さよなら失恋。おいでよ、新しい恋

CAST湊 胡遥湊 胡遥

作者:リヴ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.03.22

コハル「あたし、
大倉くんに告白する!」





よし、決めた!
有言実行だあ!





マノカ「えっ。ええっ!
ど、どしたの、急だね?」





コハル「今がチャンスだと思うの。
最近、よく話すようになったし、
今日の運勢もばっちりだったし!」





マノカ「コハルが決めたなら
それでいいと思うよ。
頑張って!」





コハル「うん!
行ってくるねー」





校門の前で
大倉くんを待つ。





あっ、大倉くん
はっけええん!





コハル「あのっ、大倉くん!
ちょっといい、ですか?」





タカト「あ、ああ。うん」





コハル「好きです!
付き合ってください!」





あっ、あせり
すぎちゃったかな?





みんな見てるよー。





ドキドキ。





さあ、大倉くん、
あたしの王子様!
返事を聞かせて!





タカト「え、あの、ごめん。
俺・・・
好きな人がいるんだ」





な、なんですと!





ガッビーン。
し、失恋やあ・・・





タカト「俺、マノカちゃんが
好きなんだ」





はにかみながら
そう言った大倉くんの顔は、
まさに恋する男の子の顔で・・・





あたしにまったく
勝ち目がないことを
物語っていた。





コハル「あ、そ、そか。
なんかごめん。
応援してるねっ」





あたしは走って
その場から逃げた。





ウソウソ!





よりによって、
なんでマノカ?





そりゃ、マノカは
可愛いよ?





おめめぱっちりで、
小柄で、明るくて、
優しくて、女子力高いしさ。





け、けど、つらいよー。





大倉くんが
マノカを好きになる理由が
わかりすぎて、
つらいんだよー。





空はあたしと同じ、
曇り空だった。





あたしは夜、
マノカに電話した。





コハル「フラれちゃった」





マノカ「えっ。そっか・・・
大丈夫! コハルって
すっごく優しいもん。
コハルのこと好きな男子は
絶対いるから」





コハル「ええー。
そういうマノカが
優しいんだって」





マノカ「いやあ、
照れちゃいますなー。
まっ、新しい恋を探そっ」





コハル「そうだよね。
ありがと。元気出た」





元気出たっていうのは
ウソだけど。





マノカを
心配させたくないんだ。





マノカのこと、
大好きだから。





コハル「今日はもう寝るねー。
お肌が荒れちゃうわー」





マノカ「そうだね。
わたしも早めに寝よー」





コハル「じゃね、おやすみー」





マノカ「おやすみー」





はあ。





ため息がでちゃった。





もうなんだか、
疲れた。





フラれたら、
泣くだろうって思ってた。





けど、
心がついていけないから、
ちっとも泣けない。





わんわん泣いたほうが、
きっと楽なんだろうな。





あーあ、新しい恋、
探したほうがいいのかなあ?











*・*・・・*・・・*・*




次の日、
学校に行くと・・・





えっ。





マノカと大倉くんが
話してる。





2人とも
すごく楽しそう・・・





大倉くん、
あんな顔するんだ・・・





ちゃんとマノカのこと、
好きなんだな。





なんで
気づけなかったんだろ・・・





あたしはまたつらくなって、
教室を飛び出した。





ドシンッ。





あっ、誰かに
ぶつかっちゃった。





コハル「わっ、ごめんなさい」





レン「あれ、コハル?
何してるの?」





コハル「れ、レン!」





あーと、こいつは
幼なじみのレン。





クラスが違うから、
最近あんまり話してないけど、
親同士がすっごく仲良くて。





前、レンのお母さんに、





「レンが大人になった時に
1人ぼっちだったら、
コハルちゃんが
もらってやってね」





なーんて言われた。





レン「なんかあった?」





こいつ、チビの頃から
あたしの気持ちに
気づくのだけは早くて。





超能力者かって
本気で疑ってた。





コハル「なんもないよっ」





レン「コハルのなんもないは、
なんかあるってことだろ。
幼なじみなめてんじゃねーぞ」





コハル「聞いてほしくないのっ」





レン「じゃ、聞かない。
けど、側にいるからな」





ああ、もう
話しちゃったほうが楽だ。





ちょっとだけ、
甘えさせてね。





コハル「・・・フラれたの」





レン「らしいね」





コハル「え、知ってんの?」





レン「噂になってるからな。
みんなの前で
告ったらしいじゃん」





あたしはがっくり
うなだれた。





ああ、なんであんなこと
しちゃったのかなー。





ほんとバカだなー、
あたしって。





コハル「告白した相手は、
マノカのことを
想ってたってだけ」





レン「マノカって、
ああ、いつも一緒にいる」





コハル「1番つらいのが、
マノカが好きって言われたとき、
納得しちゃったってこと。
心のどこかでわかってたんだよ。
けど、認めたくなくて、
あせって無理やり告白して、
傷ついて。
バカみたいよねー、あたし」





レン「コハルが
バカなのは知ってる。
けど、いい奴ってことも
知ってるから」





コハル「・・・なんで
優しいこと言うの?
いつもみたいに、
辛口でなんか言ってよッ」





レン「思ったこと
言ってるだけだし」





コハル「もうっ」





こらえていたものが、
全部あふれだした。





あたしは
やっと泣けた。





涙がとまらない。





レンはあたしの頭を
優しくなでてくれた。













*・*・・・*・・・*・*





あの日から
1週間が過ぎた。





マノカと大倉くんは
付き合うことになった。





もちろん、
応援している。





マノカもあたしを
応援してくれたんだもん。
全力で応援してやる!





それより、今は・・・





やっと、気づいたんだ。
この気持ち。











*・。+ *・。+ *・。+





帰り道、あいつの
後ろ姿を発見!





思い切り、
叫んでやる。





コハル「レーンッ!」





レン「コハル!?」





みんながあたしと
レンに注目してる。





そんなもの
気にしてちゃダメ!





コハル「あたし、レンが好き!
ずっと、好きだったみたい!」





レン「みたいってなんだよ」





あ、レンが笑ったよ。





えへへ。
あたしが笑顔にしたんだ。





レン「俺も好きだよ」





コハル「えっ、ホント!?」





レン「付き合ってください」





コハル「もちろん!」





さよなら失恋。





おいでよ、新しい恋。







*END*

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