love only in the rainy season

CAST紀田直哉

作者：りなまなくるみんちょ

2020.05.07

ナオヤ「雨・・・強いな」

俺、紀田ナオヤ。
ニコ学に通っている
中学２年生。

今日の天気は雨。

先週からずっと雨で、
来週まで続くそう。

俺は梅雨が嫌いだ。

靴は濡れるし
傘は邪魔だし
髪もはねるし

早くおわんねえかな・・・

いつもそう思って
登校している。

ナオヤ「靴下まで
ビショビショ・・・」

学校に着くと、
傘を結び、
靴下を履き換え、
頭を拭いて
教室に入る。

コウショウ「お、ナオヤ。
今日もビショビショか？」

こいつは小学生の頃からの
友達、コウショウ。

おぼっちゃまで
車で登下校している。

そんなコウショウは
いつも俺をからかってくる。

ナオヤ「今日は靴下まで
ビショビショ」

コウショウ「俺は１つも
濡れてなーい」

ナオヤ「お前ぶん殴るぞ笑」

コウショウと
痴話喧嘩をしていると、

ナナ「おはよう～！」

ナナさんが
びしょ濡れになって
教室に入ってきた。

メアリ「どうしたの？
そんなビショビショで」

ナナ「傘忘れちゃって、」

メアリ「こんな雨の中
傘忘れるわけないでしょ?!」

ナナ「いや～
うっかり者でして笑」

ナオヤ「なんであんなに
ビショビショなんだろうね」

コウショウ「たしかに」

俺は不思議に思ったが、

ナオヤ「まぁ、いっか」

それは一時の
疑問だった。

＊。・　放課後　・。＊

ナオヤ「うわぁ、
靴びしょ濡れ」

帰るときまで
登校時に履いていた靴は
びしょ濡れだった。

帰りも雨はふっていたが、
登校時よりはマシだった。

いつも通りの下校。

ナナとさんと
メアリさんだ。

何してるんだろう。

ナナ「猫ちゃん、
濡れなかった？」

メアリ「なぁーんだ。
傘、猫ちゃんに貸してたから
メアリビショビショだったんだ」

ナナ「貸してあげようか
迷ったんだけどね、
まだ小さかったし」

メアリ「ナナは
どんだけ良い子なの？」

ナナ「てへぺろ」

ナオヤ「だからナナさん
ビショビショだったんだ」

ナナ「あ、ナオヤ君」

ナオヤ「ナナさん
ビショビショで
どうしたんだろうって
思ってたけど、
そういうことだったんだね」

ナナ「みんな私のこと
変な目で見てたから
ちょっと辛かった・・・笑」

ナオヤ「ナナさんって、
優しいね」

ナナ「猫、好きだから」

メアリ「何２人で
ラブラブしてるの！
ほらナナ、タピ活
行くんでしょ！」

ナナ「そうだった！
じゃあまた明日、
ナオヤ君」

ナオヤ「うん。また明日」

優しく微笑むナナさんに
俺は頬を赤く染めて
手を振っていた。

＊。・　次の日　・。＊

ナオヤ「今日もナナさん
傘ないのかな・・・」

俺はいつの間にか
ナナさんのことを
思っていた。

ナオヤ「一応、行ってみるか」

昨日ナナさんと会った
猫のところへ行ってみた。

そこには
ナナさんがいた。

ナナ「今日も雨だね。
傘・・・置いとくね」

ナオヤ「また傘
置いてくつもり？」

ナナ「あ、ナオヤ君」

ナオヤ「置いて行ったら
ナナさんが濡れちゃうよ？」

ナナ「私は着替えれば
平気だから、大丈夫」

ナオヤ「俺の傘、入る？」

ナナ「・・・いいの？」

ナオヤ「うん」

ナナ「じゃあ、
お言葉に甘えて・・・」

学校に着いた。

ナナ「ありがとう」

ナオヤ「いいえ」

メアリ「おーい
ラブラブカップル！
イチャイチャ
してんじゃねーぞ！」

ナナ「イチャイチャなんて・・・」

ちょっと照れていた
ナナさんが可愛かった。

ナオヤ「帰りも、
傘ないでしょ？」

ナナ「うん」

ナオヤ「入ってく？」

ナナ「うん」

梅雨も・・・いいかも。

＊ｅｎｄ＊