ふろガール

CAST河村果歩

作者：ふろガール製作者

2020.10.17

ふろガール

私は恋などに
興味がない。

彼氏はまだ
わかる方だ。

だって私は！
・・・お風呂が
彼氏なもんだ！

（その時、）

プルルルルルルルル

（後輩からか）

私「どうした」

後輩「先輩！
聞いてくださいよ！
これからデートのはずだったのに、
さっき彼氏から電話があって、
ドタキャンされたんです!!!」

私「そうか・・・」

後輩「それで
済みませんよ！」

私「そうか・・・」

（その時）
お風呂ができた音楽が鳴る。

私「おっ!!!
お風呂が沸いたみたいだ!!
すまないが、
入ってくる!!!」

後輩「えっ!?
朝も入ったじゃないですか!!」

私「お風呂は私の命だ！
じゃあ、途中だが、失礼」

（電話を切るの忘れる）

（冷たすぎて、震える）

私「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ！」

後輩「大丈夫ですか？
先輩？　先輩？」

私「お風呂が・・・・・・
冷たいっ!!!」

１０分後
お風呂やさんが来る。

私「はやくきてくださいっ！
（お風呂の戸を開ける）」

「何度お湯張りしても
水しか出てこないんです。
どうか、どうか！
治してやってください！
お願いいたします（土下座）」

お風呂屋「はい。
やってみます」

＊。・　数分後　・。＊

（私はじっとしていられない）

お風呂屋さんが出てくる。

私「どうでしたか？
お風呂は無事でしょうか・・・」

お風呂屋「はい。
お湯が出ますよ。
そういえば、お風呂がとても
ピカピカでした!!!
いつもは見えないところも
ピカピカで！
お風呂愛を感じました!!!」

私「お風呂
無事で良かったです。
私、めちゃくちゃお風呂が
大好きなんです!!!」

お風呂屋さんが
じっと見てくる。

私「えっ・・・・・・・・・」

お風呂屋「あっ、すみません。
やっぱりお風呂が好きな人って
とてもお肌が綺麗で・・・つい。
では明日、点検に来ます」

私「ありがとうございました」

（お風呂屋、軽く会釈）

どうしたんだ・・・
さっきから炭酸発酵入浴剤の
泡のように弾けている。
まさか私が、あの人に!?

いやいや、違う。
私はお風呂にときめいている。

*．*．*．*．*．*．*．*．*

数分後・・・

後輩からか電話？

プルルルルルルルル

後輩「先輩！
聞いてくださいよ！」

私「どうした」

後輩「さっき彼氏から
電話来たんですけど、
次は俺の都合だと、
半年後くらいかなって
言ってきたんですよ！
もう全然分かってない!!!」

私「悪いが今、忙しいんだ」

後輩「えっ？　でもさっき、
お風呂壊れたーって
叫んでましたよね？
他にすることもないし、
どうせ暇ですよね？」

私「お風呂なら
もう治った・・・」

後輩「えっ？　もう？」

私「素晴らしい人が
来てくれて・・・」

後輩「もしかして、
惚れたんですか???」

私「ち、違う！」

後輩「ふぅん」

私「はぁ」

後輩「あっ、」

私「なんだっ!!」

後輩「なんか
お風呂の話してたら、
のどかわいてきた。
飲み物買ってきまーす！
では失礼」

＊。・　次の日　・。＊

お風呂屋「お風呂は大丈夫でした」

私「そうですか・・・
ありがとうございました」

扉を開ける。

私「またなにかあったら
よろしくお願いします」

お風呂屋「伝えておきます」

私「誰にですか？」

お風呂屋「あっ、僕今月で
この仕事辞めるんです。
フィンランドに行って、本格的に
勉強してこようと思って・・・」

私「えっ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・
あっ、・・・頑張ってください！」

（やっと出会えたのに・・・）

お風呂屋「でも、これからも
お風呂友達として、
お風呂を楽しみましょうね!!!」

私「あっ、はい!!!!」

お風呂屋「では、失礼しました」

私「ありがとうございました!!!」

・・・ｅｎｄ・・・