ずっと、変わらない

CAST田中 南田中 南

作者:ひよこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.10.24






私は田中南。
同期の佳山悠我くんは
私の彼氏。





職場恋愛なんだ!





南「悠くん!
おはよ!」





悠我「あぁ、はよ」





悠くんは
最近こんな感じ。





そっけなくて、
ちょっぴり寂しい。





蓮「南先輩、
おはようございます!」





南「蓮くんおはよ~!」





蓮くんは、
私の後輩なんだけど、
とても元気で優しい。





・・・悠くんと違って。





なんて、だめだめ!
悠くんと比べちゃ。





悠くんは
悠くんだもんね。





悠くんはイケメンだし、
会社の女性人気も高い。





仕事も出来るし、
そんなハイスペックな
彼氏を持って、
私は幸せ者なんだから!





蓮「南先輩、
昨日のドラマ
見ました?」





南「見た見た!
面白かったよね~」





蓮「俳優陣も豪華で、
見飽きないですよね!」





南「そうそう、
次回が楽しみで
しょうがなくてさー!」





蓮「ですよねー!」





やっぱり蓮くんとは
趣味が合う。





蓮くんと話していると、





悠我「内田、この書類の
チェックよろしく」





蓮「はい」





悠くんだ。





悠くんは、ちらっと
私に冷たい目線を送った。





仕事やれってことだよね。
ごめんなさい!!













*・*・・・*・・・*・*





――― 昼休憩前





課長「田中、
ちょっといいか?」





南「は、はいっ」





課長「田中を、新しい企画の
メンバーに入れようと思ってる」





南「私ですか!?」





課長「あぁ。佳山を筆頭に、
若手を中心のメンバーに
するつもりだ。
・・・やるよな?」





南「はい!」





課長「早速、
企画書を渡すから
書いてきてくれ」





新しい企画かぁー。
思い付かない。





だいたい、
仕事が出来る方じゃない私を
新しい企画の担当にするなんて・・・













*・*・・・*・・・*・*





――― 仕事終わり





蓮「南先輩、
お疲れ様です」





南「あ、お疲れ!」





蓮「電車ですか?」





南「うん。
今日は雨降るかと
思ったからさー!」





蓮「じゃあ、一緒に
帰ってもいいですか?」





南「うん、いいよー!」













*・*・・・*・・・*・*





――― 電車





蓮「あの、南先輩って
佳山先輩と
付き合ってるんですか?」





南「うん、まぁ。
一応ね!」





蓮「一応って?」





南「最近そっけなくてさー、
私のこと好きじゃないのかも」





蓮「そうなんですか・・・」





南「ほんと、
寂しいなぁ・・・」





あんまり
考えないようにしてたけど、
口に出すと悲しくなってきた。





蓮「僕だったらそんな顔、
絶対にさせません」





南「・・・」





蓮「先輩?」





南「あっ! ごめん、
なんだっけ?」





蓮「や、やっばりいいです!」





南「?」





蓮くんの様子が
ちょっとおかしい。





どうしたんだろう?





ぼーっとして
聞いてなかった!





ごめん蓮くん!













*・*・・・*・・・*・*





――― 1週間後の朝、電車内





南「あっ!」





近くにいた人が
怪訝そうに振り向いた。





南「すみません・・・」





どうしよう、
今の仕事に追われて、
企画書のこと忘れてた!













*・*・・・*・・・*・*





――― 昼休憩





新企画、考えなくちゃ!
でも段々眠くなってきた・・・







・悠我side・





悠我「田中、
見なかった?」





同期「いや、
見てないよ」





悠我「分かった」





同期のあいつが
見てないってことは
きっと食堂の・・・





やっぱりいた。





悠我「みな・・・」





寝てる。
せっかく久々に
話そうと思ったのにな。





気持ち良さそうに寝てるな。笑





その横顔がやっぱり・・・





・・・やっぱり可愛い。





最近仕事が忙しくて、
あんまりかまって
やれなかった。





それどころか、
仕事のストレスで
冷たく当たってた。





ごめんな。





でも、俺が南のことを
好きだってことは
変わってない。





それはずっと、
高校のときから・・・













*・*・・・*・・・*・*





――― 悠我の回想





俺はとにかく
サッカー一筋で生きてきた。





高校もサッカーの強豪校だ。





人数が多く、
9クラスもあったから
学年全員の顔と名前なんて、
当然知らなかった。





2年の部活動発表会。





吹奏楽部の発表は、
毎年盛り上がる。





うちの学校の吹奏楽部は、
全国大会に行くほどの
実力を持っているからだ。





そして、その吹奏楽部の
次期部長が田中南だった。





忘れもしない。





真っ黒でサラサラの髪と、
透き通るような白い肌。





ほんのり色づいたほっぺた。





大きな目。





彼女は口元を緩めて、
にこやかに話しだした。





「次期部長の田中南です。
まだこの吹奏楽部の部長として、
みんなの先頭に立つには
未熟でダメダメかもしれません。
でも、自分の出来る限りのことを
精一杯やれる自信はあります!
支えてもらうことも
多いかもしれませんが、
どうぞよろしくお願いします!」





