔を崩さない。





リュウ「体調が悪くなる日もあるけど、
普通な時もある。
だけど、もし倒れたら
いけないからって、
ほとんど午後の時間は
保健室にいるんだ」





マホ「倒れちゃうの?」





リュウ「大丈夫だよ。
それより、せっかくマホちゃん
嘘をついてまで来てくれたんだから、
何か話したい」





私はリュウ君を見て
優しく微笑んだ。





マホ「ダメだよ、
ちゃんと休んでて」





リュウ君はふーっと息をついて、
ベットに寝転んだ。





リュウ「マホちゃんは優しいね」





マホ「心配なだけだよ」





空いてる窓から
風が吹いて気持ちがいい。





リュウ「てか、今日は
髪下ろしてるんだ」





リュウ君のためだよ。





マホ「に、似合ってる?」





リュウ君は寝転んだままで
顔だけ起こして
風にそよぐ私の髪の毛の先を
手ですくった。





リュウ「・・・うん、
すごく似合ってるよ」





ドキッ





王子様スマイルに、
思わず目を逸らしてしまった。





リュウ「それに、唇も」





私の頬に
手を添えるリュウ君。





まさかこれ、
キスされるんじゃ・・・





リュウ君は、
からかうように
ふっと笑って言う。





リュウ「・・・桜色のリップ、いいね」





ただ一言言って、
私の頬から手を離した。





ドキッドキッドキッ





リュウ「今の、意識した?」





私は一気に赤くなる。





分かりやすく
おどおどする私を見て、
リュウ君は目を細めて笑った。





リュウ「俺、マホちゃんのこと
好きになっちゃった」





マホ「・・・え?」





思いもしない突然で、





思わず両手で
口を押さえた。





すごく、嬉しかった。





マホ「・・・私も好き」





リュウ君は満面の笑みで
ベットから起き上がった。





そして、照れながらも
微笑んで
私を抱きしめた。





優しい風が入る、
保健室で。













・゜°・。・:・゜☆・・゜°・。・:・゜°・☆*





・放課後・





私は6時間目が終わる
少し前に教室に戻った。





先生「若林さん、
もう大丈夫なの?」





マホ「はい、
よくなりました」





私はもう、
にっこにっこだった。





運命の王子様と
両想いだなんて!





後ろから、カナミが
呼びかけた。





カナミ「どうだった?」





マホ「やばいよ、カナミー」





カナミ「教えてよ!」





私は保健室で
あったことを話した。





カナミは
みるみる赤くなって、
顔をおさえた。





カナミ「やばいよー、マホ!」





マホ「今日、一緒に帰る
約束してるの!」





カナミ「まじで?
いいなぁー!
漫画みたい!」





女子「ねー!
そろそろカラオケ行こ!」





オオゾラ「おう!」





タカト「楽しみ!」





2人は近くの女子と
楽しそうに笑っていた。





2人に両思いになったこと、
言ったほうがいいのかな。





オオゾラ「それ、まじウケる!」





タカト「それ本当なの?
すご!」





女子「だよね!」





私に向けられた2人の背中は、
その答えを出しているようだ。





2人に言う必要はない、と。





マホ「・・・じゃあ、帰るね!」





今日はリュウ君と
帰るんだから!





カナミ「うん、じゃあね!」





運命の王子様と
両思いになれて幸せなのに、





なぜか、寂しく感じた。







*・。+ *・。+ *・。+





マホ「リュウ君ー!
帰ろ」





リュウ「うん!」





なんか、すごく
恋愛してる感じ!





相手は運命の王子様!!!





