nicola

キーワード検索

なにがなんでもなんでもかんでも

CAST工藤 唯愛工藤 唯愛

作者:ライラック

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.10.31

「愛されるよりも愛したい」とかいう曲が
昔、流行ったらしいけど





私はそうは思わない。





私は愛されたい、
なにがなんでも。





私を愛してくれる人がいたら、
私も全力で彼を愛する。





彼の愛のすべてを独占する代わりに、
私の愛どころか、心も体も魂も
すべては彼のもの、
なんでもかんでも。





私は、ユア。
恋に恋する乙女FJK。





彼氏いない歴イコール年齢。





「はぁ、恋したい・・・」





私は、グラタンを食べながら
うなだれた。





「また同じことを言ってる」





向かいの席のミサキが
ため息をついた。





私は放課後に、幼なじみで
同級生のミサキと
ファミレスに立ち寄っていた。





「私の白馬の王子様は
どこにいらっしゃるの?」





私はウルウルした瞳で
天井を見上げた。





「知らないよ」





ミサキは、苦笑いをした。





ミサキとは仲は良いけど
恋愛対象ではない。





数学のテストで学年トップの
成績を取るくらい頭は良いけど、
地味だし、カッコいいって感じじゃないし。





なんとなく謎が多いし、
いつもノートパソコンを抱えているし、





裏でなんかヤバいことを
やってるのかもしれない、なんてね。





「全部消えた」





私は、スマホでSNSを眺めた。





「なにが?」





「誹謗中傷とか」





「ふーん」





ちょっと前、なんとなくSNSに上げた
自撮り写真が燃えた。





容姿への悪口、人格を否定する
心ない言葉が並んだ。





私はもう、本当に気が滅入って
学校もしばらく休んだ。





でも、しばらくしたら
誹謗中傷はすべて消えた。





「なんで消えたんだろう?」





「僕が消したからさ」





「へえ」





私は、冗談だと思った。





「ひとりひとり地道に
発信源を特定してツブした」





ミサキは、静かにニヤリと笑った。





「へえ・・・」





「僕のハッキングの腕があれば
特定はできる。
後は実際に会って脅し、恐怖を与え、
2度と同じことができないように
精神を追いつめる。
できたら社会的にツブしておく」





ミサキは、淡々とした口調で言った。





「へえ・・・」





何を言ってるんだろうか、
この人は。





私はミサキの様子がおかしくて
怖くなってきた。





「ユアを傷つけるやつは、
徹底的にツブすよ」





ミサキは、ニッコリと微笑んだ。





「なんか今日
ちょっと変じゃない?」





私は、おそるおそる聞いた。





「ちっとも変じゃない。
僕はいたって正常だよ。
僕はユアが大好きで愛してるから、
ユアを傷つけるやつは全員敵だ。

ユアを護るためなら
たとえどんなことでもする。
たとえ刺し違えても敵はツブす」





「ありがとう」





私はなぜか反射的に
お礼を言ってしまった。





でも、口からでまかせじゃない、





心の底からスルッと
言葉が出てきた。





「ユアのすべて、
なんでもかんでも欲しい。
その代わり、ユアに降りかかる
すべての苦しみからは
なにがなんでも僕が護る」





ミサキが
まっすくな目で言った。





「ねえ、愛してるって
もう1回言ってみて」





「愛してるよ」





「私も、愛してるよ」







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

工藤 唯愛が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!