台風のち恋

CAST湊胡遥

作者：黒猫

2019.10.14

こはる「こんにちはー！
湊こはるでーす！
みんなよろしくっ！」

ただいま私、湊こはるは
このニコラ学園に転入しました！

青井先生「こはるさん、
ありがとうございます。
あなたの席は佳山君の隣です。
座ってください」

女子の歓声が聞こえる。
多分、モテているんだろう。

確かに顔はいいけど
私のタイプじゃない。

私の好きな人は、
引っ越す前にいた
ニコラン学園の雨宮翔だ。

告白したけど
答えは帰ってきてない。

こはる「ヤッホー！
佳山君？
ゆうがって呼んでもいい？」

ゆうが「いいよ！
でもごめんね。
先に言っとくけど、
俺誰かと付き合う気ないんだ」

こはる「は？　ごめんけど
私あなたに興味ない。
他に好きな人がいるの」

ゆうが「俺に興味ないって
言った女初めて」

何こいつ。
めっちゃ自意識過剰じゃん。

まぁ、ここに翔がいなくて
良かった。

絶対モテるもん。

こいつと
喧嘩になりそう。

・・・・・・　次の日　・・・・・・

多田アナウンサー「えー。
天気予報士深尾さんによると、
明日から大きな台風が
北九州に近づいています。
北九州のみなさんは、
警報に注意してください。
次は・・・」

こはる母「あらまぁ。
大丈夫かしら。
心配ねぇ」

そう。
私は福岡に引っ越したの。

“大きな”台風って。
お母さん、
あらまぁじゃないよ！
大丈夫かな？

青井先生「明日は学校休みです」

休みかぁ。
それだけ先生たちも
心配してるってことかなぁ？

ゆうが「ねぇ。こはる？
俺さ。
お前のこと好きかも」

こはる「は//？
“かも”なら言わないでよ！
あと、昨日言ったけど、
あんたに興味ない」

ゆうが「いいよ。
俺が惚れさせるから」

何なのこいつもうヤダ！
私って運ないなぁ。

・・・・・・　台風　・・・・・・

天気予報士深尾さん「台風の影響で
福岡では
高潮が来るでしょう」

こはる母「こはる逃げるわよ！」

こはる父「急げ！」

こはる「うん！」

でも運が悪く途中で
高潮が来てしまった・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・

？「大丈夫？　大丈夫？
こはる？　こはる?!」

こはる「ん、んんー！
あっ！
お母さんとお父さんは？」

？「２人なら大丈夫。
今は寝てるけどね」

こはる「良かったー！
待って？
あなた誰・・・
ってえ?!　翔?!」

翔「そう」

こはる「あれ？
幻覚？
翔がいるなんて。
う・・・うぇーん！」

翔「大丈夫？
俺は本物だよ。
こっちに引っ越してきたんだよ。
ちょうど昨日に。
まさか、こんなことになるなんてな。
俺んちマンションの５階なんだよ。
お前がマンションの前で
倒れてたから
助けて良かった・・・
あのさ。
あのときの返事なんだけど、
俺、お前のこと好きだよ。
お前は？」

こはる「もちろん！
大好き！」

・・・・・・・・・ｅｎｄ・・・・・・・・・