リュウ「マホちゃん、
手繋いでいい?」





胸が高鳴る。





マホ「いいよ!」





繋いだ手から、
温もりが伝わってくる。





他校の高校生は、
すれ違うたび、
リュウ君をみて、
キャーキャー騒ぐ。





それなのに、リュウ君は
ぎゅっと手を握ったままで
いてくれた。





カレカノって感じで、
私は、なんだか、
おしとやかでいられる。





3人で帰る時は
こんなにゆっくり
帰らないな。





2人になら、
なんでも色々言えるけど、
リュウ君には、傷つけたら
どうしようと思って、
ちゃんと考えてから、
言うようにした。





いつもみたいに
ギャーギャー
大声で言わずに。





それがなんだか、





物足りなく感じた。







わたし達は
道草をしながら、
楽しく帰っていた。





マホ「暗くなってきたね」





リュウ「ねー」





3人の時は、暗くなっても
いつものニコラ公園のブランコを
ブンブン飛ばしてたなぁ。





毎日のように。





マホ「ねぇ、ニコラ公園に
寄りたいんだけど、いい?」





リュウ「うん、話しよー」





私はブランコで
立ち漕ぎをした。





リュウ「マホちゃん、
そんなに飛ばしたら
危ないよ」





マホ「慣れてるよ、
このくらいの高さなら!」





リュウ「座って話そうよ」





そんなリュウ君をみて、
渋々ブランコを止めて、座った。





マホ「3人の時なら・・・」





私は思わず
手で口をおさえた。





マホ「ごめん・・・」





リュウ君は、
ブランコから降りて、
私の方によってきた。





リュウ「マホちゃんって、
確か幼馴染いたよね」





マホ「・・・うん」





リュウ「俺といる時と
幼馴染といる時、
どっちが楽しい?」





マホ「それは・・・」





2人といる時は
心から笑える。





だけどリュウ君といる時は、
心が落ち着く。





どっちの方がって言われたら、
答えられない・・・





リュウ「ごめん、質問を変える。
マホちゃんは、
俺のこと好き?」





それはすぐに
答えられる。





マホ「好きだよ!」





運命の王子様だもん!





