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CAST工藤 唯愛工藤 唯愛

作者:とも

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.06.12

私は、ユア。





ごく普通の高校生、のはずが・・・





道行く人の頭の上に
数字が見える。





0から100までの
赤色の小さな数字が
浮かんで見える。





初めて恋をした日から
こうなった。





中学生のときに
同じクラスの男子に告白されて、
なりゆきでつきあったけど、





どうも話が合わなくて
3ヶ月で別れた。





そのときの相手の頭の上に
数字が浮かんでいた。





日によって
多少変動はあるけど、
だいたい20~30くらい。





それから誰に対しても
頭の上に数字が
見えるようになった。





知らない人はだいたい0で、
両親は100で、
担任の先生は50で、
友達は20~80とバラバラ。





いったいなんの
数字なんだろう。





両親以外では
幼なじみのミサキが
1番数値が高い。





いつも決まって
100が浮かんでいる。





ミサキは
同じクラスでもあるけど
全然目立たない。





私にとっても
空気のような存在だ。





他にも私の身には
小さい頃から不思議なことが
いろいろ起こる。





傘を忘れた日には
下駄箱に折りたたみ傘が
入ってたり、





お弁当を忘れた日には
引き出しにクッキーが
入ってたりした。





小学生のときだけど
宿題を忘れて
先生に怒られて
落ちこんでた日には、





きれいな花が、下駄箱に
置いてあったりした。





だから私には
神様がついているのかもしれない、
と本気で思ってたりする。





自分で言うのは
恥ずかしいけれど、
私は顔は結構かわいい。





だから、告白されたことは
何回かある。





でも、それでつきあっても
上手くいかない。





つきあうといろいろ
求められたり、





会話と言えば、自慢話ばかり
聞かされたりして疲れる。





だから、誰とも
長続きしたことがない。





一緒にいるなら
ミサキがやっぱり1番楽かな。





気をつかわなくていいし。





家が隣近所ということもあり、
私はミサキとよく
一緒に登校していた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





ある日の雨の日、





スリップした車が
私たちの方に突っこんできて、





私をかばったミサキが
ケガをして病院に運ばれた。





幸いミサキは軽傷だったし
私は無傷だった。





でも、ミサキが私をかばった瞬間、
ミサキの頭の上の数字が
120まで上がって消えた。





それから誰に対しても
数字が見えない。





病院の待合室で
手当てを終えたミサキに
私は声をかけた。





「もしかして、私のこと好き?」





もしかしたら、だけど。





あの数字って
「私を愛してる度」かな。





「好きだよ。
というか、愛してる。
ずーっとユアのこと見守ってた。
ユアが怖い思いや悲しい思いや
寂しい思いをしないように。
ユアさえ幸せでいてくれたら
僕は他に何もいらない」





ミサキは、彼にしてはめずらしく
ハッキリとした口調で言った。





「ありがとう」





私はもう数字が
見えなくなってもよかった。





絶対にもう見失わない。





私を本当に
愛してくれてる人のことを。





そして私もミサキを
大切にしようと思った。





「あ、120。
いつも10くらいなのに」





ミサキが私を見て
驚いたように言った。





「え?」





「僕は、数字が見えるんだ。
たぶん自分のことを
愛してくれてる人ほど
数値が高い。
でも、消えちゃった。
おかしいな」





ミサキが頭をかいた。





「それはもう
必要ないからでしょ。
愛ならここにあるから」





私は、ミサキの手を握った。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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