脇役失格

CAST崎浜 梨瑚

作者：青春now♪

2025.05.07

・・・３年Ａ組、教室





こんにちは！
リコです！





ガラガラッ・・・





そのま「リョウ！　おはよー」





リョウ「よぉ、そのま。はよー」





この人は、黒澤リョウ。
私の好きな人。





でも、リョウは、
さっきあいさつしたそのまちゃんが
好きなんだと思う。





私はこうして、
見てるだけ・・・





そう。
私は、脇役だった。





リョウを見て、
ボーッとしてると・・・





バン！





いきなり、背中をたたかれた。





ダイジ「何、ボーッと
してるんだよ！」





リコ「いったー！
背中、叩かないでよ！
ダイジ！」





ダイジは、
アッカンベーだけすると、
逃げてった。





彼は、松瀬ダイジ。
幼なじみだ。





リリ「リコ！　おはよー！
ダイジと、いい感じだね」





リコ「リリー！
いい感じじゃ、ないし！」





リリ「そっかぁ～。
あんたには、リョウ君が
いるもんねー笑」





リコ「うるさいー！照」





それだけ言うと、
いってしまった。





彼女は、中瀬リリ。
私の自慢の親友。





先生「座ってー！
今日は、席替えをします！」





と言って、
紙を黒板に貼っていく。





席を探していると・・・





リョウ「リコちゃん！
隣、よろしくね！」





リコ「うん！」





私は、喜んだ。





そのまちゃんに、
気づかれないように・・・















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





・・・昼休み





リリ「リョウ君と隣、よかったね！」





リコ「うん！
そのまちゃんの視線が、
痛かったけど・・・」





リリ「気にすんな！
てか、もーすぐ花火大会だね！」





リコ「うん・・・」





リリ「仲よくなって、
リョウ君と、一緒に行ったら？」





リコ「無理でしょ～。
こんな脇役（笑）」





リリ「脇役が主役になっても、
いいと思うけどな～！」





リコ「えー・・・
がんばってみようかな・・・」





リリ「分かったよ～」















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





放課後・・・





リョウ「リコちゃん！
バイバイ！」





リコ「リョウ君！
バイバイ！」





リョウ君に、あいさつされた～。
うれし～！





リコ「ダイジ、バイバイ！」





ダイジ「・・・おう」





あれ？
ダイジ、不機嫌だった？





ま、いーや！















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





・・・翌日





そのま「リコちゃん！
昼休み、校舎裏に来てくれる？」





リコ「・・・うん」





リリ「おはよ。
どーしたの？」





リコ「なんでもない・・・」





リリ「何かあったら、言えよ！」





リコ「ありがと。リリ」





リコ「あっ！　ダイジ！
おはよー」





ダイジ「・・・・・・・・・・・・はよ」





あれ？
いつもと違・・・くないか！





気のせいだ、きっと！





リョウ「リコちゃん！
おはよ！」





リコ「リョウ君！　おはよー」





私はそっからずっと、
リョウ君と話していたので、
ダイジのことは、考えなかった。















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





・・・昼休み





私は、リリの誘いを断って、
校舎裏に来ていた。





そのま「リコちゃん！
来てくれたんだ！
うれしー！」





リコ「・・・・・・・・・・・・・・・」





そのま「いきなりだけど、
私と席、替わってくんない？」





リコ「なんで？」





そのま「は？　そんなの、
リョウ君が好きだからに
決まってんじゃん！
・・・それとも、リョウ君が
好きなの？」





そんなこと言われたら・・・





リコ「・・・・・・・・・うん」





と、言うしかなかった。







そのとき・・・





リョウ「そのま！
いまさら、卑怯だぞ！」





そのま「リョウ君・・・
みんな、行こっ・・・」





とだけ言うと、
行ってしまった。





リコ「リョウ君・・・ありがと」





リョウ「いーえ。教室戻ろ」





リコ「うん！」





そっから、私とリョウの仲は
すごい深まった。





ダイジとは一言も
言葉を交わさないまま・・・・・・















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





そして、あれから３週間・・・





リコ「リョウって、花火大会、
誰かと行くの？」





リョウ「特にないかな・・・
リコは？」





リコ「ないよー」





リョウ「じゃ、一緒に行かね？」





リコ「うん///」















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





昼休み・・・





リリ「よかったねー！」





リコ「うん！」





リリ「そー言えば、
ダイジの気もちは、
気づいてるの？」





リコ「???」





リリが言った言葉の意味を、
放課後に、知ることになるんだ・・・・・・・・・















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





放課後・・・・・・・・・





ダイジ「リコ。ちょっといい？」





リコ「う・・・うん」





そー言って、屋上に
連れて行かれた。





ダイジ「俺さ、リコのこと、
好きみたいだ。
よかったら、つきあって欲しい」





リコ「・・・・・・ごめん。
私、リョウが好きだから」





ダイジ「やっぱ、そーか。
困らして、ごめんな。
花火大会、ガンバ」





リコ「・・・・・・ありがと。
ダイジ、大好き」















＊．．．．＊．．．．＊．．．．＊





花火大会の日・・・・・・





浴衣で来た。
リョウに、想いを伝えに。





リョウ「ごめん！　待った？
・・・・・・っ///」





リコ「だいじょうぶ！　どーしたの？」





リョウ「浴衣姿、かわいいなーって、
思って・・・・・・///」





リコ「ありがと・・・///」





リョウ「じゃ、行こっか」





そっから私たちは会話をしながら、
花火が上がるまで、
リンゴ飴を買って、待っていた。





すると・・・・・・





バーン、バンバン





花火が、上がった。





それと同時に、
リョウが、何かしゃべる。





リョウ「きだ・・・リコが、好きだ」





リコ「ほんと・・・？」





リョウ「よかったら、
つきあって欲しい」





リコ「喜んで///」





そこから私たちは、
花火があがるのを、
手を繋ぎながら、見ていた。





私、脇役失格だなーと、
思いながら。







ＥＮＤ＊

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

崎浜 梨瑚

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