無理すんなよ
作者:さえ
私、宮﨑エミリ。
バスケ部の1年生。
1月の新人戦に向けて
練習中です。
*...・・・*...・・・*
?「ほら、甘い!」
ディフェンスの私の横を
軽々とぬけてシュートを決めたのは、
いつも自主練につきあってくれる
松瀬ダイジ先輩。
2ヶ月前、1人で自主練を
していた私に
「一緒に練習しよう」
って言ってくれた、やさしい先輩。
ダイジ「こわがらないで、
もっと寄ってきていいんだって。ほら」
背の高いダイジ先輩との
距離が近い。
ドキドキする。
そう、私は
ダイジ先輩が好き。
ダイジ「じゃ、次はパス練するか」
エミリ「はいっ」
ダイジ先輩が毎日練習に
つきあってくれるだけでうれしい。
**-・.・***・.・-**
なんだか今日は
寒いな。
少し、頭痛いし。
でも、練習しなきゃ。
ダイジ「エミリ、パス!」
エミリ「はいっ!
・・・あっ、きゃっ!」
ボールに追いつかずに
足がもつれて転んでしまった。
恥ずかしい。
ダイジ「だいじょうぶか?」
ダイジ先輩が
差し出してくれた手を
つかもうと思うけれど、
手が伸びない。
体を起こせない。
ぐるぐるして、
気もちわるい。
ダイジ「エミリ! エミリ!
しっかりしろ、エミリ!」
ダイジ先輩、泣いてる・・・?
なんで・・・?
ダイジ「エミリ!」
ダイジ先輩に名前を
呼ばれた気がした。
私はそのまま気を失った。
**-・.・***・.・-**
右手が温かい。
誰かがぎゅっと
にぎりしめている。
誰かが私を呼んでいる。
泣きそうな声で。
誰だろう。
でも、苦しくて
目がさめない。
?「エミリ・・・起きて・・・」
くちびるに
何かがふれた。
おどろいて目がさめた。
目の前には泣きそうな
ダイジ先輩の顔。
エミリ「・・・ダイジ・・・
先輩・・・?
・・・ここは・・・?」
ダイジ「保健室」
エミリ「・・・保健室・・・?
・・・どうして・・・?」
ダイジ「・・・覚えてない?」
全然覚えてない。
確か、部活終わったあとに
ダイジ先輩が話しかけてくれて、
一緒に自主練をしていたような。
ダイジ「エミリ、
自主練中に倒れたんだよ。
俺、なにか病気なんじゃないか、
もう死んじゃうんじゃないかってあせって。
運んできたら、先生に
ただ熱出しただけって言われて安心して。
でもエミリ、全然起きないから心配で」
そうだったんだ。
私、心配かけちゃったんだ。
好きな人に運んでもらって、
心配させて。
迷惑だっただろうな。
ダイジ「もう、無理するなよ」
エミリ「・・・すみません・・・」
ダイジ「いいよ。
目をさましてくれてよかった。
俺、初恋の人を目の前で失うなんて、
嫌だから」
え・・・?
今、なんて?
ダイジ「エミリ、俺、好きなんだ。
だから、倒れたときすごくあせった。
目をさまさないから心配で。
思わず、キス・・・しちゃった。
ごめん、迷惑だよね」
好き?
ダイジ先輩が私のこと、好き?
エミリ「・・・そんなこと・・・
ない・・・です・・・・・・
私も・・・先輩のこと・・・
好きです・・・」
ダイジ「・・・うれしい・・・」
ダイジ先輩がそっと、
体を起こしてくれた。
右手をにぎったまま。
ダイジ「エミリ、
俺とつきあってください」
**-・.・***・.・-**
ダイジ「エミリ。はい、これ」
エミリ「わあっ! かわいい!」
私たちはつきあって
今日で1年。
エミリ「私からは、これ」
ダイジ「これ、欲しかったやつ!
ありがとな」
何かあっても
支えてくれる人がいて、
私は幸せです。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。































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青山姫乃
国本 姫万里
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白水ひより
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