君と奏でるカラフルな世界

CAST小原 唯和小原 唯和

作者:スター

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2018.01.13

音楽に色が見えなくなったのは、
いつからだろう。







もう3年になるかもしれない。





色んな音楽も聞いてみたけど、
やっぱり白黒に見える。











・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





初めまして、
僕は小原唯和。





ニコラ学園に在学している
中学3年生だ。





「あっ、
唯和くんだ!」





「お、小原先輩!」





僕は、この学校で
ちょっとした有名人だ。





いや、
この学校だけじゃない。





世界中で
ちょっとした有名人だ。





何故かって?





僕は、小さい頃に・・・
天才ピアニストと
呼ばれていたから。





何度も大会で優勝して、
大人顔負けの才能をもった
ピアニストと世界中で騒がれていた。





でも、今はピアノは
絶対に弾かない。





もっと言えば・・・
僕はピアノを捨てた。





だから、
もう2度と弾かない。













・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





僕がピアノを
捨てた理由・・・





それは、母の死が
きっかけだ。







母は昔、
天才ピアニストと
呼ばれていた。





だが、ある日
重い病気にかかってしまい、
母はピアノを弾くのをやめた。





母は、僕に同じ後悔を
味わわせたくないと、
僕にピアノの楽しさを
教えてくれた。





それによって、
僕はピアノを弾くのが
好きになった。





でもピアノの楽しさを
知ることにより、
ピアノの苦しさを
知ることにもなった。





母の指導は
とても厳しかった。





たかが、1秒
弾くスピードが
遅かったりするだけで、
母は怒った。





それにより、
何度も何度も
私はピアノを弾くのを
やめようと思った。





でも、いつも母が弾く
音楽により、
またピアノを弾こうと
思ったのだ。







だが、ある日それは
終わってしまった。





ピアノの大会に
エントリーした僕は、
その大会で優勝した。





母のために
頑張って優勝した。





なのに、母は・・・
母は・・・





笑顔だった僕の顔に
涙を流させた。







母「シの音を弾く
スピードが遅い!
あんなに言ったじゃないの!
何で直せないの!」





あんなに頑張って、
母のために
優勝したのに・・・





そして、ついに僕は
言ってしまった。





唯和「お母さんなんか、
病気で死んじゃえばいいんだ!」







そして、次の日・・・
母は死んだ。





今でも、
後悔してる。





何であんなことを
言ってしまったんだろうと。





それでか、
僕の目の前に広がっていた
カラフルな世界は・・・





白黒の世界に
変わっていった。







音楽を聞くときも、
あんなにカラフル
だったのに・・・





全てが白黒に
見えるようになった。













・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





ある日のことだ。





幼馴染みの、
美愛と夕葵に連れられて、
僕はある公園にやって来た。





何で僕まで
連れてきたんだよ。
2人だけでいいじゃん。





そう思いながら、
行くと・・・





ピアニカの音が聞こえた。





最初はただ子供が
弾いてるだけだろうと思った。





でも、その音楽は
まるでビー玉のような
キラキラした音楽を奏でていた。





カラフルに輝いていた。





僕は、急いで
音のする方に向かった。





そして、出会った。







美愛「おーい、唯和~!
こっちこっち!」





夕葵「はよ、来いよー!
俺の大事なデートの瞬間を
見たいだろう!」





そう、今日来たのは
夕葵のデートの
ボディーガード
みたいなものだった。





何でそんなこと、
しなきゃいけないんだよって
思ったけど、
美愛に強引に誘われて来たのだ。





2人がいるところに着くと、
目の前に見たことがない
女の子がいた。





美愛「では、紹介します!
私の親友の
川床明日香ちゃんです!
夕葵、この子が
夕葵のことが好きな子」





明日香と言う女の子は、
ピアニカを弾いていた
女の子だった。





まさか、その子が
夕葵のことが好きな子だったなんて、
思ってもいなかった。





明日香「明日香です!
夕葵くん、宜しくね!」





か、かわいい。





かわいい女の子に
目がない夕葵は
もちろん・・・





夕葵「宜しくね!」





デレデレだ。





そんなんで、
よくデート出来るよな。





美愛「それじゃ、行こっか!」





唯和「どこに?」





夕葵「えっ、お前
知らないの?」





唯和「知らないもなにも、
美愛に強引に
連れてこられたから・・・」





美愛「明日香ちゃんの大会だよ」





唯和「えっ、大会?
何の?」





そういえば、
彼女の背中には
大きな荷物が
背負われていた。





唯和「もしかして、
それって・・・」





明日香「バイオリンだよ」





美愛「明日香ちゃんは、
バイオリニストなの。
言ったら唯和来ないと思って
