午前0時、王子様と君

CAST林 芽亜里林 芽亜里

作者:ペンギン

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.12.25

「はぁ・・・」





私、メアリは、
教室の脇で
ため息をついた。





「いつになったら、
好きな人が
できるんだろう・・・」





親友のココハが
呆れて笑う。





「メアリは理想が
高すぎるんだよー!」





ムッとして言い返す。





「えぇー!?
別に普通でしょ?
背が高くて、優しくて、
一途で、頭が良くて、
スポーツ万能で、
あ、あと面白さも大事・・・」





「ほら! まぁ、
メアリのお眼鏡に適うのは、
アイツ・・・あ、いや、
午前0時に乙女を迎えに来るっていう、
王子様しかいないかもねぇ・・・」





メアリは食い気味に
「え? 何それ!?」
と聞く。





ココハもココハで
乗り気で、





「クリスマスの夜、
午前0時に、
この学校の屋上に
現れるらしいよ?」





と面白がる。





やけに具体的だなと思いつつ、
絶対行くしかない!
と決意を固めたメアリだった――――。











~o。+・・・:~o。+・・・:~o。+・・・:~o。+・・・:





その日の帰り道。





偶然幼なじみのナオヤと
一緒になった。





「あ、メアリ。
今帰り?」





「うん、って、え!?
雨降ってきたーー!
傘持ってないよォ涙」





「・・・俺の傘、入る?」





「ありがとう!
入る入る!」





「・・・!」





「そういえば、
クリスマスの夜の伝説、
聞いたか?」





「聞いた聞いた!
もう行くしかないよねーー!」





するとナオヤは何故か
ほっとした表情を見せた。





メアリは不思議に思いつつ、
ナオヤの肩が
濡れていることに気づく。





「ナオヤ、もしかして
私の方に傘をかたむけて
くれてたの?」





「うん・・・まぁ」





するとメアリは
ぱぁっと
花のように笑った。





「大丈夫?
でもありがとう!
優しいじゃん、
ナオヤ」





「・・・!」





「じっ、じゃあね!
風邪気をつけてー!」





なんだか顔が熱い。





自分が風邪をひいてしまっては
いけないと、早足で
去っていくメアリ。





メアリが去ったのを
確認すると、





ナオヤは





「あの笑顔は反則だろ・・・」





と顔を真っ赤にしながら
つぶやいた・・・













~o。+・・・:~o。+・・・:~o。+・・・:~o。+・・・:





時は過ぎ去り、
クリスマスの夜。





メアリは
「友達とお泊まり会」と称し、
学校の屋上へ向かう。





ふと空を見上げると、
一面に星が瞬いていた。





「わぁ・・・キレイ」





ふと、





「王子様、
誰なんだろう・・・」





と考える。





あってほしい答えは、
もう既にある気がした。





「ナオヤ・・・」





無意識に
名前を呼ぶ。





すると――――。





「呼んだか?
俺のお姫様」





ハッとして前を向くと、
そこには、照れくさそうに笑う
ナオヤがいた。





「驚いただろ?
ずっと、前から
好きだったよ」





「ずっと告(い)おうと
思ってたんだ。
でも怖かった。
幼なじみの関係崩すのが
怖くて・・・」





自分も思い当たるところが
あることに驚く。





「だから、
メアリがくると思って・・・
ココハに頼んだ」





「やっと告う気になった訳?
遅いわ!」





とつっこむココハの姿が
目に浮かび、クスッと笑う。





「まんまと来ちゃったよ!
王子様」





「!」





「私も、大好きです!」





それからのメアリの理想は、
「ナオヤ」
になったのでした―――――。













*。・ その頃のココハ ・。*





「全く、世話のやける
2人なんだからぁー!」





ニヤニヤする
ココハの目線の先は、
LINEで送られてきた
ナオヤとメアリの
ツーショット写真。





クリスマスの夜、
恋のキューピッドとなった
ココハだった―――。







*END*

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