余命１ヶ月の彼女

CAST八神遼介

作者：三代目☆OMI

2025.06.30

空を見上げ、
雲１つない青空の中、
俺は、お前の顔が頭に浮かぶ。

素直なココロと
純粋なヒトミ。

笑顔が素敵で
明るくて前向きで・・・

・・・あ、俺の名前は
八神リョウスケ、

ニコラ学園高校に通う
高校２年。

さっき言った
彼女って言うのは
俺の彼女だった、
ニコラ学園に行ってた、
中学３年の松尾そのま。

俺の忘れられない彼女、
忘れたくない彼女・・・

あのとき、俺とそのまには
もう一緒にいれる時間がなかった。

・・・・　１年前　・・・・

リョウスケ「おい！　早く帰るぞ！」

そのま「はーい！
ちょっと待っててー！」

そのま「お待たせ！
行こ行こ！」

一見そのまには
変わりはないが、

生まれつき病気を持ってて
いまも毎月定期的に
検査をしている。

今日は検査の日で
病院の待合室で
そのまのことを待っていた。

・・・今回も平気だ、と
俺は安心していた。

でも、待っても待っても
そのまは来ない。

いつもは異常がないと、
うれしそうに
かけよって来て喜んでるのに・・・

・・・やっとそのまが来たと思ったら
下を向いて、
暗い顔をしていた。

絶対、何かあったんだな・・・

医者に別室に案内されて、
レントゲン写真など
色々見せられた、そのあと。

医師「そのまさんの病気が
再発しています」

リョウスケ「・・・再発・・・
これからがんばって行かなきゃな」

そう言った瞬間、
その後の医者の言葉は
いまでも忘れてはいない。

医師「余命が・・・
１ヶ月になります」

えっ・・・っ、

いまなんて・・・

俺は思わずそのまを抱き寄せた。

・・・・　帰り道　・・・・

そのま「・・・再発しちゃったね・・・
余命１ヶ月だって」

リョウスケ「うん・・・
がんばって行こう・・・」

そう言うと、

そのま「ウチ、リョウスケと居て
毎日が楽しかった。
いくら辛くても一緒にいるときは
忘れられた。
リョウスケの笑顔は誰でも幸せに出来る。
だから、ウチみたいな人じゃなくて
もっとリョウスケに合う人見つけてね。
いままでありがとう。・・・別れよう」

リョウスケ「なに言ってんだよ！
俺は、そのまがいんだよ！
そのまといれば、
めっちゃ笑顔になれる、
俺の笑顔は、そのまが居るから
出来るんだよ！」

そのま「リョウスケ・・・
ウチ、迷惑かと思ってた。
病気のせいで遠くにも出かけられないし、
もうイヤになってると思ってた」

リョウスケ「迷惑なんて思うわけない！
俺は、そのまだけだから・・・
だから、たとえ一緒にいれる時間が短くても
これから色んなトコに行って
たくさん思い出作って、楽しく過ごそう！」

＊・＊・・・＊・・・＊・＊

その日から、俺たちは
土曜日は遊園地、
明日はショッピングなど
予定を決めて行った。

今日は、遊園地！

そのまは病気の関係で
乗れるアトラクションが
限られるけど、

メリーゴーランドとか
コーヒーカップ！

最後は、カップルと言えば
観覧車！

めっちゃ楽しかったなあー！

次の日は、水族館！

小っちゃい魚から
めっちゃデカイ魚まで！

エサあげたり
色んな体験した！

そのまと居て
ホントに楽しいって
改めて感じた！

次は、旅行！

なんと、ユニバーサルスタジオジャパン！
ＵＳＪ!!!

たくさん、思い出作った!!

そのまも、『めっちゃ楽しかった！』って
言ってくれたんだ！

＊・＊・・・＊・・・＊・＊

こうして１ヶ月間
俺たちは最高の思い出が作れた。

それから・・・２週間後、
そのまは最後まで笑顔で
天国へ旅立った。

俺は、この思い出を
一生忘れない。

そのまと出会った日のこと、

ケンカした日のこと・・・

全てを俺の宝物にしよう。

俺の横にはそのまはいない、

そのまの横にも俺はいない。

たとえ大事な人がそばに居なくても
隣にいなくても

きっとそのまは、隣にいる。

大切な彼女、１番の彼女。

俺の世界一の彼女は
いまでも、ずっと隣に居る。

＊ＥＮＤ＊