線香花火

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作者:リヴ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.06.08

タカト「俺、マホと
付き合うことになった」





登校中、
照れくさそうに
タカトが告げた。





驚いて、
ふり返る。





オオゾラ「え?」





タカト「だーかーらーっ。
マホと付き合うんだって!
マホって若林のこと!
お前、寝ぼけてんのか」





オオゾラ「・・・ああ、
昨日、告白したんだっけ」





ぼんやりとした
気持ちのまま答える。





タカトは
不機嫌そうな顔をして、
俺の肩を軽くパンチした。





タカト「お前、
どうせフラれるって
思ってたんだろ?
残念でしたーっ。
私も好き、って
言ってくれたし」





オオゾラ「のろけ話は
聞きたくない」





笑いながら言った。





顔は笑っていても、
心は笑ってなど
いなかった。





だが、そんなこと
顔に出すわけには
いかない。





タカトはずっと
若林のことが好きで、
猛アプローチをしていたし、





若林のほうも
タカトが好きなんだろうと
感じていた。





タカトとはチビの頃からの
付き合いだし、
心から祝福する
気持ちもあった。





でも、祝福と喜びは違う。





・・・若林が
俺の好きな人でなければ、
喜べたのだろうけれど。





もともと、
勝ち目のある
恋じゃなかった。





叶うはずもなかった。





片思いのまま
終わるのが
まるわかりだった。





それでも・・・





好きは
消えてくれなかった。





思わず苦笑すると、
目ざとくタカトが
それをからかってくる。





タカト「何笑ってんだよ!
フツーにコワイから」





オオゾラ「いや、若林に
愛想つかされないよう
せいぜい貢いでおけよ」





タカト「お前なーっ。
若林と俺は
両想いなんだからな!」





オオゾラ「・・・両想い、か」





両想いなんて
百光年遠いものだ。





もしそうなれたのなら、
どんな気持ちになるのだろう。





嬉しくて、嬉しくて、
発狂したくなるのだろうか。





少なくとも、俺に
そのチャンスはもうない。





オオゾラ「大事にしろよ」





俺がそう言うと、
タカトは少し
驚いた顔をした。





オオゾラ「・・・なんだよ」





タカト「いや、お前が
そんなこと言うなんて
意外でさ」





オオゾラ「お節介ぐらい
焼かせろよ。
一応おさななじみだし?」





タカト「一応って
どういう意味だよ」





オオゾラ「そのレベルの低い
脳ミソで考えろよ」





タカト「お前
バカにすんなよーっ」





いつも通りの
軽口を交わして、
笑い合って。





タカトと若林なら、
お似合いだ。





2人とも優しくて、
明るくて、
思いやりに満ちていて。





オオゾラ「泣かせたら、
俺が許さないから」





負け犬の
遠吠えかもしれない。





でも、若林のことが
好きだったからこそ、





タカトが大事な
おさななじみであるからこそ、
そう伝えておきたかった。





2人が傷つくのを、
俺は見たくない。





タカト「お前、
若林の父親かよ」





タカトは
そう言って笑う。





タカトは
俺の片恋の相手が
若林だって知らない。





教えるつもりもない。





教えたら、タカトは
俺を気づかうだろう。





もしかすると、
別れるかもしれない。





あいつは
無駄な気遣いばっか
するやつだから。





オオゾラ「仲良くやれよな」





空を見上げて、
そうつぶやく。





タカト「ありがと」





タカトは短く笑った。





俺も笑う。





俺にもまた、新しい恋に
出会うかもしれない。





でも今はもう少しだけ、
この想いを
抱き続けさせてほしい。





あいつらの邪魔を
するつもりもないし、
ケンカしたなら
仲裁役を買って出る。





俺は静かに、恋をする。





線香花火のような
俺の恋は、





誰も気づかない間に
消えていくのだろう。







*end*

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