ファンと恋人の境界線

CAST戸部 光翔戸部 光翔

作者:さくらんぼちゃん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.04.10






やばい。ヤバすぎる。
ほんとにヤバーい。





我の最推しが
こんなに近くに。





メアリ「なあに、
私の顔に
何かついてる?」





コウショウ「あっ、いえ」





メアリ「変なの(笑)」





見れば見るほど、
可愛いという言葉じゃ
言い足りないほど
かわいいすぎる。





メアリ「じゃあ、
今日の放課後
どっか行こっか」





コウショウ「はいっ?」





メアリ「どこ行こっか」





コウショウ「えっと」





メアリ「あっ、じゃあさ
コウくん家にしょっか」





コウショウ「は?」





メアリ「決まりっ!」





コウショウ「ちょっ、ちょっと
待ってください」





メアリ「えっどうしたの?」





コウショウ「あの、
次から次へと
決断がはやすぎます」





メアリ「だめ?」





コウショウ「いや、別に
そういうわけではなく」





メアリ「じゃあ良いよね」





コウショウ「は、はい」













*。・ 放課後 ・。*





これはあの有名な
デートというものなのか?





よりによって
我の家とは。





我の家?





あああああああああああああああ
ダメだダメだ。





我の家には林さんだけには
絶対見せられないものが、





メアリ「待った?」





コウショウ「いえ。
ですが、目的地を
変更するのは
どうでしょう」





メアリ「変更しません」





コウショウ「ですが、
私の家には
面白いものなど
何もないですよ」





メアリ「いいの。
ほら早くいくよ」





はい。
我の夢のような
中学校生活は終わった。





メアリ「大っきい家だねぇ」





コウショウ「そうですか?」





メアリ「お邪魔しまーす」





コウショウ「はい」





メアリ「さーて、
コウくんのお部屋は
どこかな?」





コウショウ「あ、あの、ちょっと」





メアリ「発見!
では早速
入っていきたいと
思いま~す」





コウショウ「ちょっ、ちょっと」





メアリ「突入!」





もう本当に終わった。





メアリ「・・・うそ。
私のグッズばっかり」





そう。我は、
アイドルヲタクなのだ。





その中でも1番の推しは
メアリーこと林芽亜里だ。





つまり彼女である。





メアリ「もしかして、
コウくん私の・・・」





コウショウ「そ、そうなんです」





どうして我が彼女と
一緒にいるかというと・・・













*。・ 数か月前 ・。*





それは、我が
転校をしてきた時だ。





隣の席には、
なんとあのメアリーが。





「ねえ、君
何してるの?」





顔を上げると、
そこにはメアリーが。





コウショウ「い、いえ、
何もしてません」





メアリ「え、何?」





コウショウ「あの、
ほっといてください」





メアリ「かわいい。
一緒にご飯たべよう」





コウショウ「はい?」





クラスメイト「な、なんで。
あの、芽亜里と、
あの陰キャが!?」













*。・ 昼食時 ・。*





コウショウ「どうして、我、
じゃなくて僕なんかと
一緒にいるのですか?」





メアリ「だめ?」





コウショウ「いや、
そういうことではなく」





メアリ「じゃあさ、
私と付き合ってくれない?」





クラスメイト&コウショウ「はー?」













*。・ 現在 ・。*





と、いうことで
今に至る。





メアリ「コウくんは、
私をファンとして
好きだったってこと?」





コウショウ「・・・」





メアリ「残念だな。
私はコウくんと
本物のカップルに
なりたかったのに」





【家から出ようとするメアリ】





コウショウ「ちょっと、
どこへいくのですか?」





メアリ「ごめん。
今日は帰るね。
1人になりたくて」





我は何をしているんだ。





どうして
引き止めなかった。





本物のカップル?





なれるはずが
ないではないか。





だけど、彼女のことを
ファンとしてではなく、
確かに恋人として
好きだったはずだ。





ほんの少しだけ
だけかもしれないけど
今日我たちは本物のカップル
だったのではないのか?





行かなきゃ。





我は行かなきゃ
いけないんだ。





【走り出すコウショウ】





【よろよろと歩くメアリ】





コウショウ「林さん!」





メアリ「ん?」





【メアリを抱きしめる
コウショウ】





コウショウ「僕は林さんのことが、
大好きです。
それは、ファンとしてではない、
本物のカップルとして」





メアリ「うふふ(笑)」





コウショウ「ど、どうして
笑うんですか?」





メアリ「いや、
なんかカッコいいなと
思って」





コウショウ「・・・」





メアリ「っていうか、
そろそろ敬語やめてよ」





コウショウ「それが
僕の個性なので・・・」





メアリ「あーあーそうですか」





アイドルヲタクな我の、
夢のような中学校生活は
まだまだ続きそうだ。







*end*

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