恋愛へのお誘い

CAST懸樋 大晴空懸樋 大晴空

作者:rina

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.04.09

「まのか!
明日空いてる?
映画のチケットあるんだけど」





俺、懸樋大晴空は、
今日も彼女を誘う。





「やーだっ!
映画見るだけなんでしょ?
そんなことに
休日使いたくないもん」





やっぱりダメか・・・
何度も誘っていると
いい加減気がついてくる。





まのかは
食べ物以外じゃ
誘いにのらないってこと!





確かに俺の親友の伶音が
遊園地に誘った時は
あっさり断ったのに





お祭りに誘った時は
あっさりのってたっけ。





お祭りには
屋台があるからね・・・





ま、女子は別だけど。





ところでなぜ
俺がまのかを
誘っているのか?





それは好きとか
そういう訳じゃない。





・・・ただ
意地でも食べ物なしで
まのかを誘ってやる。





そう思ったから!





だからつまり
結局は俺の自己満足。





こういうのって
燃えちゃうんだよな~。













・。・。・。・。・。・。・。・。





「・・・でもなんでアイツは
食べ物に固執すんのかな~?
出かけるくらいイイと思うのに」





そんなことを
つぶやいていると
まのかの親友のくるみが
顔を出した。





「大晴空、それはね・・・
食べ物じゃないからだよ!」





・・・は?





「そんなの分かってるよ!
当たり前でしょーが!」





「・・・あ、言い方が
おかしかった?
あのね、まのかいわく、
食べ物で誘う男の子は
自分を恋愛対象だと
思ってないんだって。
ほら、あの子は
大食いキャラだから?」





大食いキャラ・・・
確かに言えてるけど。





「まのかは食べるの好きでしょ?
だからみんな食べ物関係は
普通に誘ってるじゃない」





まあ、そうだよな。





食べ物といえば
アイツしかいないもん。





「でもね、食べ物以外で誘う人は
まのかを恋愛対象と
思ってる人なんだってさ!
もちろん、2人きりでね」





「確かに・・・
食べ物関係以外で
まのかを誘うことって
あんまりないかも」





「でしょ?
だからそういう誘いは
好きな人以外のは
のらないんだよ」





ってことは・・・





俺はまのかを
恋愛対象に思ってる。





そういうことだよね?





・・・ないない!





だって
あのまのかだぞ?





恋愛対象には
ならない・・・





「大晴空ってば、
さっきまのかを
映画に誘ってたでしょ~?
もしかしてまのかを
恋愛対象にしてるとか!?」





「んなことないって!」





もう、
余計なヤツに
聞かれちゃったな~。





でも断られたってことは
まのかの好きな人は
俺じゃないんだよな・・・?





うわ・・・
それはそれで
ちょっとショックかも。





「・・・ん?」





何を俺は
落ち込んでるんだ。





アイツを
誘ってたのは
好奇心であって





好きとかじゃないのに





なんだ・・・?
この気持ち。













・。・。・。・。・。・。・。・。





「あっ、まのか!」





くるみの声で
我に返る。





「ねえねえ、まのか!
さっきの話
本当なんだよね~?
まのかは・・・
「うわーっ!」」





「大晴空うるさいよっ!
もうなんなの、
いきなり~・・・」





そりゃこっちの台詞だ。





なんでまのかに
わざわざ聞くんだよ・・・





もしこれで
頷かれたら気まずいだろ。





俺の誘いには
OKしてくれないって
分かっちゃったのにさ。





「なーに?」





当の本人は
キョトンとして
俺を見ている。





あーあ、この
何も分かってない感じ。
まのからしいなあ。





「その・・・さ・・・・
その・・・」





何をごもってんだー!





こんなの
いつもの俺じゃない。





まのかは
ただの友達だろ・・・!?





ハッキリしない俺に
呆れたのか。





「・・・ねえ大晴空!
どーせ今から
帰るんでしょ?
肉まんおごってよ」





そうまのかが言った。





「あ、うん・・・いいよ」













・。・。・。・。・。・。・。・。





俺の横には
嬉しそうに
肉まんを頬張る
まのかの姿。





・・・まさか
コイツから
誘ってくるなんて。





いや、
ただ帰るだけだし。





こんなの
他の女子とも
してるじゃないか。





「・・・肉まんおいしい?」





するとまのかは





「おーいしー♪」





満面の笑みを
僕に見せた。





「・・・そ、そっか」





まのかって・・・
こんなに
かわいかったっけ?





食べてる時の姿は
一段と輝いてるような。





・・・だから
みんな誘ってたのか?





「うん!」





こんなことなら
変な意地張らないで





食べ物でもいいから
誘ってれば
良かったかな。





・・・なんて
まるで恋してるみたいで
さっきから変だぞ、俺。





「大晴空」





名前を呼ばれ
振り向くと





さっきの笑顔は
どこに行ったのやら





まのかは
真剣な表情に
なっていた。





「大晴空ってさ、
最近よくあたしのこと
誘ってくれるよね。
いつも断っちゃうけど」





「う・・・」





・・・ハッキリ言うなあ。





「どうしてあたしが
断ってるか分かる?」





「え、だってそれは
好きじゃないから
なんでしょ?」





自分から
言っちゃうなんて
情けなさすぎる。





するとまのかは
涙を浮かべながら叫ぶ。





「・・・その逆だってば!」





「逆・・・?」





「そうだよ・・・!
あたしは大晴空が好きなの!
でも大晴空が面白半分で
誘ってくるから、
悔しくて断ってたんだよ!?
・・・大晴空だったら
食べ物じゃなくても
誘いにのってたのに~っ!」





まのかは
わんわん状態で





よほど辛かったのか
たまってたものが
一気に出たようだった。





「・・・ごめん」





まのかは
分かってたんだ。





ただの好奇心で
誘っていたことを。





・・・俺はまのかを
ずっと
傷つけていたんだな。





「これからは
こんなことしないよ。
まのかのこと、
もう面白半分で誘えないんだ。
・・・だってまのかが
また俺を誘うだろ?」





「え・・・?
あたし2度も
誘ってないよ?」





「誘ったんだ。
言っておくけど・・・
俺はその誘いに
のったからね?」





間違いなく俺は
まのかの笑顔に
誘われたんだ。





君で溢れた
恋愛の世界へと。







*end*

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