あと、1ピースのパズルを埋めて。
作者:紗江
―――『パズル』
それは、1ピースでもなくしたら、
完成できない。
恋だって同じ。
もし、あなたがいなくなったら
私はどうなっちゃうんだろう。―――――
*・・・*・・・*
こんにちは!
私は、ニコラ高1年の
ハナです!
私はいま、恋をして・・・・・
・・・・・・・・
いません。
残念ながら。
だけど、初恋だったら、
しています。
いまでもその相手が
忘れられない。
あれ?
これって、
恋・・・・なのか?
・・・・・・・そっか。
これは、恋なんだ。
やっぱり私、恋してます!
・。・。・。 中学2年 ・。・。・。
ハナ「やっば!
遅刻しちゃうー!」
ハナ「お母さん、
行ってきます!」
やばい、やばい、
やばーい!
早く走らなきゃ!
遅れちゃう!
ハナ「きゃぁ!」
――――――――――ズコッ!
ハナ「痛っ・・・・」
小石につまずいて、
こけてしまった。
ハナ「痛ぁー!
もうなんでこんなときにー!」
?「あんた、だいじょうぶ?」
ハナ「え?
あっ、だいじょうぶです!
すみません!」
?「それ、
だいじょうぶじゃねぇだろ。
ほら、俺につかまれよ」
ハナ「え?」
?「ほら、手!」
ハナ「あっ! はい!」
ぎゅっ・・・
ドキドキする・・・
男の人と手つなぐの
初めて・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
?「おい、学校ついた」
ハナ「ありがとうございました。
もう、ここでいいですよ」
?「歩けるのか?
保健室まで」
ハナ「多分だいじょうぶです。
近いですし」
?「そっか。
じゃ、俺行く。
じゃーな」
ハナ「ちょっと待って!
名前は?」
?「久野ナツ!
3年。あんたは?」
ハナ「ハナです!」
ナツ「ハナか!」
ハナ「今日は本当に
ありがとうございました!」
ナツ(前を向きながら、手を後ろにふる)
ナツくんか・・・
でも、中学3年
だったなんてなぁ・・・
私より年上なんだ・・・
・。・。・。 今 。・。・。・
今でも、そのナツくんが
忘れられない。
あれから、
1度も会えなかった。
ナツくん、
いまどこにいるの?
会いたいよ・・・
もう、どこの高校かも
わからないし、
どこにいるかも
わからなかったから、
探せなかった。
ナツくん、
会いたい・・・
このままずっと
会えないのかな・・・?
まるで、
1個のパズルを
なくしたみたい・・・
・。・。・。 日曜日 。・。・。・。
ハナ「お母さんに
買い物頼まれちゃったー。
私、読書したかったのになぁ・・・」
?「あれ?
ハナじゃん!」
ハナ「え?」
ハナ「あ!
ナ、ナツくん!」
うそ・・・・
ナツくんが・・・
ナツ「久しぶりだな!
ハナ!」
ハナ「どーして?
どうして、ナツくんが?」
ナツ「中学のメンツで
遊びにきてんだよ」
ハナ「へぇー!」
ナツ「ハナって、
いまどこの高校なの?」
ハナ「ニコラ高」
ナツ「ニコラ高だったのか・・・」
ハナ「え?
ナツくんは?」
ナツ「俺は、
ニコ高だからさ」
そうだったんだ・・・
ちょっと遠い高校だから、
なかなか会えなかったんだ・・・
ナツ「せっかく会ったんだし、
どっかで話そうよ」
ハナ「はい!」
・。・。・。 カフェ 。・。・。・。・。
ナツ「ハナ、
久しぶりに会ったら、
なんか大人っぽくなったな!」
ハナ「そお?
変わらないけど」
ナツくんを想う気もちも。
ナツ「あの・・・さ、
俺、ハナのこと好きだ」
ハナ「え? 好き!?」
ナツ「初めて会ったとき、
ひとめぼれっつーか」
ハナ「あっ、えーと・・・」
ナツ「無理に
返事しなくていいよ。
急だったから」
ハナ「いや、いま言う。
・・・・・・・・・・私も好き!」
ナツ「うぉ!」
ハナ「・・・・忘れられませんでした。
ナツくんのことが。
毎日、どこにいるんだろうって。
すごく会いたかった」
ナツ「マジで!?
じゃあ、つきあってくれるか?」
ハナ「はいっ!」
やっと、ピースの1つが
埋まりました。
これで、2人の愛を描く
パズルができた。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。