古き森

CAST小林 花南小林 花南

作者:蘭

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.12.19

私は小林花南!
高校1年生です!





花南「おはよー!」





未来実「おっはー」





まのか「おはよぉ!」





私が挨拶すると、
何人かの子が
返してくれた。





この子たちは
池未来実と広瀬まのか。
私の友達なんだ!





でも、
親友ではない。





その理由は・・・





未来実「あ、また1人でいるよ、
もう3学期なんだからさ、
いい加減クラスに馴染めよ」





まのか「習字が趣味なんて
言わなければ
よかったのにね」





花南「ほんとそれなー」





はい、
ここから分かるように
私達はクラスメイトの
近藤結良ちゃんを省いています。





私達だけじゃなく、
他の子達も。





省られた理由は
自己紹介の時に
習字が趣味って
言ったからなんだけど、
私も俳句が趣味なんだよね。





だけど俳句が趣味なんて
言ったら、私まで省られる。





そんくらいで
切れる縁なんです。





自己紹介の時は
その空気を読んで
言わなかったんだけど、





自分を隠したまま
3学期になっちゃったし。





正直言って
このふたりといても
楽しくないし。





だから本当は
このグループを抜けて
結良ちゃんの方に行きたい。





でもそしたら
省られるし・・・





あーもう!





いつもこんな感じで
考えがグルグル
まわってるんだよね。





先生「HR始めるぞー」





全員「はーい」





そんなこと考えていたら
HRが始まった。





明日は土曜だし、
気分転換がてらに
俳句作りに森に行こう。





そう思って私は
先生の話を聞いた。













*・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ ・。





花南「あーいい空気!」





無事土曜日になり、
私は森にやって来ました!





花南「よし、この辺で
まずは1句作るか」





私は俳句を作った。





詠んだ句は・・・





森の中
人間関係
1つもない





こんな句。





ていうか、絶対に
クラスでのこと
抜けてないよね。





私はため息を
ひとつついて、
別の場所に
移動することにした。





花南「よし、
ここで作るか!」





ここは周りに
木が沢山あって、
小鳥のさえずりまで
聞こえてくる。





いい句が詠めそう!





そう思った瞬間、
目の前が急に
明るくなった。





と思ったけれど
また戻った?





ま、いっか。





私はまた俳句を
詠もうとしたけど、
なんかおかしい。





木の大きさとか
本数とかが違うし、
小鳥がいない?





どうなってるの!?





あ、もしかして
さっきの光が
関係あったのかな。





この辺にいた人なら
さっきの光も
経験してるよね。





とりあえず近くの人に
話を聞いてみよう!





あ、人いた!





でも服がなんというか・・・
着物?





こんな森の中なのに
着物とか歩きづらく
ないのかな。





まぁでも
あの人の他には
人はいなさそうだから
話を聞いてみるか。





花南「あのーすいません、
さっきの光って
なんだったか
分かりますか?」





空人「光?
そんなものは・・・
というかお主、
なんだその格好は!」





花南「え、私?
森だから歩きやすいように
長袖のTシャツに
ジーパンで来ましたけど・・・
というか、あなたこそ
なんですかその格好は!」





空人「これは
普段の格好だけど」





花南「は!?
今時着物が普段着とか
ありえないんだけど」





空人「逆にそなたの格好なんて
見たことありませんけど」





花南「は!?
みんなこんなような
服きてるし、ていうか
そんなの着るなんて
戦国時代の武将か
江戸時代ぐらいの人じゃないの?」





空人「え、今が
戦国時代だけど・・・」





花南「は!?
だって私は
平成生まれなんですけど」





空人「平成?
そんなのは
聞いたことないけど・・・」





花南「いやいやいや、
じゃあ1回
外に出てみましょうか」





空人「いや、
外に出るのは危な」





言い終わる前に、
バン!
という音がした。





続けざまに
どんどんなる。





もしかして
これって・・・





花南「銃声・・・」





空人「ああ、最近では
いつもやってるよ、
鉄砲ができた途端に
織田信長とかが
撃ち始めたからね」





花南「じゃあもしかして私、
タイムスリップした・・・?」





空人「まぁそれが
1番だとうだろうね」





花南「じゃあ私、
早く帰らないと」





空人「でも帰る方法は
分かるのか?」





花南「あ、」





空人「じゃあ
ここに来た方法は?」





花南「私、俳句を作りに
この森に来たんですけど
急に目の前が明るくなって、
気がついたら
ここに来てたんです」





あ、私、普通に
俳句が趣味って言えた・・・





会うのが今日だけだから
かもしれないけど。





空人「そうか、
でも外に出るのは
危険だな、
この辺で戦いをしてるから」





花南「じゃあどうすれば・・・」





空人「よし!
じゃあ俺が話を
聞いてやろう!」





花南「話・・・?」





空人「俺はな、
この辺ではちょっとばかり
有名な悩み相談相手なんだ、
なんか悩みがあったら
聞こうじゃないか!」





花南「悩み・・・」





私の頭には、真っ先に
あのことが浮かんだ。





花南「さっきも言ったんですけど、
私、俳句が趣味なんです、
だけど、そんな古くさい
趣味を言ったら
省られそうで・・・
現に習字が趣味だと言って
省られてる子がいて・・・」





