親友と私とあの人

CAST国本姫万里

作者：デイジースター

2025.02.12

私の名前は､国本ヒマリ。
今は大学に通ってるの。

隣のこの子は親友の
星乃アンナ。

「最近、留学生来たらしいよ！
それに編入してきた子も
いるって！」

「へー」

あんまり興味はない。
今は勉強一筋。

「ほら、あの２人。
なんか、中学の同級生
だったんだって！」

「・・・！」

その２人の名前を
私は知っていた。

留学生は、ユアン。

隣の編入生の名は
星名ハルハ。

＊中学３年の春＊

一目惚れだった。

落としたハンカチを
拾ってくれただけ。

ありがとうの一言も
出てこなかった。

ユアンの笑顔が
忘れられなかった。

ハルハは席が近くて
同じ部活だったから
仲よくなった。

大会でミスしても
フォローしてくれたのは
いつもハルハだった。

私たちは親友になった。

受験モードになっても
ユアンを忘れられなかった。

「国本！
これユアンに
わたしといて！」

ユアン？　誰だっけ？

「ハルハー、ユアンって誰？」

「ユアンだよー、
サッカー部の」

あの人だ。

そのクラスに、彼はいた。

「ありがと」

その一言を残し
戻っていった。

・・・・・・・・・・

それから数ヶ月後。

ユアンと
話せるようになった。

顔みしりと男友だちの
あいだみたいな関係。

「もうすぐバレンタインだねー」

ハルハの一言で思い出した。

私はバレンタインに
告白することを決めた。

＊バレンタイン＊

公園に呼びだした。

「あ、もういるんだ」

ベンチにすわっていた。

私は約束の１０分前に来た。

そんなに前から待たせて
申し訳ない。

「ごめん、待った？」

そういって
やってきたのは・・・

ハルハだった。

「話って、なんだよ？」

「ユアンのこと好きなの」

ハルハはそう言った。

「ありがとう。
俺もハルハのこと好きだよ」

彼はほほ笑んだ。

「国本・・・」

「ヒマリ？
なんでいるの？」

２人は驚いている。

「シャノンに
チョコわたしに行くの」

とっさに嘘をついた。

「そっか。
私行かなきゃ。
じゃあね」

ハルハは去っていった。

「国本、嘘つくの下手だな」

「なんで？」

「それ、シャノン用じゃ
ないだろ？」

バレた。

すぐ中の手紙をとり、
チョコをわたした。

「これ。
いつもお世話になってるから」

本当は本命だったのに。

帰り道、涙が目から
こぼれ落ちた。

私は前に姉から
こんな言葉を聞いた。

I love you.
You love my best friend.

私はあなたが大好き。
あなたは私の親友が好き―――。

恋はなかなか叶わない。
私は今も彼氏はいない。

「国本！」

ユアンは私に気づいた。

「ヒマリ！」

ハルハも気づいた。

私は２人のそばへ
かけよった。

「ヒマリ、ごめん！
あの日のこと謝りたくて！」

「俺もごめん」

「もういいよ。
いい経験になった」

アンナは静かに
別のところへ行った。

「俺、あれから
イギリス行ったけど
国本のこと忘れられなくて」

そういえば
留学したんだった。

「俺、ヒマリのこと
好きなんだな」

びっくりした。

何年も思ってくれて
いたなんて。

「私もユアンのこと好き」

＊ＥＮＤ＊