次のいちご狩りは彼氏と。

CAST林 芽亜里林 芽亜里

作者:みー!

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.07.25






いちごみたいに
甘い恋がしたい。





なのに。





「めあり~
いちご狩りなんて
5年ぶりだね!」





キラキラした目で
私に笑いかける
コウショウ。





なんでこいつと
いちご狩りデートしないと
いけないわけ!?





私の視線に
気づいてるのか
気づいてないのか
コウショウが
にっこり笑って





「めありが
一緒に来てくれてよかった。
デート楽しもうね!」





、、、、ブチッ。





「デートじゃないって
何回言ったらわかるの!?」





私はポカンとしてる
コウショウを置いて
受付けの所に向かって
歩きだした。





コウショウの気配が
近くから消えて





私は「はぁっ」
とため息をついた。





コウショウとは
幼稚園からの幼なじみで
めっちゃカッコイイ。





あ、見た目はね。
見た目は。





性格はそこまで
良くない。





意地悪だし。





でもやたらと
女子にモテる。





だからこんなとこ
見られたら
わたしは抹殺される。





しかもなぜか
デート設定だし。





でも
コウショウと
出かけることに
少し喜んでる
自分がいる。





「ねぇねぇ」





突然後ろから
声をかけられた。





「君、可愛いね。
もしよかったら
俺とデートしない?」





いちご狩りに
こんな男いるんだ。
ってくらいチャラい
ラッパー風の
男が近づいてきた。





「俺だったら
君に幸せを
提供できるよ」





「はあ」





ナンパなんて
初めてだから
どうすればいいのか
わかんない。





周りの人も
見て見ぬふりをしている。





どうしよう。





「その返事は
いいってこと!?」





え?
戸惑ってる間に
グイッと腕を掴まれて





「ほらいこいこ」





「え、ちょ、まって」





私が慌てて
手をはなすと





「いいの?
手、離しちゃって」





手をボキボキならして
私の方をみる男の人。





何も言えなかった。





ただ怖くて。





でも
あの人なら
助けにきてくれる。





助けて!





「コウショウ!」





「おい。
俺の彼女に
なにしてんだ?」





聞きなれた声が
後ろから聞こえた。





「コウショウ、、、?」





コウショウは男の手を
私の腕から引き剥がして
男に蹴りを入れた。





ドスッ。





男が仰向けに倒れた。





「痛っ、、、
お前何もんだよ」





コウショウが
私の手を握って
不敵に笑った。





「こいつの彼氏だよ」





その姿に私は不覚にも
ドキッとしてしまった。





横顔を見つめていると
コウショウが突然
こっちを向いて





「惚れた?」





と、にっこり。





「やっぱり無理」





コウショウを置いて
この場を去ろうとしたけど





「危ないから
一緒に行こう。ね?」





振りほどこうとすれば
ほどけるくらいの強さで
手を握られた。





ナンパにあった
ばかりっていうのもあって
手を振りほどけなかった。





そんな私の様子を見て
コウショウが嬉しそうに
笑った気がした。





「すきだな」





コウショウが呟いた。





でも小さすぎて
聞き取れなかった。





「なに?」





「なんでもないよ。
それよりもいちご狩り
楽しみだね」





コウショウが
嬉しそうに笑う。





私もその笑顔につ
られるようにして
笑った。





「3・2・1・スタート!」





係の人の声で
いちご狩りがスタートした。





いちご狩りなんて
初めてだから
わくわくする。





「このいちご美味しそう!」





「俺が先だー!」





コウショウが
私が目をつけたイチゴに
一直線に走っていった。





突然のことに
少しビックリしたけど
驚いてる暇はないっ!





「待って!
それ私のだから!!」





私も慌てて追いかけた。





でもこの対決は
コウショウでもなく
私でもなく





「わ、このいちごいい!」





見知らぬ中学生に
取られた。





あーー。





「ね、君」





「は?」





めっちゃ面倒くさそうに
振り向いた中学生の女の子。





でもコウショウの顔を見て
態度が一変。





「どしたんですかぁ?」





「もしよかったら
そのいちご
譲ってくれないかな?」





「もちろん!
でもその代わり
私のいちご狩り手伝ってよ」





中学生らしき女の子は
私の方をみて
可愛く首を傾げた。





「あなた
この人の彼女?
違うよね?」





私はもちろん
「違います」
と言おうと思った。





でもコウショウと女の子が
一緒にいちご狩りをしてるとこを
想像したら
なんでかすごく嫌で





「違うけど。やだ」





声に出してから
自分がとんでもないことを
言ってるって気づいた。





「あ、ごめんなさい。
今のは、、、」





「ってことで、
いちご狩りの手伝いは
無理です。
すみません。
イチゴも返します」





コウショウが
もらったイチゴを
女の子の手に乗せた。





「じゃあ。
めあり、行くよ」





私の手を強引に掴んで
引っ張っていく。





「あ、あの、
コウショウ、
ごめん」





私は
なんて言ったらいいか
わからなくて
とりあえず謝った。





すると、コウショウは
いつもとは違う
本当に嬉しそうな顔で
振り向いた。





「なにが?
俺は嬉しかったよ」





え、、?





「ねぇ、めあり」





いつもより
落ち着いた声で
コウショウが言った。





「なに?」





コウショウは真っ直ぐ前を
見つめたまま
言った。





「好きだよ」





「え?」





すき?





思わず足を止めた私を見て
コウショウがクスッと笑った。





「そんなに?
デートって言ってたじゃん。
伝わってると思ってたけど」





あ。





「冗談?
冗談ならやめてよね」





いつも通りの
余裕の笑みをみて
からかわれたんだって
気づいた。





自分だけ真に受けちゃって
恥ずかしい。





真っ赤に染まっちゃった頬を
慌ててこすった。





でもこすってた手を
コウショウに掴まれた。





「好きだよ。本気で。
ずっと前から好き」





コウショウが
私のことをすき?





突然すぎて
気持ちの整理がつかなくて
とっさに
断ろうとした。





「あ、あの」





「めあり、
今すぐ答えを出せって
わけじゃないから
答えが出るまで
ずっと待ってるから。
俺は、ずっと
めありがすきだよ」





コウショウが
夕日をバックに笑った。





その笑顔は今まで見た
どんなカッコイイ俳優よりも
輝いていた。





その瞬間
気づいたんだ。





「ねぇ、コウショウ
楽しかったね。
いちご狩り」





突然話題を変えられて
戸惑うコウショウに
私は笑いかけた。





「また、行こうね。
今度は本当のデートで」







*end*

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