君との秋の音

CAST池 未来実池 未来実

作者:どい

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2018.08.02

楽器を構えて
息を吸う。





生ぬるい風が
すーっと抜けている。





息を楽器に入れて
初めて音が出る。







* ――― * ――― *





私は、中学3年の
池くるみ。
吹奏楽部でフルートを
吹いている。





なかなかうまくならないし、
人と話すのが苦手で、
親友のコハル以外とは、
話せない。





だから周りからは、
つまらないとか、
あいつが吹部とか終わってるとか
色々言われて来た。





その上、人と話せないから
フルートだって
教えてもらえなくて
今でも吹けない。





でも、中学生最後の1年だし、
今年こそはコンクールに出て、
ソロパートを吹きたい。





そんな叶うわけのない夢をもって
1人で毎日公園で
練習をしていた。





だって部活では、下手すぎて
吹くだけで笑われるし。





まあ、練習はするけど、
思いっ切り吹くことなんて
できないし。





だから公園での練習は
欠かせない。







?「くるみか?」





え?! だれ?
なんで私の名前知ってるの?





くるみ「は、はい」





顔なんて見れないよ。
怖すぎて。





?「俺だよ。
ほら。わたじゅん、
わたえじゅんや!」





え?! あ、あの
イケメン男子?





彼は、わたえじゅんや。
同い年で、
めっちゃかっこいい。





モテモテで、
こはるによると、
去年だけで20人に
告白されたとか。





くるみ「あ、あ、あ、あの」





やっぱ駄目だ。
言葉に詰まる。





わたじゅん「いいよ、無理しなくて。
ってかこんな公園で
何してんの?」





くるみ「え、・・・っと・・・
ふ、ルー、との
れん、しゅうを・・・」





わたじゅん「へえー。
ちょっと吹いてみてよ」





彼は、笑いながら言った。
こ、こいつ私を
馬鹿にしてるなー。





くるみ「え・・・
でも・・・
下手だよ・・・」





わたじゅん「いいからいいから!
俺聞いてみたい!」





くるみ「な、なら・・・
いいよ」





いつもみたいに
楽器を構えた。





息を吸って
楽器に息を入れる。





頑張って練習した
コンクールの曲を
吹き終わると、
わたじゅんは拍手をして、
笑った。





わたじゅん「はははっ
まだまだだねー。
いつもここで
練習してるの?」





くるみ「う、うん」





わたじゅん「ふーん。
まあ、頑張れよ」





キュン。
なんだろう
この気持ち・・・













*。・ 次の日 ・。*





コハル「それって
恋っていうんだよ!
くるみ!
おめでとう!!!!!
頑張ってねー!!!!
応援してるから!」





くるみ「え、え!?
ホントに私恋したの?!」





コハル「そーだよ。
あんた、
頑張りなさいよ」





くるみ「うん。
ありがとー
コハルーーー!!!!!!!!!」





私は、もっともっと
上手くなって
わたじゅんに
褒めてもらうために
公園で練習をした。





わたじゅん「お疲れ様!
頑張ってんじゃん」





くるみ「あ、
う、うん」





わたじゅん「はい!
これ差し入れ!」





なんと私の好きな
カルピスだった。





くるみ「あ、ありがとう」





わたじゅん「どう?
おいし?」





くるみ「う、うん」





わたじゅん「そーいえば!」





そう言って彼は、
何かを大きいリュックから
取り出した。





くるみ「フルートケース?」





わたじゅん「そうそう。
俺、小学生の時から
習ってたからさ。
一緒に吹こうと思って」





そういうとわたじゅんは、
フルートを組み立て出した。





くるみ「な、なんで・・・」





わたじゅん「そんなの
一緒に吹きたいからに
決まってんじゃん」





くるみ「え・・・」





わたじゅん「ほら、早く吹くぞ」





私たちは、日が沈むまで
毎日毎日一緒に練習した。





いつの間にか
コンクールメンバー発表の日に
なっていた。





先生「フルートパート。
ただなるみ、
白井杏奈、高田凛。
ソロパートは、高田凛。
以上!
次、クラリネット・・・」





え? なんで?
あんなに練習したのに。





なんで? なんで?
なんで?





泣きたいけど
泣けない。
みんないるから。













.*





気づいたら私は、
いつもの公園にいた。





人目も気にせず
泣きまくった。





?「おい・・・
ここで泣くなよ」





くるみ「わ、わたじゅん?」





来てくれたんだ。





わたじゅん「そーだよ。
どーした。
こんなところで泣いて」





くるみ「コン、・・・クール
出れなかった・・・」





わたじゅん「・・・」





くるみ「なんでかな?
あんなに練習したのに。
なんで?
しかも、ソロパート、
私の1個下の2年生の
高田凛ちゃんがやるんだって」





わたじゅん「・・・」





くるみ「なんでだろう。
あんなに練習頑張ったのに。
なんでなの?
なんでよぉおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおお」





私は、わたじゅんに抱きつき
泣いて泣いて
泣きまくった。





わたじゅんはその間、
私をそっと抱いて
ただじっとしているだけだった。





私は、数分すると
泣きやんだ。





わたじゅん「もう泣かなくていいの?」





くるみ「うん」





わたじゅん「コンクールは、
残念だったね。
でも、頑張ったじゃん。
俺は、あんなに頑張ってた
クルミを尊敬するよ。
お疲れ様」





もう、自分に
嘘つくのはやめよう。





くるみ「わたじゅんありがとう。
私、ワタじゅんのおかげで
前よりもっともっと
成長できた気がする。
私、私、わたじゅんのことすきです。
また、今度練習
付き合ってくれませんか?」





わたじゅん「知ってるし。
そんなの。
うん。また、気が向いたら
練習付きやってやるよ」





私たちの流した涙は、
夕暮れの真っ赤な色と、
紅葉した真っ赤な紅葉に照らされ
真っ赤になって落ちて行った。





そして、私たちの顔は、
紅葉に負けないくらい
楽しそうで真っ赤だった。







*end*

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