百発目の花火
作者:haru
こんにちは!
私は、近藤あき。
中3です。
メイクが大好きです!
夏はメイクが崩れやすくて
あんまり好きじゃない・・・
今日も暑苦しい教室で
睡魔と格闘しながら
授業を受けてます。
・*。・ 休み時間 ・。*・
あき「あ~夏って、ほんとヤダ!
日焼けするし、暑いし
汗で前髪崩れるし!」
かいら「まあまあ笑
でも夏って、プール入れるし、
海行けるし、かき氷とかも食べれて、
私は好きだけどね」
かいらは私の親友で、
めっちゃ可愛い。
女子力高いし、
性格もいいからモテてる。
美容情報はいつも
かいらから聞いてる。
あき「まぁ、たしかに・・・
そういえば今年って
夏祭りあるのかな?」
かいら「あるみたいだよ。
ゆあんが言ってた」
ゆあんは、かいらの彼氏だ。
たしか、去年の夏くらいに
付き合ったっけ。
あき「彼氏いる人はいいなぁ。
私もおおぞら君と行けたらなぁ。
りんご飴食べてヨーヨー釣りして、
最後は花火見て・・・」
私の好きな人は
おおぞら君。
隣の席になったときに、
さりげない優しさとか
かっこよさに惹かれて・・・
小学校のときは
鬼ごっこしてたけど
今はあんま話さないんだよね・・・
かいら「もー、あきったら、
にやけすぎ!」
あき「ごめんごめん笑
かいらは、ゆあん君と行くの?」
かいら「まだ決まってないけど
行くつもりだよ!」
あき「きゃーー!
あ、授業始まる。
またあとでね!」
・*。・ 次の日 ・。*・
あき「おはよ~」
かいら「あ、あき! おはよう!
今日はいいお知らせがあるよ~?」
あき「なになに?」
かいら「夏祭り、一緒に行かない?
ゆあんと・・・
おおぞらも一緒だけど」
あき「・・・え?
お、お、おおぞら君も?」
かいら「うん!
ゆあんと仲良いからさ。
人数多いほうが楽しいし!」
あき「ほんとに!?
行きたい!
かいらありがとう~。
持つべきものは友だー!」
かいら「あはは笑
じゃあ決まりね。
伝えておくから!」
まさか、おおぞら君と行けるなんて
信じられない。
しっかり準備しなきゃ。
・*。・ 休みの日 ・。*・
私とかいらで
夏祭りに着ていく浴衣を
買いに来た。
去年まで夏祭りが
中止だったから
浴衣もちっちゃくて。
かいら「この浴衣かわいい~!
こっちもいなぁ。
もう全部着たい!」
あき「全部って笑
私も迷うなぁ。
かいらはピンク似合いそう!」
かいら「そうかなぁ~。
ピンクはちょっと可愛すぎる
気がして・・・
紫にしようかな。
あきのほうこそ、ピンク似合うよ?」
あき「えー、
ピンクは似合わないよー。
でも、恋叶いそうかも!」
こんな感じで悩み続けて
結局かいらは紫、
私は白にピンクの模様がある
浴衣にした。
おおぞら君に可愛いって
言ってもらえるかな。
・*。・ 買い物の後 ・。*・
かいら「ねえねえ」
あき「ん~?」
かいら「今度の夏祭りの
花火のジンクスって、知ってる?」
あき「え、そんなのあるんだ。
知らなかった。
どんなジンクス?」
かいら「お祭りの最後に上がる
百発目の花火が上がるときに
手を繋いで告白すると
その恋が叶うんだって」
あき「へぇ~・・・」
恋のジンクスか・・・
わたしには、
一生縁がなさそうだな。
・*。・ その日の夜 ・。*・
ピコン。
あき「ん?
誰からだろう」
スマホの画面を見てみると
なんと、おおぞら君からの
メールだった。
あき「えー!?
おおぞら君から?」
*・*・*・*・*・*
おおぞら(久しぶり!
