幼馴染と漫画の恋
作者:フランクフルトのケチャップ
こんにちはー!
私の名前は、加藤咲希!
中3で、みんなから
「かとぅ」って
呼ばれてます!
もうすぐ体育祭!
私が1番好きな行事です!
理由は、私の親が
モデルと俳優で、
両親とも、芸能人なのに、
私、特別可愛くないし、
演技やポージングなんて、
私に出来るはずがない。
その上、クラスメイトにも
言われたことがある。
「こいつの両親、
芸能人なのに、
そこまで
可愛くねーじゃん!」
それ以来、プレッシャーを
感じてしまって、
それまで好きだった
モデルごっことか、メイクも、
一切しなくなった。
心に穴が空いたみたいに、
スースーする。
そんな私の心を
埋めてくれたのが、
スポーツだった。
水泳、サッカー、
バスケにバレー、
野球にテニス。
あらゆるスポーツを
やり尽くした。
初めは遊びだったのが、
ハマっていって、
得意にまで上り詰めた。
それで、今は
体育祭が楽しみってわけ。
だからといって、
私に同情は要らない。
裏で嘲笑っているのが
嫌でも分かる。
暗い話に
なっちゃったね。
私には、今言った通り、
恋とか、オシャレをする
暇なんてなかった。
勿論、一目惚れみたいな
漫画チックな展開は、
起こるはずもなくて。
*―――*―――*
体育祭当日。
(よーし、
優勝狙うぞーっ!!)
レン「なーに
ニヤニヤしてんの、
勝つ自信あるんだー?」
サキ「なっ!」
この憎たらしいのは、
幼馴染の佐藤蓮。
悔しいけど、モテる。
幼馴染なんて
いるんだーって
思ったでしょ!
親が芸能人だと言ったって、
別に嫌われてるわけじゃない、
、、、多分。
レン「いつの間にか
スポーツ出来るように
なったよな。
俺には負けるけど」
サキ「うん。昔から、
全部レンの方が
上だったよね」
少し微笑むと、
レンは何故か少し
赤くなった。
サキ「顔、赤いよ?
熱? 大丈夫?」
声をかけると、
レンはハッと
気がついたみたいで、
大丈夫、と言って
私にスポドリをくれた。
サキ「ありがと。
暑いもんね。
熱中症、
気をつけないと、ね」
私の出番は、女子の部の
バスケとリレー。
どちらも最後の方だから、
少しゆっくりしてる。
でも、なんか、、、変。
自分が歩いてるのに、
歩いていないみたいだ。
自覚した途端に、
吐き気と頭痛がした。
(やばい! 倒れる!)
私の意識は
そこで途切れた。
*・*・・・*・・・*・*
《ハッーーハッーハッ》
誰かの息の
切れている音がする。
不規則だから、
物の音じゃないと
わかった。
あれ、、、?
今日って、、、
サキ「体育祭!」
あーあ、
やっちゃった。
ここは、、、?
?「保健室だよー」
サキ「誰、、、?」
?「俺ー? 俺はねー、、、
カケル。
俺も、3年だよ。
君には、俺が必要かなーって」
サキ「どうゆうことですか、、、?」
カケル「タメでいいよ。
俺が一応、ここまで
運んできたんだけど、
君ときたら、
俺が助けたってのに、
『レン、、、レン、、、』
ってばーっかりでさぁ」
え!?
カケル「、、、にしても、
両親が芸能人だけあって、
可愛いし、細いねー。
、、、ほーんと、
なんでモテないんだろうねー。
やっぱ、ケアしてないからかなー」
などと1人で喋っている。
サキ「助けてくれて、
ありがとう。
でも、口出しするのは
やめてほしいです。
恋とか、オシャレとか、
興味ないし、するお金も暇も、
私にはないんだよ、、、?」
最後まで言えないまま、
私は泣いてしまった。
レン「おーい。
幼馴染を泣かせないで
もらえる?」
優しい言葉とは裏腹に、
保健室に入ってきたレンが、
カケル君を睨んでいた。
カケル「、、、レンの彼女?
それより、このコ、
結構、疲れてる。
早退した方がいい。
あと、少しストレスが
たまっているっぽいね」
なんで、少し話しただけで、
そんなことがわかるの?
レン「こいつの両親、
医者なんだ。
医療関係については、
詳しい。
ほら、なんとか
カウンセラーってやつ?
カケルはそれが得意なんだ」
(話すだけで病状が
なんとなく分かるやつ)、
小声でレンが付け足す。
サキ「あの、、、!
体育祭って、、、?」
レンが少し
哀しそうに言った。
レン「、、、終わったよ」
嘘、、、
最悪、、、!
カケル「レンの知り合い?
タカトってやつに
『レンが心配するから、
見に行って、
状態を確認してきて欲しい』
そう頼まれたんだ。
じゃあ、俺はこれで。
お大事にね。美少女ちゃん」
カケルくんが
出て行ってから、
レンが心配そうに
覗き込んだ。
レン「大丈夫、、、そうだな 笑」
サキ「笑 うん」
それから、1分くらい
沈黙があって、
レンが決意したように
私を見つめた。
レン「カケルも
言ったように、さ。
磨けば完璧の
ダイヤモンドなんだけどな、、、
サキの友達にさ、
町田エリナっているじゃん。
可愛い子。
その子に服とか、
選んで貰えば?」
その時、昔言われた
トラウマが蘇った。
比べられて、けなされて、
両親のことを
嫌いになった理由が。
私の中で何かが切れた。
サキ「さっきから、何!?
私のことをけなしてさ!
辞めてよ!
もう、比べられるのは
嫌なんだよ、、、」
瞬間、レンに
抱きしめられた。
サキ「え、、、?」
レン「知ってるよ」
サキ「知ってるなら!」
レン「自分に自信を持って
欲しいんだよ」
そう言って、
身を起こす。
レン「お前は、顔は
母さんのリナさん似。
悩みっぽい性格も、
父さんのユイトさんに似てる。
結局、お前は、
リナさんとユイトさんの
子供なんだよ。
その事実は変わらない。
リナさん、綺麗だろ?
それは、努力したはずだ。
少なからず、ね。
自分に似合う服や
自分らしいアクセサリー。
お前が、サキが
何も努力していないとは、
俺は思ってない。
だけど、その努力を、
リナさんみたいに、
オシャレに向けてみれば?
少しは、必ず変わるからさ。
なんで俺がここまで
言ってやってるか、分かる?
俺は、サキが好きだから。
頑張ってるところも、
悩んで悩んで悩んだ結果、
実行しようとしているところとか。
俺は見てるつもりだ。
サキが心配なんだ。
過保護かもしんねえ。
だったとしても、
サキを好きなことに
変わりはないから」
レンがわたしのこと、
好き!?
言われてみれば、レンは
いつもそばにいて、
守ってくれてた、、、
サキ「ありがとう、レン。
私も、君のことが
好きだったんだね」
体育祭はできなくて、
最悪で、落ち込んだけど、
倒れたおかげで
レンと私は
付き合うことになりました!
happy endで
おしまい、おしまい。
また会えたら、
レンと私のこと、
話してあげるね!
*end*
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