言わなかったんだけど・・・」





唯和「要するに、
バイオリンの大会に
今から行くってこと?」





明日香「うん!」





夕葵「明日香ちゃんの演奏、
楽しみだな~!」





おいおい。
またデレデレして。





いい加減に、
気持ち悪いというレベルを
越えてるぞ。







美愛「もう、
時間ないから行こう!」





唯和「おい、待てよ・・・」





明日香「どうかしたんですか?」





唯和「僕は行かない」





美愛・夕葵「唯和!」





唯和「だって、可笑しいだろ。
音楽を捨てたやつが、
音楽の大会に行くかよ」





美愛・夕葵「・・・唯和」





明日香「小原唯和。
ニコラ学園在学の中学3年生。
幼い頃に天才ピアニストと
呼ばれていたが、
急に音楽の世界から姿を消した
音楽の天才。
母親は、元天才ピアニスト。
だが、病気により音楽の人生を諦め、
亡くなった。
父親は君が生まれる前に
交通事故で亡くなった天才指揮者。
叔母は、今現在も活躍する
プロのピアニスト」





唯和「なんで、そんなこと・・・」





明日香「音楽の世界で
生きている人たちに
君を知らない人なんかいないよ、
天才くん」





唯和「・・・・・」





明日香「途中で、
出てってもいい。
でも、少しは見てって」







何だろう。
行かなきゃ
いけない気がする。





行かなきゃ
後悔する気がする。





この子は・・・
新の天才かもしれない。







美愛「楽しみだね、唯和!」





唯和「うん、まぁ」





夕葵「それにしても、
明日香ちゃんはまだ~?
もう、退屈で
仕方がないんだけど」





お前、音楽の世界で
生きている人と
付き合うには
音楽に興味がなきゃ
すぐ別れるぞ。





まぁ、それにしても
夕葵の言う通り
なのかもしれない。





この大会に
エントリーにしている人たちは
マニュアル通りに弾いてるだけだ。





確かに退屈だ。





家に帰りたいけど、
あいつの演奏
見てからじゃないと
帰れないし・・・







美愛「あっ、次だよ!
ほら、明日香ちゃん
出てきた!」





夕葵「本当だ!
明日香ちゃん!
頑張れー!」





美愛「ファイト~!」





唯和「おい、お前ら
ここはライブ会場じゃないから
静かにしろ」





美愛・夕葵「あっ、ごめん」







演奏が始まった。
やっと家に帰れる。







明日香「届け・・・」





彼女の演奏は・・・
めちゃくちゃだった。





テンポもバラバラ。
酷い。





いくらなんでも、
これは酷すぎる。





でも・・・





唯和「すごい・・・」





一気にまわりの観客を
引き寄せた。





審査員までも、
魅了させていた。





彼女は音楽を
心から楽しんで
弾いている。





音楽に色が見える・・・





こんな感覚
久しぶりだった。







彼女の世界は
いったい・・・
何色なんだろう。













・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





美愛「絶対に優勝は
明日香ちゃんだよ!」





夕葵「うん!
あんな演奏
聞いたこともないよ!」





美愛「ね、唯和!」





唯和「えっ?
で、でも・・・」





彼女は確かに
新の天才だと思う。
でも・・・





あんなめちゃくちゃな
演奏・・・





確かに彼女は
審査員までも
魅了していた。





でも・・・
あの演奏だと
優勝は難しい。







唯和「あの演奏だと
優勝は・・・」





そして、予想通り
彼女は優勝はできな・・・





くなかった。
彼女は優勝した。
ビックリだった。





ますます
彼女のことが
気になった。













・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





次の日。
学校の帰り道。





桜の下で、
僕は見つけてしまった。





唯和「明日香・・・」





明日香「あっ、天才!」





唯和「その・・・
天才って言う呼び方
やめてくんない?」





明日香「やだ」





わがままかよ。





明日香「私が君が抜かしたら、
天才って
呼ばなくしてあげる」





自分勝手かよ。





唯和「てか、僕もう
ピアノは弾かないし、
君の方が天才だよ」





明日香「そんなことない。
君は天才。
今は、ピアノを
弾いていないからなだけで、
ピアノを弾きはじめると
君は天才になる」





唯和「あ、ありがとう」





明日香「てことで、
夕葵くんは?」





唯和「ぶ、部活だけど・・・」





明日香「えー!
せっかく、
待ち伏せしてたのに・・・」





何だこいつ?
バイオリンを手にすると
天才になるのに・・・
普段は子供かよ。





明日香「まー、いいや。
じゃあ、天才!
君が夕葵くんの代行ね」





唯和「へ?
代行?」





明日香「うん、代行。
デートの代行ね」





唯和「は?
デートの!?
ふざけんなよ。
僕は行かないよ」





明日香「えー?
せっかく、
一緒に行ってくれれば
天才呼ばわりやめようと
思ってたのに~」





唯和「行きます」





こいつ。
後で絶対に許さねぇー。







明日香「キャー!
可愛い!
ね、唯和!」





唯和「あ、うん」





天才呼ばわりは
やめてくれたはいいけど・・・





何だこれ?
これがデート?





