クール女子が恋して。

CAST安村真奈

作者：りなまなくるみんちょ

2020.05.31

私、林メアリ。

この物語の主人公は
私ではなく、
小学生からの幼馴染の
安村真奈。

彼女は
一匹狼で

彼女が誰かといることを、
私は見たことがない。

それは
誰が見ても憧れる
スタイル。

誰が見ても
うっとりする顔立ち。

誰が見ても中３とは
思えないコーデ。

彼女が完璧すぎるから。

外見は完璧な
彼女だけど、

誰にでも反抗的な
態度が原因で
いつも１人でいる。

私が話しかけても
いつも「何？」。

ひどい時は無視。

でも最近
彼女が変わった。

前までは授業中、
黒板以外見ていなかった
彼女だけど

最近、窓を眺めて
ぼーっとしていることが
多くなった。

前までは、ペンケースなどの
アイテムは白か黒だったけれど
突然、ピンクなどの
パステルカラーが増えた。

前までは自分から
話しかけるなんてこと
なかったのに
今日、私に話しかけてきた。

なんて言ったと思う？

ふふ、それが面白いの。

「どうしたら、
可愛くなれる？」

って、あの安村さんから
聞いてきた。

「え？」

私はつい
言ってしまった。

だって驚くでしょう！
あの安村さんが！
可愛くなれる？　って！

まず私は

「どうしたの？」

って聞いてみた。

安村さんはちょっと
照れながら

「なんでもないけど」

と答えた。

私は、

「好きな人でもできた？」

って安村さんに言った。

そうしたら、

「悪い？」

って怒られた。

私はふふっと笑って
安村さんと
可愛い
について考えた。

翌日、安村さんは
変わった。

昨日話した、
可愛い
って感じになっていた。

流石安村さん。

スタイルも顔立ちも
抜群の安村さんは
クールも
似合っていたけれど
可愛いってのも
似合っていた。

とても女子っぽくなった
安村さん。

でもそれは
見た目だけ。

私が
「可愛いね」って
調子に乗って
言っちゃったら、
やっぱり

「悪い？」
って怒られた。

クラスの男子にも
話しかけられていたけれど
態度は変わらず冷たいまま。

その放課後、
また安村さんが

「どうしたら
中身も可愛くなれる？」

ってきいてきた。

私はちょっと
調子に乗って

「安村さんの好きな人、
教えてくれたらいいよ」

ってニヤニヤしながら
言った。

なんと安村さんは
答えてくれた。

「・・・紀田くん」

答えが返ってくるなんて
びっくりした。

紀田くん・・・ねぇ。

私はクラスでも
有名な恋探偵なんで
紀田くんの好きなタイプくらい
知っている。

教えてくれたから、
私だって協力しなくちゃ。

そう思ってとことん
安村さんに可愛くなって
もらうことにした。

可愛い
を教えてあげて

「ありがとう」
って言われた。

嬉しかった。

最後に安村さんに
忠告した。

「可愛い安村さんもいいけど、
自分らしい、
クールな安村さんも
私は好きだよ」

って。

安村さんはちょっと
照れてた。

可愛いな
って思った。

「明日・・・告るから」

「頑張れ」

応援した。

＊。・　次の日の放課後　・。＊

「行ってきます」

安村さんはそう言って、
紀田くんの元へ行った。

「行ってらっしゃい」

私はそう言いながら、
子を見送る気持ちで
安村さんの背中を見ていた。

安村さんが
帰ってきた。

「どうだった？」

「あなたのおかげ」

そう言って安村さんは
私に抱きついた。

「・・・変わったね」

私はそう言った。

「あなたのおかげだって」

安村さんは
そう言った。

良かった。

私は心の底から
そう思えた。

あんなに人見知りで
寂しそうだった安村さんが
今ではこんなに嬉しそう。

「大好き」

私は安村さんに、
そう言った。

「私も」

安村さんも私に、
そう言った。

＊ｅｎｄ＊