スタートはここから。
作者:つむLIN#
思えば・・・
あいつとのスタートは、
いつもここからだった・・・
イルマ「リリカ、おはよ!」
リリカ「おはよー」
どーも。
私、リリカです。
いま、爽やかにあいさつしたコイツは
安藤イルマ。
中1のときに
家の隣に引っ越してきて、
2年たったいまでは
毎朝一緒にこうして登校する仲。
イルマ「リリカ、お前今日は早ーな。
いつも爆発頭で
飛び出して来るくせにww」
リリカ「うっさいなー。
てか、イルマが早すぎんの」
イルマ「それはすみませんでした~」
そう言うと、イルマは
目を一点に止めた。
見つめた先には、
もうすぐ咲きそうな桜のつぼみ。
私は、2年前のあの日を
思い出した・・・・・・
・*。・ 2年前 ・。*・
私は、咲きそうな桜のつぼみの下で
泣いていた。
大好きだった心友のクルミが、
中学入学直前で
転校してしまったのだ。
今でもまだ
つらいくらいだ。
さびしくて、
泣いてないて・・・・・・
そのときだった。
「だいじょうぶ?」
誰かが声をかけてくれた。
リリカ「えっ?」
イルマ「あの・・・
キミ、だいじょうぶ?
えっと、泣いてたから」
実は、それがアイツとの
はじめまして。
つまり『スタート』ってわけで。
泣きじゃくってた私に
声をかけてくれたことが
うれしくって。
リリカ「キミ、誰?」
イルマ「僕は今日ここに引っ越してきた
イルマです。
来週からニコ学に入学することに
なってるんだけど・・・」
イルマ君・・・か・・・・・・・・・
リリカ「えっと、私はリリカ。
イルマ君と同じニコ学だよ。
よかったら、案内しようか?」
イルマ「リリカちゃん・・・・・・
ありがとう」
その後、
ニコ学までの道を案内し、
すっかり日がくれて帰りのとき・・・・・・・・・
イルマ「リリカちゃん、
今日は色々とありがとう」
リリカ「こちらこそ。
なぐさめてくれてありがとう。
中学、楽しみだね」
そして帰り道、
私はあることに気づいた。
リリカ「じゃあ、うちここだから」
イルマ「僕の家、こっち・・・・・・
隣だね!」
リリカ「じゃあ、
これからご近所さんだね!
私のこと、タメ口でいいから。
リリカって呼んで」
イルマ「俺もイルマでいいから。
じゃあ」
リリカ「うん。バイバイ」
こうして、アイツと私は
いまではこんな仲。
実は私、
イルマが好きなんです・・・・・・
ヤバッ。
そんなわけない。
アイツはただのご近所さん。
そんなこんなで
今日も登校した・・・・・・
・*。・ 3週間後 ・。*・
先生「今日は転校生を紹介する。
来い、泉」
入って来たのは・・・・・・
ユノ「泉ユノです。
今日からよろしくお願いします!」
美人だ。
背も高くて足も細い。
モデルさんみたい・・・・・・
先生「席は、安藤の隣だな。
安藤、泉を頼むぞ」
ユノ「安藤君、よろしくね」
イルマ「ユノちゃん、よろしくね」
仲よさそう・・・・・・
いいな・・・
でも、私は近所だし
いつでも会えるもん!
ユノ「安藤君、
今日一緒に帰らない?」
イルマ「いいよ。リリカも!
行こーぜ!」
リリカ「うん」
ユノ(・・・・・・)
そして今日は
ユノちゃんと一緒に帰った。
でも、イルマとユノちゃんが
お似合いに見えたんだ・・・(泣
・*。・ 2日後 ・。*・
ユノ「リリカさん、
ちょっといい?」
リリカ「うん」
なんだろう?
なんかイヤな予感がする・・・・・・
ユノ「あのさ、何?
安藤君とご近所さんだからって
ちょーしのんないでもらえる?」
リリカ「えっ?
私は何も・・・・・・」
ユノ「とぼけないで?
おととい安藤君に帰るのさそったら
うれしそうによってきたクセに」
リリカ「あれは
イルマが誘ったから・・・・・・」
ユノ「ふざけないで!
とにかくもう安藤君と関わらないで!」
リリカ「ごめん・・・・・・」
やっぱりユノちゃん、
イルマが好きなんだ。
イルマ、一応イケメンだし
ユノちゃんの方がお似合いだよね・・・・・・
もうイヤだ。
私やっぱりイルマが
好きだったんだ。
私のバカバカバカ。
でも・・・・・・・・・・・・
やっぱアイツとは
『ご近所さん』の関係。
カレカノなんてありえない。
考えるほど悲しかった。
もうこの場所にいるのがイヤ・・・
その場から逃げようとした
そのとき。
リリカ「イル・・・マ?」
イルマの腕が私を止めた。
ってこれ・・・
腕ゴールデンテープ!?
イルマ「なんかこの辺歩いてたら
騒がしかったから。
リリカ、悪いな。
俺があのときみたいに守んなきゃな」
リリカ「イルマ・・・」
イルマ「ユノちゃん、
もうリリカを
いじめないでくれるかな?
俺、コイツの彼氏だから」
リリカ「えっ?」
イルマ「行くぞ!」
リリカ「ユノちゃん、ごめんなさい」
ユノ「・・・・・・・・・フンッ」
そう言い残して
この場を去っていった・・・・・・・・・
こうして私たちは
晴れてカレカノになった。
ご近所さんじゃなく、ね。
あのときのアイツの
勇気に気もちに。
私は正直になれたから・・・・・・・・・
・*。・ 1年後 ・。*・
イルマ「リリカ、おはよ!」
リリカ「おはよー」
高1になった私たちは、
いまでもつきあってる。
1年前のこの時期は
つぼみだったあの桜。
リリカ「今年はどうかな?」
あっ。つい出ちゃった。
イルマ「桜だろ?」
リリカ「わかってたの?」
イルマ「あたりめーだろ。
今年は早いな」
リリカ「ん?」
見上げるとそこには
大きな花を咲かせた桜の木。
イルマ「俺らみてーだなw」
リリカ「何が!?」
こうして私たちは
今年もこの桜の下で
『スタート』したんだ・・・・・・
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
梨里花

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