リュウ「だったら、
あの2人より
俺のこと考えてよ」





『マホっ!
何してんだよ。
あ、俺がかっこいいからって
見とれてんのか?』





『マホ、どうしたの?
あ、僕が可愛いからって
見つめてたの?』





『俺の隣にいたら、マホ、
女の子にめっちゃ
恨まれると思うわー』





『僕の隣にいたら、
僕の周りの空気で
マホも可愛くなると思うよ』





あ・・・ダメだ、、、





私は、込み上げては流れる涙を
止めることが出来なかった。





そんな私を見て、リュウ君は
微笑んでいるけど
痛々しい表情を浮かべた。





リュウ「質問責めにして
ごめんね」





マホ「・・・あのね、私はね、
本当にリュウ君のことが





リュウ「・・・マホちゃん。
俺のことが好きなら、
その涙は何?」





私は手首で
目をこすった。





リュウ「・・・マホちゃん、
自分に嘘はつかないで。
いつか絶対、
自分を見失っちゃうから」





マホ「え?」





リュウ「マホちゃんの
心の中のほとんどは
あの幼馴染の2人だよ。
俺と一緒に帰ってるときだって、
上の空だったから」





マホ「違うよ」





リュウ「マホちゃんの心を
俺いっぱいに出来なかった」





マホ「そんなことない!」





リュウ「そんなことあるんだよ。
ねぇマホちゃん、
それに今2人とうまく
噛み合ってないんじゃない?」





リュウ君は、
なんでそんなに
私の心が分かるんだろう。





リュウ「後悔しない前に、
2人のところに
行ってきてあげたら?」





こんなに優しくて
思いやりのある男の子に
出会ったことなかった。





マホ「リュウ君は
本当にいい人だね」





リュウ君は
ふふっと笑う。





マホ「私はこれからもずっと
リュウ君のことを想ってる。
今はまだあの2人と
一緒にいたいだけで、
リュウ君のことはずっと好きだから」





答えになっていない
私の気持ち。





でも、それしか言えない。





リュウ「いつか俺の隣に
嘘のない笑顔で笑ってくれてる
マホちゃんがいる日が来るのを
待ってる」





マホ「うん、ありがとう」





リュウ君との関係は
これで終わりにしない。





あの2人といる時は
感じられない、





不思議で繊細で暖かい、
とても優しいこの時間に
最後は笑顔でいられた。





マホ「じゃあ・・・そろそろ」





リュウ君は柔らかい笑みを
浮かべた。





リュウ「うん、
行ってらっしゃい」





私は走り出す。





運命は早々
あるもんじゃない。





だけど、運命の王子様だと
思ったリュウ君に出会った。





そして私は、運命は
それだけじゃないって
気づいた。





今頃気づいたら
遅いと思うけど、





タカトとオオゾラに
出会ったのも、
運命だったのかもしれない。





きっと、そう。





だって・・・





オオゾラ「マホっ!?」





タカト「こんな所にいたんだ!」





気づけば
そこに、いたから。





マホ「・・・私を探してたの?」





2人は深く息を吐いた。





オオゾラ「マホママが、
『マホどこにいるか知ってる?』って
メールきて、それで探してた」





タカト「今何時か分かってる?」





私は腕時計見る。





その瞬間、
私は青ざめていく。





マホ「く・・・9時20分・・・」





オオゾラ「マホ、
門限7時30分だろ?」





これはまずい。





オオゾラ「俺らが今から送るから」





タカト「そうだね」





2人をじっと
見つめてた私だけど、
すっと目線をそらして言う。





マホ「・・・いいの?
カラオケ抜けてきて」





オオゾラは
派手にため息をつく。





オオゾラ「そりゃ、女の子達と
カラオケ続けたかったけど」





タカト「オオゾラ!」





タカトに注意されて、
真剣な目で私を見る。





オオゾラ「その・・・
優先順位ってもんがあるだろ」





タカト「カラオケよりも、
マホのことの方が
大事だから」





オオゾラ「・・・俺ら幼馴染だろ」





マホ「・・・それは、ありがと」





胸が熱くて、
嬉しい気持ちで
いっぱいだ。





するとオオゾラは
囁くくらいの声で言った。





オオゾラ「で、古川とは
どうなった・・・のか?」





その言葉に、
タカトも顔がこわばる。





マホ「告白されて、
今日一緒に帰った」





2人は固まったまんま。





数秒経って、オオゾラが
大きな声を出す。





オオゾラ「な、何があったんだよ!
話せよ、全部吐け!」





混乱気味のオオゾラに
思わず笑みがこぼれる。





タカト「僕ら、マホが5、6時間目
仮病で保健室に行って、
古川は午後保健室通いって聞いてたから、
マホは会うつもりなのかって
騒いでたんだ」





マホ「嘘・・・ついてたの
バレてたの?」





オオゾラ「何年一緒にいると
思ってんだ」





タカト「マホの嘘はわかるよ」





オオゾラは
落ち着きを取り戻す。





オオゾラ「マホが恋したって聞いて、
反対してたけど、
これはマホの恋だって思って、
応援するために
マホから距離をとったんだ」





タカト「女の子たちとカラオケ行って、
気分紛らわそうってオオゾラが言って、
僕は全く乗り気じゃなかったんだけど、
何もなく家に帰ったら、
色々考えるって思って」





タカトはため息をついて
苦笑する。





タカト「女子とのカラオケ、
やっぱ楽しくなかったけどね」





少し距離が遠いなって
思ったのも、





寂しいなって
思ったのも、





全部、私の恋を
気遣ってくれたことから
感じたんだ・・・





マホ「私、リュウ君とは
付き合わないよ」





2人の表情は
自然と柔らかくなる。





マホ「好きだけど、
リュウ君と付き合うより、
まだ3人で一緒にいる方が
いいなって思った」





タカトが優しく微笑む。





タカト「僕らも、そう思ってる」





オオゾラも深く頷く。





オオゾラ「なんだかんだ言って、
3人でいる時が
1番落ち着くんだよな」





マホ「私もそう思うよ」





タカト「だよね」





私達は互いに
目を合わせ微笑む。





その場に
和みの雰囲気が漂うと、





オオゾラが思い出したように
スマホを取り出し、
時間を確認する。





オオゾラ「そろそろ、
帰った方がいいと思う」





私も慌てて
腕時計を見る。





9時35分!?





マホ「急がないと!」





タカト「大丈夫。
マホママには、僕達から
言い訳しておくよ。
ね、オオゾラ」





オオゾラ「おう、
バッチリやっとく!」





オオゾラは
片目を閉じて笑う。





タカト「じゃあ、
話も済んだところだし、
帰ろう」





マホ「だね」





オオゾラ「おう」





私達は回れ右をして、
歩き出す。





タカト「今さっきまで走ってたから、
髪の毛乱れてる!」





タカトは手鏡で
髪を整える。





それを見たオオゾラも、
慌てる。





オオゾラ「マホを探すのに
必死になってたから、
俺の髪もきっと悲惨なことに・・・
タカト手鏡貸せ!」





タカト「やだよ!」





2人はいつものように
手鏡の取り合いをしてる。





足が止まってる私に気づいて
2人は同じタイミングで
振り向く。





タカト、オオゾラ「マホ?」





私は満面の笑みで
2人に駆け寄り、
掴むように肩を組んだ。





オオゾラ「うおっ!」





タカト「わぁっ!」





マホ「私達の友情の証は
肩組みでしょ!」





オオゾラ「いてーし!」





マホ「我慢しろ!」





タカト「マホ、強引だよー」





マホ「あはは!
仕方ない仕方ない!」





2人はテンションの高い
私を見つめて
ふっと笑った。





いつか人を愛して、
その人が1番になったとしても、
私達の友情が続いていくといいな。





そんなことを思いながら
空を見上げる。





左右の2人を見ると、
私と同じように
空を見上げてた。





目が合い
くすっと笑う。





私の思いはきっと
2人に届いているはず。





だって今、
3人が1つになった気がして、
今ならきっと相手の心が
知れる気がしたから。





夜空に浮かぶ、月と星達が、
いつまでも私達を見守っていた。







*END*

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