恋せよ! リップクリーム

CAST古川 龍太郎古川 龍太郎

作者:rina

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.04.14

「うわ・・・
カサカサだよ、唇」





どうしてか、
最近唇が乾燥ぎみだ。





1週間たった今でも
このカサつきは
治らないまま。





モデル業をやってる俺は
雑誌に映る身だから
気を付けなさいと
前から言われているのに・・・・・





(まずいなあ、
また怒られる)





鏡の前で
気にしていると、





モデル仲間の成美が
横にやってきた。





「どーしたの?
鏡なんかジッとみて。
まるでナルシストみたいだよ」





そう言ってクスクス笑う。





(こんな唇で
ウットリ眺めていられるか!)





「いや、ちょっと
唇が乾燥しちゃって。
このままだと
目立ちそうなんだよね」





「それならリップ
塗ればいいじゃん?
保湿にリップは大切だよ?」





「いや、
そんなの持ってない。
第一、男がリップだなんて・・・」





(女みたいで
恥ずかしいったら)





すると成美はゴソゴソ
鞄をあさりはじめた。





「・・・あ、あった!」





「え?」





「龍太郎、少しの間
ジッとしててよ。
何にも喋らないで
こっち向いて」





訳が分からず
言われた通りにすると、





成美の顔がこちらに
近づいてきた。





(ま、まさかキス!?)





ドクン、ドクン





今までにないくらい
心臓の音が大きくなる。





思わず目を瞑ると、
唇に何かが当たる
感覚と共に
突然甘い香りがした。





「よし! これでOK!
龍太郎の唇、
もうカサカサじゃないよ」





「あ・・・ありがとう」





俺の唇に当たったのは
成美のリップクリームだった。





微かに苺の香りがする。





鏡を見ると確かに、
あんなカサカサだった唇は
嘘のように潤っていた。





「じゃあ、
先行ってるから
ちゃんとスタジオに
来るんだよ?」





「あ、ああ・・・」





そう言って走っていく
彼女の背中を見て
俺は気づく。





(直接じゃなかったけど・・・
あれは間接キスなんじゃ・・・)





今思えばあれは
成美がよく使う
リップクリーム。





(絶対、絶対、絶対に
間接キス)





「やられた・・・」





無邪気な笑顔と
苺の香りのリップクリームに





俺はどうやら
恋をしてしまったようです―――――







*end*

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