俺とお前。

CAST黒澤諒

作者：ぴーこ＆りーこ

2025.02.18

「くろさ！」

すれ違ったらお前は
俺の名前を呼ぶ。

「ぢゃーな・・・」

手をふりながら
照れた顔で言う。

俺、黒澤リョウ。

好きな人も
気になってる子もいない。

それと違って、男子からモテて
彼氏がいるというウワサが
ながれている青山ヒメノ。

青山は俺が廊下を通るたびに、
「くろさ！」って呼んでくる。

「くろさ」は
黒澤の略らしい。

くろさって呼んでくるのは
青山くらい。

なんか特別なかんじがする。

「リョウー。
今日の体育なんだっけ？」

中学で仲良くなった
松瀬ダイジ。

「ダイジ！　お前そろそろ
時間割見てこいよっ！」

「忘れちまった・・・！笑」

いつもダイジは
こんなかんじ。

宿題とかも
俺が教えてるんだ！

「今日の体育は、
んー・・・なんだっけ？」

「お前も忘れたのかよ！」

「忘れちまったぁー！笑」

「て、いうかさ、
リョウのこと呼んでくる子
なんだっけ？　名前」

青山のことか？

「あぁ～。
青山ヒメノ・・・？
だっけ」

「あー！　そうそう！
あの子ぜったい、
お前のこと好きだよな！」

やっぱり？
俺も実は思ってた。笑

「そーか？」

わざと知らないふり。

「あ、くろさ！」

青山・・・

「ぢゃーな・・・」

「何か元気なくない？」

彼氏いるのに、俺なんかに
話しかけていいのか？

「べ、別に・・・」

「くろさ、冷たいなっー」

ちげぇよ。

お前ことがかっ、か、かわ・・・

心の中で思った。

でも、心の中でも
言えなかった。

「お前のことがかわいすぎて
顔が見れないんだよ」って。

「・・・・」

おれは黙った。

「ま、いいや。じゃーね！」

でも青山は
元気がない俺にも
明るくふるまってくれた。

＊ヒメノside＊

「ねぇ、ぜったい黒澤
ヒメノのこと好きだよ」

私の友達が言った。
松田ミユウ。

「え、なんで？」

「だって、私、
黒澤と同じ小学校だったけど、
私がバイバイって言っても
『はぁ？』って、にらまれたもん！」

くろさのそんな顔
見たことないな・・・！

「まじー?!」

ちょっと
見てみたいかも。。。笑

「ま、ヒメノは
黒澤好きだからね」

///////

＊リョウside＊

「なぁ、ダイジ。
俺、青山のこと好きかも」

って、何言ってんだっ！

「俺、応援するぞっ！」

「・・・・・・・・・」

告白・・・
告白・・・

した方がいいのか？

そして、今日も
俺の名前を呼ぶ。

「くろさ！」

「よう・・・
青山、ちょっと来て？」

よし！　決めた！

「え？　いいよ！」

－　階段　－

「青山」

「なぁに？」

「好き」

「??　意味わかんない」

「だから好き」

「・・・・・・・・」

沈黙が続くなか
俺は言った。

「青山は俺のこと嫌い？」

「・・・・・・・」

「答えて・・・？」

「・・・分かんない」

なんだよ・・・
「分かんない」って。

「俺のこと好きだから
いつも名前
呼んでるんじゃないの？」

「そうだけど・・・」

「そうだけど何？」

彼氏？

「好きだけど・・・
まだ彼氏と別れてない・・・」

ドンッ！

chu

そして何回も唇を重ねた。

chu

ヒメノの口は温かった。

chu

「んんっ・・・
んッ・・・」

chu

「つきあってもないのに
辞めて！」

「いいじゃん」

chu

「・・・もう、リョウなんか
大っっ嫌いッ――///」

「俺はヒメノのこと
大好きだけどねー？」

「もうッ！」

chu

＊ＥＮＤ＊