七夕のキセキ

CAST広瀬 まのか広瀬 まのか

作者:ふうたん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.06.05

まのか(悠君、元気にしてるかな?)





あの日からもうすぐ、
4年が経とうとしている。





桂山悠我。





私には、大好きな
幼馴染みの彼がいた。





でも悠君は、小4の夏休み前に
引っ越して行った。





忘れることのないあの日。





七月七日。





それは、七夕の日だった。





*...・・・*...・・・*





星奈「まーのーかー。
また、悠我のこと
考えてるの?」





まのか「えっ!? あっ、」





学校からの帰り道、
悠君のことを考えて
ボーっとしてたら、
隣を歩いていた星奈に
聞かれた。





星奈は、私と同じ
中学2年生。





同い年とは思えないほど
背が高くて、
しっかりしている。





そして星奈も、
私の幼馴染みだ。





小学生の頃はよく、
私と星奈と
悠君と怜音の4人で
遊んだな。





ちなみに、星奈と怜音は
付き合っている。





小4の頃からずっと
続いてるんだ。





星奈「まのか、
もうすぐ七夕だね」





まのか「うん」





その何気ない言葉が、
私を期待と不安で
いっぱいにさせる。





星奈「行くんだよね?
つつじ山祭りに」





まのか「もちろん!」





私は、力強く返事する。





私はこの4年間、
ずっとその日を
心待ちにしていた。





それは4年前の七夕の日、
悠君がしてくれた約束だった。





まのか「悠君、短冊に
なんて書いたの?」





私は、悠君と星奈と怜音と
つつじ山祭りに来ていた。





今は、短冊に
願い事を書いている。





悠我「んー、内緒」





そう言って、
笹にせっせと
短冊をつけ始める。





まのか「えー、なんで。
教えてよ」





悠君と、そう
話している時だった。





ビュウー





大きな風が、
通りすぎて行った。





まのか「わぁ」





丁度、悠君の短冊が
私の方に傾いて、
私はその字を読むことができた。





“4年後のつつじ山祭り、
まのかと一緒にこられますように”





え・・・!?





悠我「まっ、まのか! 見たな!?」





隣で悠君が、赤面してた。





悠我「こ、これはさ・・・」





悠君が何か言ってるようだけど、
全然耳に入ってこない。





悠君―――・・・





悠我「はぁ」





悠君は、何か意を決した顔で
私に向かって言った。





悠我「絶対に戻ってくるから。
4年後のつつじ山祭り、
また一緒にこよう」





まのか「うん!」





私は、こくりと頷いた。













*...・・・*...・・・*





七月七日。





とうとうこの日が
やってきた。





怜音「で? どこで
待ち合わせしてるの?」





星奈と怜音と放課後、
教室で話をしていた。





怜音が言ったその言葉に、
私はギクリとする。





実は、それが分からないのだ。





あの日、待ち合わせ場所を
決めていなかったから。





星奈「まさか、決めてないとか
言わないよね?」





星奈が鋭く聞いてくる。





まのか「その、
まさかなんだよね~」





私はヘラっと笑って言う。





星奈・怜音「はぁ~!?」





直後、2人が大声を出した。





星奈「それじゃ、
会えないかもじゃん。
どうするの?」





まのか「う、う~ん」





私は答えに困った。





すると意外にも、
怜音が言った。





怜音「大丈夫っしょ。
お前らのことなんだから、
会えるだろ」





まのか「怜音・・・」





何の根拠もないけれど、
その言葉に勇気をもらえた。





まのか「うん!
じゃあ、行ってくる。
2人もお祭り楽しんでね」





星奈「うん。
報告よろしく~」





怜音「おう。
頑張れよ」





私は2人に別れを告げ、
急いで家に帰り、
浴衣に着替えて
つつじ山神社に向かった。













*...・・・*...・・・*





まのか「ハァハァ」





私の足は、迷うことなく
短冊が飾られてる方へと向かう。





きっと、ここにあるはず。
悠君からのメッセージが。





私は何故かそう感じた。





う~んと、どれだろう。





数多くあるその中から、
たった1枚の短冊を見つけるのは
とても難しかった。





と、その時、
あの時と同じように
大きな風が吹いた。





そして・・・見つけた!
悠君の短冊を。





そこには、





“まのかが橋のとこに
 来てくれますように”





と書いてあった。





この近くにある橋といえば、
つつじ山神社を出た
すぐのとこだ。





そこに、悠君がいる・・・!





私は、一刻も早くと
悠君の待つ橋へと向かって
駆け出した。





橋につくと、
男の子が1人いた。





後ろ姿しか見えないけど、
私にはそれが悠君だと
すぐに分かった。





まのか「悠君!」





私は、その男の子の
背中に向かって
大声で叫んだ。





その男の子は、
ゆっくりと振り返った。





そして、満面の笑みを
浮かべて言った。





悠我「まのか! ただいま」





やっぱり、その男の子は
悠君だった。





まのか「悠君~!」





私は、勢いよく
悠君に抱き付いた。





悠我「わっ、ちょっと、まのか」





悠君は、慌てた様子だった。





まのか「あのね、悠君・・・!」





私は、その勢いのまま、
悠君に自分の想いを
伝えようとした。





悠我「まのか。
伝えないと
いけないことがある」





と、悠君が私の言葉を
さえぎった。





まのか「伝えたいこと・・・?」





何だろうと
ドキドキする。





悠我「俺、ずっと
まのかのことが好きだった。
この4年間、ずっとこの日を
楽しみにしてた」





嘘・・・
悠君・・・





悠我「俺と付き合って下さい」





まのか「は、はい」





悠我「えっ? 本当に!?」





まのか「うん、本当だよ?
フフッ」





悠君は驚いた様子を見せ、
ガッツポーズをして喜んだ。





悠我「ヨッシャー!」





4年間の年を経て、
今、私達の想いは通じた。





そして、2人で短冊を書いた。





「2枚も書いていいのかな?」





って、悠君が言ってたっけ。





“これからもずっと、
 悠君と一緒にいられますように”





“これからもずっと、
 まのかと一緒にいられますように”





隣に並んだ短冊が、
優しく風に揺られていた。







*end*

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