私にだけ見せて

CAST平澤遙

作者：まる

2018.09.19

私のクラスには
学年１と言って良いほどの
イケメンがいます。

でも、その人は
全くもてないのです。

なぜなら、毒舌だから。

思ったことを
包み隠さず言ってしまい
たくさんの人を
傷つけていることを知った私は、
彼と距離を置いていました。

ある日、体育祭実行員を
決める話し合いが
クラスでありました。

私はもともと
体を動かすことが
好きなので
是非ともなりたいと
思っていました。

しかし、その男子が
体育祭実行委員に
立候補したのです。

私は正直もうやめよう・・・
と考えました。

しかし、女子の立候補者が
なかなか出ず、私は決心し、
毒舌男子と頑張ることを
決めました。

．．．．．．．．*

体育祭実行委員の前日、
準備をしていると
私より先に来ている人がいました。

その人があの
毒舌男子だったのです。

私は噂だけで
人を判断していたことに
後悔しました。

１人真面目に
準備している姿を見て
私は正直好きになって
しまいそうでした。

*．．．．．．．．

体育祭当日、
私は大忙しでした。

そして、
クラス対抗リレーの時
私は疲れがたまっていたのか
倒れてしまいました。

私は悔しくて
たまりませんでした。

そんな時、毒舌男子が
ダサい、と
私に言ったのです。

昨日心が揺れていた自分が
バカだと思いました。

しかし、彼は無言で
手を差し伸べてくれました。

「なに？　今日優しいね笑」
と私がいうと、

彼は、「好きだから」と言い、
私を保健室まで
運んでくれました。

毒舌男子だと思っていた
彼ですが、
私にだけ見せてくれる
優しさがありました。

＊ｅｎｄ＊