今度の夏祭りよろしくね。
すごい楽しみ!)
すごい楽しみ! だって。
私もだよー!
あき(わ、久しぶり!
こちらこそよろしくね!
私もめっちゃ楽しみ!)
*・*・*・*・*・*
その日から私達は
よくやり取りするようになった。
どうやらおおぞら君は
美容好きらしい。
夏祭りの日は、
ちゃんとメイクしていこう。
・*。・ 夏祭り前日 ・。*・
あき「ついに明日か。
ドキドキする・・・」
腕や足はもちろん、
顔の産毛も剃って、
その分保湿は、パックでしっかり。
し過ぎると逆交換だから
ほどほどに。
早く寝て
明日に備えようっと。
・*。・ 夏祭り当日 ・。*・
今日は、夏祭りだー!
おおぞら君と行けるなんてね!
まずは浴衣を着て・・・
でも上手く出来ないから
結局お母さんにしてもらった笑
メイクは、ベースはパウダーで
サラサラにして
ハイライトでつやと立体感を出して・・・
アイシャドウは薄めに、
ナチュラルピンクのリップ塗って・・・
そしてチークは、
血色感のために必須。
耳たぶにも入れると
良いんだとか。
あき「よしっ。準備完了!」
・*。・ 待ち合わせ場所 ・。*・
あき「お待たせ~」
かいら「あき~。
わ、可愛い!」
あき「ほんと!?
ありがとう!
かいらも浴衣
めっちゃ似合う~」
かいら「へへ、ありがと。
ゆあん達も来てるよー。
ゆあんー、遊んでないで早く来てー」
ゆあん「ごめんごめん。
あ、君があきちゃん? だっけ?
よろしくね」
あき「うん、よろしく!」
おおぞら「お、あきじゃん。
今日はよろしくー」
あき「よ、よろしく・・・」
やっぱ緊張するな・・・
・*。・ 夏祭り会場 ・。*・
かいら「お腹すいたなぁ」
ゆあん「たしかに。
なんか食べるか。
俺、焼きそばにしよ」
あき「私は、たこ焼きにしようかなぁ」
おおぞら「俺もたこ焼きー」
かいら「私は、焼きそば食べたーい」
ゆあん「じゃあそれぞれ買いに行こう。
買い終わったら
時計台で待ち合わせな」
全員「オッケー!」
おおぞら「じゃあ行こっか。
そういえば、たこ焼き屋
どこだっけ?」
あき「えーっとたしか
階段の辺だった気がする。
ほら!」
おおぞら「ほんとだ。天才じゃん」
あき「いや、天才は言い過ぎ笑」
おおぞら「あはは笑」
2人で爆笑する日が来るなんて、
1週間前の私は
想像もできないだろうな。
あき「何味にする?
私は、明太子にしようかな」
おおぞら「うーん、悩むな。
あ、そうだ」
あき「ん? なに?」
おおぞら「1つずつ
たこ焼き交換しない?
俺、ネギマヨにするけど
食べれる?」
あき「いいね!
うん、そうしよう!」
交換し合いっこって
なんかカップルみたいかも・・・?
・*。・ 時計台 ・。*・
あき「かいら達、全然来ないなぁ。
大丈夫かな?」
おおぞら「もう帰ってきても
いいくらいの時間なのにな。
あ、ゆあんからだ。
焼きそば屋が混んでて
あと30分くらいかかるらしい」
あき「30分!?
たこ焼き冷めちゃうよ~」
おおぞら「・・・なぁ、俺
いいこと思いついた」
あき「なになに?」
おおぞら「先に2人で食べない?」
あき「・・・いいね。
天才じゃん!笑」
おおぞら「天才は言い過ぎだろ笑」
ということで、
2人で先に食べました笑
あとでかいらに
怒られるかもだけど笑
・*。・ 食後 ・。*・
あき「ちょっと
トイレ行ってくるね」
かいら「わかったー。
気をつけてね!
