大切なヒト。
作者:はちみつ
私、崎浜リコ。
ニコラ学園に通ってます。
?「リコー! 行くぞー!」
私「ハルトー! 待って!」
ハルトは、幼馴染。
家が1軒先。
自転車に私を乗っけて
突っ走ってる、
ハルトの背中。
私は、嫌いじゃないな。
ハルト「ぼーっとすんなよ!
早く乗れ!」
・*。・ 学校 ・。*・
ハ、私「みんな、おっはー!」
?「リコー!
今日も、ラブラブー!」
ったく、ワカナは!。
てか、私、ハルトと
付き合ってないんですけどー。
私「っもう! 違うってば!」
ワカナ「はいはい」
私「それより、ワカナ。
あんたの家、病院でしょ?」
ワカナ「そうだけど。
私が病院に住んでるみたいに
言わないでよー!」
ワ、私「あははははは!!」
私「それより、うちのいとこが
具合悪いって言ってて、
家がホント、近くだからさ」
ワカナ「おっけー。
パパに言っとくわ!」
アナウンス「生徒会の皆さんは、
至急、会議室に来て下さい」
私「ワカナ、ごめーん。
会話の途中で。
生徒会、行ってくるね」
私に手を振る、ワカナ。
共に教室から出て行く、ハルト。
私「ハルトー!
一緒に行こう!」
ハルト「なぁ、リコ。
俺、ワカナが好きなんだ」
ズキズキ
心が音を立てて痛む。
私「・・・そうなんだ!!
頑張って!
応援してるよ!」
ハルト「お・・・おう!!」
私「先、行ってて!
忘れ物あるから」
目をつぶりたくない。
涙が、あふれちゃう。
悲しい思い、したくないもん。
前へ進むハルトが
やけに、遠く感じた。
・*。・ 生徒会 ・。*・
会長「・・・まさん!
崎浜さん!
大丈夫ですか?
ぼーっとして」
私「あっ! はい。
すみません」
ミス。ミス。ミス。
失敗ばっかり。
ハルトのせい。
あんたのせいだよ。
お前を思うばかりに。
・*。・ 帰り道 ・。*・
ハルト「リコー!」
私「なに?
用がないなら、帰って」
ハルト「え? 俺、なんかした?」
私「・・・
なんにもわかってない」
真っ直ぐ走り出す。
ハルトから逃げたかった。
追いかけるハルトが
私を呼ぶ声がした。
そんなの知らない。
ただ家に帰りたくて、走った。
・*。・ 家 ・。*・
あぁー。ハルトに
悪いことしちゃった。
LINEしよ。
《ハルト、今日はごめん。
急に帰ったりして》
《別に。てか、どうした?》
《どうもしてない》
《そ。ならいい》
《ねぇハルト》
《ん?》
《ワカナと、幸せになって!》
《・・・。わかった。
明日、告白する》
ワカナは、
大切な親友だから・・・
一滴の涙が腕に落ちる。
さよなら。
・*。・ 翌日 ・。*・
ハルト「ワカナ。放課後、残って」
うなずく、ワカナ。
背を向ける、私。
笑顔になるハルト。
泣きたいよ。
★・・・★・・・★・・・★
とうとう来た。放課後。
階段の陰から、そっとのぞく。
ハルト「前から好きだった。
付き合って欲しい」
ワカナ「ありがとう。よろしくね」
よかった。
これで、いいんだ。
・*。・ 3ヶ月後 ・。*・
あれから、何にもないまま
時が過ぎた。
私「ハルト。
さっきの授業のノート。
寝てたじゃん!」
ハルト「サンキュー!
てか、タオル
教室に忘れたし」
私「え? もう部活じゃん。
じゃあ、部活中に届けとくよ」
ハルト「ほんと悪いっ!
ごめんな」
よし! 届けるかー。
ハルトいた!!
思わず大きな声で
言ってしまった。
「ハルトーーー!!!
頑張ってーー!!!」
ボールを蹴るハルトの姿は、
たっくさん見てる。
でも今日は
キラキラしてて、
かっこよかった。
でも、ダメ。
ハルトは、ワカナの彼氏。
何度目? この気持ちは。
・*。・ ハルト ・。*・
ワカナ「ハルト。大事な話。
聞いてくれる?」
ハルト「なに? ワカナ」
ワカナ「私ね。正直、
ハルトは私じゃなくて、
リコのおかげで成長できたと思うの。
ハルトがピンチの時、何度
リコがチャンスに変えてくれた?
ハルトが困ってる時、
何度、リコが助けてくれた?
ハルト。どうなの?」
ハルト「・・・。そうだな」
ワカナ「でしょ?
リコは、たくさんハルトのことを
笑顔にしてくれた」
ハルト「・・・・・」
ワカナ「ハルト。
リコのところに行ってあげて」
ワカナに、背中を押された。
走った。
リコに会うために。
・*。・ リコ ・。*・
え? ハルト?
ハルト「・・・リコ!
俺、気づいたんだ。
俺にとって大切な人は
リコ、リコなんだって」
私「ワカナは?」
ハルト「さっき、
俺の大切な人はリコだって、
気づかせてくれた」
笑顔になれた。
空は何億もの星が並ぶ。
ハルト。
あなたは、そう。
――――――私の大切なヒト。
*END*
─ ニコ学名作リバイバル ─
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。