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タイムスリップ・ラブ

CAST工藤 唯愛工藤 唯愛

作者:とも

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.06.28

私は、ユア。
ごく普通の高校1年生。





特にとりえはない。





でもなぜか昔から
困ってる人を見ると
ほっとけない。





今日も学校からの帰り道、
ひとりで泣いてる迷子を
見つけたから、一緒に
お母さんを探してあげた。





その日の夜、
私は夢を見た。





「おめでとうございまーす」





白い服を着た天使のような
かわいい女の子が
私にほほえみかけた。





「あなた誰?」





私は、とまどった。





「私はハルハ。天使です。
あなたは100ポイント貯まったので
プレゼントをさしあげます」





ハルハは
ニコニコ顔で言った。





「ポイント?
買い物したら貯まるやつ?」





私は、首をかしげた。





「善い行いをすればポイントが増え、
悪い行いをすればポイントが減ります。
あなたは良いことをいっぱいしたので
100ポイント貯まりました!」





ハルハは
楽しそうに言った。





「ありがとう。
プレゼントって、何をくれるの?」





ハルハのかわいい笑顔を見てると
私まで楽しくなってきた。





「金持ちになれる、異性にモテる、
空を飛べる、透明になれるなどなど
特殊能力のプレゼントです」





ハルハが
にこやかな口調で言った。





「すごいじゃん。
どれにしようかな」





私は、ウキウキしながら言った。





「残念ながら、どれになるかは
ルーレットで決まります。
それでは回しますよー」





ハルハがルーレットを取り出して
クルクル回し始めた。





「ユア様へのプレゼント、
それは・・・
『1時間だけ時間をもどせる能力』に
決まりました!」





ハルハが楽しそうに言った。





「うん、思ったよりショボいけど
なんでもいいよ」





私は、苦笑いして言った。





「1回しか使えない能力なので
よく考えて使ってくださいねー」









───────────────
──────────
───

ハルハの声が遠くなり、
私は目が覚めた。





「なんだ夢か・・・」





私はベッドの上で
背伸びをした。





私は朝食を食べて、
着替えて学校に向かった。





「おはよう」





私は下駄箱で
同じクラスのミサキを
見つけた。





サッカー部の
エースストライカーでもあるミサキは
私の片思い中の相手だ。





一度だけ告白したこともあるけど
玉砕した。





「おはよう」





ミサキは爽やかな笑顔で
あいさつしてくれた。





「時間をもどせるとしたらどうする?」





私はミサキに聞いてみた。





「好きな人を傷つける前に
もどりたいかな」





ミサキはポツリと言った。





私はミサキにも
好きな人がいるんだな、と思って
胸の奥がキリキリと痛んだ。





次の日、ミサキは
登校中に交通事故にあい、
病院に運ばれた。





足をケガしたらしい。





私は大あわてで
病院に向かった。





サッカーがもう
できなくなるかもしれない、





病院のベッドの上でそう悲しそうに
つぶやいたミサキを見て、
私は決心した。





「だいじょうぶ、まだ間に合う。
事故から1時間も経ってないから」





私は、ミサキの手を握った。





「お願い。1時間もどして。
この願いさえ叶えてくれたら
他にはもう何もいらないから」





私は、ハルハに通じるように
お願いした。





「本当にもどってる」





気がつくと私は
自分の部屋のベッドの上にいた。





急いで家を出ると
ミサキが通るはずの
事故現場に向かった。





現場に着くと、しばらくして
自転車に乗ったミサキがやって来た。





「おはよう!」





私はミサキに
大きな声で話しかけた。





「お、おはよう。
どうしてここに?」





ミサキは
少し驚いたように言った。





ミサキの自転車を止めて
事故を回避することに成功したので、
私はもう満足だった。





「なんでもない、じゃあね」





私は、ミサキに手を振った。





「ちょっと待って。
俺は、ユアのことが好きだ!」





ミサキは
ハッキリとした声で言った。





「え?」





私は、目を丸くした。





「この前ユアから告白してくれたときは、
まだ俺がユアにふさわしい男に
なれてないと思って、断った。
あのときは、傷つけてごめん。
ユアは誰にでも親切でやさしい。
そんなユアが大好きだ。
俺はまだまだだけど
ユアにふさわしい男になれるように
がんばるから、つきあってほしい!」





ミサキは
真剣な眼差しで言った。





「ねえ、時間をもどせるとしたら
どうする?」





私はミサキに聞いた。





「何度でも言うよ、
ユアが大好きだって」





ミサキは私の手を握った。





「時間はもうもどせないんだ。
だからこの先の未来で
ずっと聞かせてね、
私のことが大好きだって」





私はミサキの手を握り返した。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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