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赤い糸を描く

CAST白尾 留菜白尾 留菜

作者:トータス

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.06.28

教室の中でひとり、





自分でもよくわかる。





私、白尾ルナ。
ひとりが好きなわけじゃない。





でも、いつの間にか、
またひとりになっていた。











*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・





私は、絵を描くことが好き。





美術部に入って
いつも納得がいくまで、
絵を描いている。















*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・





「キモい」





いきなり言われたその言葉は、
暗い色をしていた。





またここでも、
ひとりになるのだと
その瞬間思った。















*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・





今日も、ひそひそ話が聞こえる。





嫌なのに
耳に入ってくる。





どうやらみんなは、
私の描く絵が嫌らしい。





でも、自分のやりたいことが
できない位なら、
ひとりの方がずっといい。















*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・



いじめられているわけじゃない、





傷ついているわけでもない。





なのに、なんでこんなに
重い鎖のような物が
私の心に巻きついているんだろう。















*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・



こんな私にも、
想いをよせる人がいる。





北島岬。





ラグビー部所属。





クラスの中心的存在で
人気者な岬君は、





私のことなんて
なんとも思ってないだろう。





思っているなら、
きっと「キモいやつ」
などだろう。















・*。・ 放課後 ・。*・





手についた油絵の具が
自分の顔につく。





教室から見える
ラグビー部の練習は、
気がつくとみている。





岬君だけを目で追って・・・・・





ルナ「かっこいいな、、、、」





ハッッと気がつくと、
岬君がこっちを見てる。





岬「おーーーーい、白尾さーーーん」





ルナ「えっ!」





隠れちゃった、、、、、





せっかく
声かけてくれたのに。















・*。・ 朝 教室 ・。*・





ルナ「昨日のこと
あやまったほうがいいかな、、、」





岬「白尾さん
昨日どうしたの?」





ルナ「えっ、あっ、あの・・・」





聞こえる、





小さな話声が、





たくさん集まって
襲いかかって来るみたい・・・





岬「ん?」





ルナ「別に何もないよ」





岬「そっか」





話が終わった後、
きこえなくなった小さな声に
ほっとしつつも、
心の底が少し冷たい。















・*。・ ホームルーム ・。*・





先生「今日は、昨日言ったように
学級代表を決めるぞ。
立候補や推薦はあるか」





女子「はーい。
白尾さんがいいと思いまーす」





女子「それマジ賛成!!」





ルナ「無理です!!
出来ません・・・」





女子「はぁ?
岬と会う時間あんならやれよ」





先生「うるさいぞ、あと男子ひとり」





岬「はい」





先生「何だ?」





岬「立候補します」





女子「えっ、マジ!?」





岬「でも、言わせてください」





先生「何だ?」





岬「白尾さんは、毎日美術部の部室で
最後のひとりになっても
一生懸命、絵を描いています」





女子「でもさ、、」





岬「だから、白尾さんに
押しつけないで下さい」





女子「えっ、別に
押しつけてるわけじゃ・・・・」





先生「そうか、押しつけようとして
悪かったな」





ルナ「いっ、いえ、、、」





先生「でも北島、
おまえはラグビー部の監督に
学級委員にさせないよう
頼まれているから、ダメだ」





みんな「ハハハハハハハ!!!!」















・*。・ 昼休み 教室 ・。*・





ルナ「岬君!」





岬「ん?」





ルナ「ありがとうっっ!!」





岬「あっ! ちょっと来て!」





ルナ「えっ、なに?」





岬「白尾さん、いつも一生懸命で・・・・
いいなって思い、あっ、思ってました。
で、あのその」





ルナ「わっ私も、
いつも岬君が輝いて見えて・・・」





岬「あの、、えっと」





ルナ「うんっと、、、」





岬&ルナ「好きです!!!!」





岬&ルナ「あっ!」





岬&ルナ「ハハハハハハハ!!!!」





岬「放課後、美術室に忘れ物して
取りに行ったとき、
白尾さんの真剣な眼差しの先の絵を見て、
すごいなって。
何より、そのとき、白尾さんに
一目惚れしました」





ルナ「私は、勢いで言っちゃったけど、
岬君のみんなにやさしいところとか、
一生懸命ラグビーをやっているところとかが、、
好・・・・きです」





岬「なんか変な感じだね」





ルナ「うん、そうだね!」















*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・





私に恋を教えてくれた。





私に大切なものをくれた。





そんな岬は、いま世界中で
プレーをするラグビー選手です。





そして私は、画家になりました。





私と岬は、私が描く赤い糸で
いまも結ばれています。







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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