数え切れない、ありがとう

CAST林 芽亜里林 芽亜里

作者:モチモッチーノきょん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.04.12






メアリ「・・・おはようございます」





クラスメイト「・・・」





メアリ「今日も無視ですか」





私、林メアリと
いいます。





私は
すみません
というのが口癖で、





自覚はありますが
なかなか直すことが
できません。





そのせいで
変なやつと思われ、
友達はいません。





もちろん
彼氏もいません。





友情とか恋愛とか、
憧れたりはしますが





実際そんなに
簡単ではありません。





隣の方が昨日
欠席だったので
ノート写すかと
聞いてみたのですが、
無言で席を
立ち去られました。





移動教室の際、
荷物が多く
大変そうな方に
持ちましょうかと
言いましたが、





きもい
と言われ、
ショックでした。





まぁ、こんな私ですから
しょうがないのですがね。






メアリ「・・・花に
水をやりに行かなくては」





私は栽培飼育委員会で
今日が担当なのです。





ドンッ





メアリ「あ、すみません」





ナオヤ「ごめんなさい」





え・・・?





みんなは私に
ぶつかった時、





「前見て歩けよ」」





だとか、





「汚れるから
触らないでくれない」」





だとかいうはずなのに





あの方は
謝ってくださった。





メアリ「なんて優しい
お方なのでしょう・・・」





私はそれから
あの方のことが
気になって
しょうがなかった。





メアリ「お花さん、
あの方はこんな私に
謝ってくださったのですよ。
どんなに親切なのでしょう」





ナオヤ「え? 俺のこと?」





メアリ「きゃ・・・」





ナオヤ「ごめんごめん。
俺、ナオヤっていうんだ。
確か隣のクラスの
メアリさんだよね。
さっきはぶつかっちゃって
ごめんね」





え・・・





私のことを
知っていてくださったうえに
もう一度先ほどのことを
謝ってくださった・・・





メアリ「・・・」





ナオヤ「え!
何泣いてるの!
俺、何かした?」





メアリ「あ・・・すみません。
私、こんなに優しい対応を
してくださった方、
初めてで・・・」





ナオヤ「俺が?
優しいなんて、
俺なんかに勿体ないよ」





メアリ「いいえ。
あなたは他の方と違い、
私を人として
みてくださっている。
なんて優しいお方」





ナオヤ「メアリさんって、
他の人に
避けられてるというか、
クラスで浮いてるよね。
あれ、俺わかんないんだよね」





メアリ「私が浮いているのは
当然です。
私なんかと喋ったら
汚れると言われていますから」





ナオヤ「え、それ酷くない?
てか、俺はメアリさん、
すごくいい人だと思うけどな」





メアリ「私を・・・?」





ナオヤ「うん。
いつも真面目で
誰にでも平等に
接することができる
メアリさんは尊敬する」





メアリ「私のことを
尊敬だなんて、
そんな無理して
褒めて下さらなくて
いいんです」





ナオヤ「無理してなんかないよ。
おれはただ素直な気持ちを
言っただけ」





メアリ「ナオヤさん・・・」





キーンコーンカーンコーン





チャイムが鳴った。





メアリ「あ、私のせいで
授業の時間に
遅れてしまいますね、
すみません」





ナオヤ「いいえ。
話してくれて
ありがとう」





ありがとうなんて、
初めて言われた。





あ、もしかして





私ナオヤ君に
恋をしているのかもしれない。





いや、私が恋を
するなんて
なんておこがましい。





だけど





この気持ちだけは
押さえきれない。





私の頭の中は
ナオヤ君で
いっぱいだった。





それから私は
定期的にナオヤ君と
話すようになった。





毎回私の話に
相槌を打ってくれて、
笑顔で聞いてくれる
ナオヤ君。





メアリ「ナオヤ君、
こんな話聞いて、
楽しい?」





心配になって
つい聞いてしまった。





ナオヤ「うん。
メアリさんの話聞くの、
楽しい」





あ・・・やっぱり私、





ナオヤ君のこと好きだ。
大好きだ。





そう思った。





アム「ちょっと
肩貸してもらっていーい?」





クラスメイトの
アムさんだ。





アムさんは
クラスの中心にいるような
とても人気者の女の子。





メアリ「なんでしょう」





アム「あんた最近、
ナオヤと
仲が良いでしょう」





メアリ「いいえ。
仲良くなんてありません。
ナオヤ君はとても優しいから、
浮いている私を放って
おかないだけでしょう」





アム「それってナオヤに
心配かけてるって
ことだよね?」





メアリ「・・・」





アム「ナオヤがお前なんかと
いたら汚れる。
もう話さないであげて」





メアリ「それは・・・
できません」





アム「はぁ?」





メアリ「私は、
恋をしてしまったのです。
ナオヤ君に」





アム「はっ、お前なんかが
ナオヤと釣り合うわけがない」





メアリ「それは知っています。
相手にその気がないこと
重々承知のうえの行為です」





アム「・・・好きにしな」





はぁ、はぁ、はぁ。





こ、怖かった・・・





けど、私
ナオヤ君に対する
自分の気持ちが分かった。





ナオヤ君に、
ちゃんと伝えよう。





ナオヤ「大丈夫だった?」





メアリ「・・・うん」





ナオヤ「なら良かった」





メアリ「私・・・ナオヤ君に
言いたいことがあります」





ナオヤ「・・・何?」





メアリ「振られること、
重々承知の上、告白します。
私、ナオヤ君のことが好きです。
大好きです。
付き合ってくれませんか」





ナオヤ「・・・」





メアリ「お返事はいりません。
ただの自己満足なので。
短い間でしたが、
こんな私に付き合ってくださり、
ありがとうございました。
そしてすみませんでした」





ナオヤ「ちょっと待って」





メアリ「・・・?」





ナオヤ「付き合うの、
お受けします」





メアリ「え・・・?」





ナオヤ「俺、もともと
メアリさんのこと
気になってたんだよね。
前も言ったけど、
メアリさんって真面目で
誰に対しても平等に接していて。
そんなメアリさんに
惹かれていたんだ。
話していくうちにどんどん
メアリさんのことを
知りたくなっていって、
俺、メアリさんに恋をしていた」





メアリ「・・・私なんかに
恋をしてくださって、
ありがとうございます」





ナオヤ「メアリさんなんかじゃ
ないんだよ。
メアリさんだからいいんだよ」





メアリ「・・・私、こんなに良くされて、
いいのでしょうか・・・」





ナオヤ「メアリさん
頑張ってきたんだから、
これからは
俺が楽にさせてあげる」





メアリ「私なんかにすみません」





ナオヤ「ほら、また
私なんかって言ってる。
それに俺は
『すみません』より
『ありがとう』って
言ってくれた方が
いい気持ちするけどな」





メアリ「私、今とっても嬉しい。
ありがとう」





ナオヤ「こちらこそ」





ナオヤ君は私に





ポジティブな生き方











自分のことを
好きになる大切さ





を教えてくれた。





私にとってナオヤ君は
とっても大好きな人で
人生を変えてくれた人だ。





ナオヤ君には
数え切れないほどの





ありがとう





を伝えたい。







*end*

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