しかも、
何だよこれ。





いかにも甘そうな・・・







明日香「唯和は、
パンケーキ
食べたことないの?」





唯和「えっ、これが
パンケーキ~?」





明日香「そうだよ!
今、女子中・高校生に
流行ってるんだ!」





唯和「へー」





こいつといるといつも、
新しいものに出会う。
一緒にいて、楽しい。





あれ?
何だこの気持ち・・・





明日香「ねぇー」





唯和「ん?」





明日香「ピアノ弾いて!」





そう言われた途端、
僕は紅茶を吹きそうに
なってしまった。





唯和「は?
バカじゃないの?」





明日香「えー?
1回だけ」





唯和「断る。
お前が弾け」





明日香「えー。
もう仕方がないな~」





こいつは駄々っ子か。





彼女はピアノの方に向かうと、
きらきら星を弾きはじめた。





まただ。
音楽に色が見える。





明日香は・・・
一体何者なんだ。





ピアノの方に
僕も向かった。





楽しそうに弾いてるな。





こんな表情、
僕もしてたのかな?







明日香「わっ、唯和!
どう、ピアノを
弾く気になったの?」





確かにちょっとは
弾く気になった。





だから、僕は
鍵盤に触った。





久しぶりだな。





僕は、明日香が
譲ってくれた椅子に
座ると・・・





音楽を奏ではじめた。







すると彼女は席に戻り
バイオリンを持ってきた。





そして、弾きはじめた。







あんなに
白黒だったのに・・・





今はカラフルに見える。







演奏を終えると、
盛大な拍手が聞こえた。
嬉しかった。





色が・・・
僕の演奏にも
見えたのだ。







と、幸せな時間も
つかの間。





バタン。
誰かが倒れる音が
聞こえた。





僕は、急いで
救急車を呼んだ。













・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





「明日香・・・」





「明日香、
行かないでよ!」





倒れたのは、
明日香だった。





今、ベッドで
横になっている。





僕は涙を堪えながら、
ただ待っていた。





明日香が・・・
心臓の病気をもっているのを
僕は知らなかった。





医者にも余命半年と
言われていたらしい。







唯和「明日香・・・」





必死に堪えた涙も
ついに流れてしまった。





君と過ごした日々は、
僕にとって
新しいことばかりだった。





君のおかげで
僕はピアノを
また弾くようになった。





幸せだった。





楽しかった。







君が・・・
好きだった。







もう誰も
失いたくなかった。









「明日香~!」





明日香の両親の
泣きじゃくってる声が
聞こえた。









明日香は
中学3年生という
若さで亡くなった。





後日、明日香の両親から
1枚の手紙が渡された。









・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・

唯和へ
病気のこと黙っててごめんね。
言ったら気まずくなるかなって思って
言わなかったんだ。

唯和といて、楽しかったよ!
私は小さい頃から病弱で、
あまり学校にも行けてなかったから
友達も少なかったんだ。
だから、君と友達になれて嬉しかった!

もちろん、美愛ちゃんと夕葵くんと
お友達になれて嬉しかったよ。

でも、君と1番なれて嬉しかったな。
だって、君は私の憧れだもん。
私は君に憧れて音楽の世界に入ったんだよ。
いつか出会うために。

君は私の憧れの人であり・・・
初恋の人だったから。
夕葵くんには、騙してごめんねって
言っといてくれる?

全ては君に会うために計画したものだったんだ。
だから、君と会えて嬉しかった。
友達になれて嬉しかった。
一緒に演奏できて嬉しかった。
君を好きになって良かった。
君と奏でたカラフルな世界は私の一生の思い出だよ。
ありがとう。
                  明日香より
・・・。・・・・・・。・・・・・・。・・・





この手紙は
今でも僕のお守りだ。





こちらこそ、ありがとう。





僕も君と奏でた
カラフルな世界は
一生の思い出だよ。





白黒だった僕の世界。





君のおかげで
カラフルな世界になったよ。













*END*

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