まのかの笑顔が好きだ。

CAST古川龍太郎

作者：のんちゃん

2019.10.27

俺は、古川龍太郎。
よろしく。

俺のクラスには
いつも笑っているやつが
いるんだ。

その名も
広瀬まのか。

辛くて悲しいことが
あっても

いつも笑顔で
みんなを励ましてくれる
あたたかい存在。

龍太郎「まのか！
笑顔っていいよな！」

まのか「もっちろん！
笑顔って幸せだよ！」

でも、
ある日のことだ。

まのかが、
放課後の教室で
なんだか
悲しそうだった。

龍太郎「まっ、まのか！
何してるの？」

まのか「あっ、龍太郎君。
なんでもないよ！」

そう言って、
笑顔を作った。

龍太郎「無理するなよな！」

まのか「無理なんてしてないよ！
ちょっと考えてただけ！」

龍太郎「なら、
よかった！」

これで、終わりかと
思ってた。

なのに、まのかが
悲しんでいるのを
放課後しょっちゅう
見かけた。

みんなの前では
楽しそうなのに、
１人だと違う。

龍太郎「まのか！
最近、どうしたの？」

まのか「何もないよ！」

龍太郎「なわけないだろ！
最近、ずっと
１人じゃん！
放課後は、いつも！」

まのか「見っ見てたんだ」

龍太郎「ごめん、
いつも笑顔なまのかだから
心配でさ」

まのか「わっ私ね。
病気なの」

龍太郎「えっ!?」

まのか「実はね。
病気を持ってるんだ」

そうだったんだ。

まのか「それでね。
余命まで
告げられちゃってさ」

えっ！
余命まで、
そっそんな。

龍太郎「後、
どんくらいなの？」

まのか「それがね。１週間
もつかもたないかだって」

龍太郎「そっそんな！
まのか！
なんで、なんで！」

まのか「ごめん、黙ってて。
辛くてさ。
悲しくてさ。
私、みんなに幸せに
生きてほしくて、
笑顔でいなきゃって」

龍太郎「無理は、するな！
俺は、自然な笑顔の
まのかが好きだよ！
みんな、助けてくれるから
頼ってよ！」

まのか「龍太郎君！
私も、好きだよ！
ずっとずっとね。
まのか、お前の笑顔は
俺の宝物だから」

＊。・　余命の日　・。＊

龍太郎「まのか」

まのか「龍太郎君！
ありがとう！」

病院ではなく。
いつもの教室での
別れだった。

＊ｅｎｄ＊