大きな拍手が
巻きおこった。





俺は、彼女の一生懸命さと、
そして可愛さに心を奪われた。





そして演奏。





田中南は、フルートで
主旋律を多く担当していた。





次期部長として、
ソロパートもあった。





とても繊細で美しい音色に、
会場にはどよめきがおこった。





その日以来、
サッカーにしか
興味のなかった俺は、





無意識のうちに
田中南を目で追っていた。







ある日の朝。





この日は朝、サッカー部で
ミーティングをすることに
なっていたから、
いつもより1本早い
電車に乗った。





乗った瞬間。





目が合った。





田中南・・・さんと。





そして信じられないことに、
彼女は俺に近寄ってきた。





南「あの、佳山くんですよね?」





悠我「は、はい。
田中さんですよね?」





南「私のこと、
知ってるんですか?」





悠我「もちろん、
吹奏楽部の演奏で見たので。
田中さんこそ、
どうして俺のこと?」





すると彼女は
恥ずかしそうに微笑んで





南「部活中に、窓から
サッカー部が練習してるのが
見えるんです。
佳山くん、
サッカー上手ですね!」





悠我「いやいや、
田中さんのフルートも
上手でした。
俺、めちゃくちゃ
感動しました!」





そんな会話を交わした日から、
毎日、俺と田中さんは
一緒に学校に行くようになった。





そのうち俺らは互いに
「南」
「悠くん」
と呼ぶようになった。





もちろん、





男子A「佳山!! お前、
田中さんと付き合ってんのか?」





と恐ろしい形相で
聞いてくる奴もいた。





でも俺は決まって、





「付き合ってないよ・・・
まだ」





と答えた。











☆............





――― とある日の電車。





悠我「南、おはよ」





南「悠くん、おはよ~」





悠我「・・・どうした?
鼻声じゃないか?」





南「そんなことないよ・・・
くしゅんっ!
はぐしゅんっ!」





悠我「大丈夫か?」





南「平気平気・・・ぐずっ」





鼻を無理にあしらって、
俺に笑いかける姿は
苦しげだった。





悠我「降りるぞ」





南「うん・・・」





ふと後ろを振り返ると、
南がふらついて
倒れるところだった。





とっさに体を支える。





悠我「南!? 南!?
大丈夫か!?」





南「大、丈夫・・・」





そのまま俺は、
南をおぶって
学校へと向かった。





朝早かったので、
誰にも見られなくて
幸いだった。





背中にいる南は、
明らかに熱を持っていた。





(そこまで無理して
出てこなくていいのに・・・)





保健室に着くと、
養護教諭の先生が
氷枕などを用意してくれた。





すぐに南の親に連絡する、
と言って保健室から
出て行った。





南「悠・・・くん?
私・・・」





悠我「高熱があって、
電車で倒れそうになったんだ。
そんなに無理してまで
出てこなくていいんじゃないか?」





南「ごめんね。だって・・・
悠くんに会いたかったから・・・」





悠我「な・・・!」





南「私、悠くんのことが・・・
好きです」





悠我「・・・俺も
南のことが好きです」





南「あぁー、良かった。
悠くんがいつまで経っても
言ってくれないし、
そんなそぶりも見せないから
分かんなかったよ~」





悠我「ごめん。
・・・俺たち、付き合おっか」





南「うん」





養護教諭の先生「そろそろ
入っていいかしら~?」





南&悠我「あっ・・・//」













*。・——————-・。*





――― 回想終わり(南side)





南「あーっ、
寝ちゃった!」





ん?





「誰だろ?
毛布かけてくれたの・・・」





ぐっすり寝ちゃったけど、
そのおかげで午後の仕事は
はかどった。





企画書も出せたしね!





南「あれ?
LINEだ・・・」





あっ、悠くんから!





《今日会える?》





でも今日は・・・





《ごめん、蓮くんと
ご飯行く予定なんだ》







・悠我side・





《ごめん、蓮くんと
ご飯行く予定なんだ》





蓮って、最近南に
言い寄ってる後輩だよな。





先越されてんじゃん、俺。





こんなに冷たくしといて、
南がずっと
俺のそばにいるって
決めつけてた。





南だって、
優しい奴の方が
いいに決まってる。





バカだな・・・俺。













・南side・





南「飲み屋さんかと思ったら、
こんなおしゃれなレストラン
連れてきてもらっちゃって、
ごめんね~」





蓮「いえいえ。今日は、
楽しい夕食になりました。
ありがとうございました」





「今日、お伝えしたいことが
あるんです」





「僕、南先輩が・・・」













・悠我side・





南の家の前で、
南の帰りを待っている。





が、なかなか
帰ってこない。





あ、南!
内田はいないみたいだ。





泣いてる・・・!!!





悠我「南っ!!」





南「あっ、悠くん・・・」





悠我「どうしたんだ?!」





南「・・・私、私ね、
蓮くんのことフったの」





悠我「・・・!」





南「だって私、
まだ悠くんのことが
好きだから・・・」





「でも、悠くんはもう
私のこと好きじゃないでしょ?」





とっさに南の腕を
引っ張る。





引き寄せる。





ギュッ





南「・・・!」





悠我「冷たい態度とって、
不安にさせて、
泣かせて、ごめん」





「俺も好きだよ」





南「・・・ほんとに?」





悠我「ほんと。ほら」





南「わぁっ、
覚えててくれたんだ!
私の誕生日!」





悠我「うん」





俺は南の大好きな
ショートケーキを渡した。





悠我「ほんとに悪かった。
でも、南のことを
大好きなのは
ずっと変わってないから」





南「うん」





悠我「もう1回、
やり直させて」





南「うん!」





これからもっと南を
大切にする。





この気持ちは
ずっと変わらない。





ずっと。







―――end

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