私、綿菓子食べたいな」
ゆあん「俺も綿菓子食べたいー」
おおぞら「じゃあ2人で買ってきなよ。
俺ここで待っとくから」
かいら「オッケー。
じゃあまたあとで」
・*。・ トイレ ・。*・
メイク直そうっと。
パウダーで前髪復活して、
リップも塗り直そう。
汗拭きシート持って来てて
良かったー。
さっき汗臭くなかったかな。
よし、戻ろう。
あき(あれ? どうやって来たっけ。
人混み避けるのに夢中で
道のり覚えてない・・・)
どうしよう。
あ、かいらに
連絡すればいいのか。
なんだー良かった。
スマホ、カバンの中かな。
ゴソゴソ・・・・・・
あれ、ない?
持って来たと
思ったんだけど・・・
底にもない。
どうしよう。
とりあえず
うろうろしてみようかな。
あき「痛っ」
履き慣れてない下駄を
履いたから
靴擦れしてしまった。
すごく痛い。
あき「これじゃ歩けない・・・
帰れないかも」
邪魔にならないように
木陰に行って座った。
かいら達は、綿菓子買いに
行ってるし、
おおぞら君は・・・
私なんて探しにきてくれないよね。
花火上がってる。
今、何発目かな。
かいらが言ってたジンクス。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
お祭りの最後に上がる
百発目の花火が上がるときに
手を繋いで告白すると、
その恋が叶うんだって。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
実は今日、しようと
思ってたんだけど・・・
たぶん、この恋は叶わないっていう
神様からのメッセージなんだろうな。
アナウンス「さあ、今、
七十発目の花火が上がりま~す!
楽しみましょう!」
痛くなくなるまで
ゆっくり花火でも
眺めていよう。
そう思ったときだった。
???「・・・き、
・・・ぁき・・・あき!」
聞いたことのある声。
大好きな声。
あき「おおぞら!? どこ?」
おおぞら「あき!
やっと見つけた」
『やっと』
見つけた・・・?
ずっと探しててくれたの?
おおぞら「なかなか帰ってこないから、
どこかで迷ってるんじゃないかと思って・・・
無事で良かった」
あき「ありがとう・・・
私もう帰れないんじゃないかと
思ってた・・・」
おおぞら「・・・靴擦れしてるな。
足、見せて」
あき「えっ、だ、大丈夫だよ」
おおぞら「大丈夫じゃないよ。
絆創膏貼るから」
あき「じゃあ、
お願いします・・・」
どきどき・・・
チークいらなかったかも。
顔真っ赤だよ・・・
アナウンス「さぁ、百発目の花火まで
あと10秒です!
カウントダウンスタート!」
おおぞら「はい、できたよ。
立てる?」
そう言って
手を出してきた。
私は迷わず手を握った。
あき「ありがとう」
立てたから
手を離そうとした。
でも、おおぞら君が
しっかりと握っていたから
離れない。
あき「どうしたの?」
アナウンス「百発目の花火まで、
5、4・・・」
おおぞら「ずっと
伝えたかったことがあるんだ」
え・・・
これってまさか・・・
そんなことありえる?
アナウンス「3、2、1・・・」
ヒュ~~・・・
ドンッ・・・
おおぞら「あきのことが好きです。
俺と付き合ってください」
・・・夢なのかな。
大きくて綺麗な花火も、
この告白も。
いや、違う。
おおぞら君の手のぬくもり。
これは絶対に夢じゃない。
あき「・・・私も、
おおぞらのことが好きです。
大好きです!
こんな私でよければ・・・
お願いします・・・////」
おおぞら「ありがとう。
俺も大好きだよ」
私たちを結んでくれた花火の下で、
2人は笑って抱き合った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゆあん「おおぞらとあき、
うまくいったみたいだな」
かいら「だね。私たち
恋のキューピッドじゃん!」
ゆあん「たしかに笑
おおぞら達も無事に付き合えたし、
あとは2人で楽しむか!」
かいら「うん!」
*END*
近藤 藍月

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