空人「そなたは
どうしたいんだ?」





花南「私は出来れば
本当のことを言いたい、
でも、本当のことを
言ったら省られるし・・・」





空人「省くとはなんだ?」





そっか、省くって言葉
昔はないから。





花南「省くとは
仲間はずれ?
みたいなものです」





空人「仲間はずれ・・・
それならこの時代にも
あるな」





花南「え、あるんですか?」





空人「ああ、
俺もされたよ」





花南「え、そなたも!?」





やば!
癖がうつってきた。





空人「ああ、俺は昔
織田信長の家来だったんだかな、
織田信長は家来の差別が激しくて、
俺はあんまり好かれて
なかったんだ、
だから、他の家来の人達にも
仲間はずれにされてな・・・」





花南「そうだったんだ・・・」





空人「いかん、自分の話を
してしまったな、
そなたの話を聞かんと」





花南「あ、で、省かれずに
本当のことを言える方法は
ありますか?」





空人「それはないな」





え、即答?





花南「じゃあ私、
どうすればいいと?」





私は少し怒りめに
言った。





空人「そうだな、
とりあえず本当のことを
言ってみるといい、
それで省かれたんなら
そいつらは本当の友達じゃない」





花南「でも省かれたら私、
どうすれば?」





空人「習字好きの
友達のところに
行ってみてはどうだ?」





花南「でもそしたら
私が省かれたから
しょうがなくその子のところに
行ったみたいになりませんか?」





空人「なるかもな」





え?
やっぱこの人
おかしい。





空人「そなたはなぜ
友達はいると思うか?」





え、急すぎね?





花南「それは友達といると
楽しいし、
なにかあった時に
助けてくれたり、
寄り添ってくれたりするから?」





空人「そなたはいい考えを
持っておるな」





花南「あ、どうも」





空人「でもな、世の中には
友達の数を自慢して
新しい友達を作って、
1人でいる子を
仲間はずれにする人が
いるんだ」





花南「・・・」





空人「そうなると
1人でいる子は寂しい、
だからそなたが友達になったら
習字好きの子も
嬉しいんじゃないか?」





花南「確かに・・・」





空人「自分を仲間はずれに
してくる人は
本当の友達じゃない、
だから、そなたにとっても
いいのではないか?」





そっか、私、
その言葉を待ってたんだ。





誰かに友達になるべきなのは
結良ちゃんだよって
言われたかったんだ。





花南「ありがとうございます!
私、そうしてみます!」





空人「そなたの役に
立ったのならよかった」





花南「そういえば名前
まだ聞いてませんでしたよね?」





空人「ああ、己の名は
大倉空人だ」





花南「私は小林花南です!」





私が満面の笑みで
言った途端、
目の前が急に
明るくなった。





そしてまた戻った?





でも、そこに
空人さんは
もう居なかった。





そっか、私
戻ってきたんだ。





悲しいけど、
空人さんに会えて
よかったな。





よし!
俳句を1句
詠んで帰るか!





そこで
私が詠んだ句は・・・





古き森
そこで出会った
大事な人













*・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ ・。





花南「おはよー!」





未来実「おっはー」





まのか「おはよぉー!」





私が挨拶すると、
いつものように2人が
挨拶を返してくれた。





でも、これも最後に
なるかもしれない。





花南「実は私さ、
俳句が趣味なんだよね」





未来実「は!?
趣味渋すぎない?」





まのか「それな、
そんな趣味だとは
思ってなかった、
しかも隠して
接してたなんて
信じられない!」





未来実「行こ、まのか」





そうして2人は
行ってしまった。





でも、これで
いいんだ。





私は結良ちゃんのところに
話しかけに行った。





花南「結良ちゃん、
結良ちゃんって
習字が趣味なんだよね?」





結良「う、うん」





花南「実は私も俳句が趣味なんだ、
今ここに来たら省かれたから
しょうがなく来たって
思われるかもしれないけど、
私は結良ちゃんと普通に
友達になりたかったんだよね、
趣味も合いそうだし」





結良「え、花南ちゃんって
俳句が趣味なの?
私も俳句、好きだよ!」





急に大きな声を
出したので
びっくりした。





でも、嬉しいな。





素で話せる友達と
やっと会えた気がした。





花南「ねぇねぇ、
良かったらなんだけどさ、
今度一緒に
俳句作りに行かない?
習字も教えてもらいたいし」





結良「もちろん!」





そんなこんなで私達は
趣味が似てることもあって、
すぐに仲良くなった。













*・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ *・。+ ・。





5年後、
私は大学3年生に
なりました!





結良「ねぇねぇ、
今日も一緒に
俳句作りに行かない?」





花南「いいね、行こ!」





それから5年間、
私は結良ちゃんと
よく話すようになり、
大学も一緒にしました!





よく遊びに行ったりも
するんだけど、





今だに遊んだことがあるのは
俳句を詠むか
習字をするかなんだよね。





でも、それでも
嬉しい!





だって、こんなに
趣味があって
仲良くなったのって
初めてだもん!





でも、これも
空人さんのおかげ。





またどこかで
逢えたらいいな。







*end*

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