“かっこよくって”何が悪い!!
作者:yurio
私は、アンジ。
中学2年生。
実は、最近
気になっている男子がいる。
タイヨウ「アーンジ。
何ぼっーとしてんの?」
犬飼太陽。
同じクラスのおさななじみ。
アンジ「別に。
ぼーっとしてないし。
太陽こそ何?」
タイヨウ「いや、数学の課題、
見せてもらおうかなって思って」
アンジ「え? また?
仕方ないな・・・」
すっと課題を机の上に出すと、
くしゅっと笑ってそれを持ち、
自分の机へと帰っていった。
笑顔が小犬みたいにかわいくて、
しかもちょっと天然なトコとか、
さらにかわいいんだよな・・・
昔は、そんな風に
思ったこともなかったけど、
中学入って、大人っぽくなって。
そのギャップに心をうたれた。
アキ「ねえ、ちょっとアンジ?」
ギクッ
アキ「まさか太陽のこと、
好きとか言わないでよね」
クラスの中心的存在、
アキちゃん。
太陽のコトが好きらしくて、
他の女は寄せつけない(らしい)。
アンジ「・・・何かわるいの?」
アキ「え、マジなの、
ちょーうける」
はあ、何でこの人が、
からんでくるわけ?
本当、意味わかんない。
アキ「とにかく太陽は、
私がとるから。
それと。
あんたみたいな男っぽいヤツとは、
からまないよ、太陽は。
女の子っぽい子がタイプなんだって」
そう言って、去っていった。
「大丈夫? アンジ。
また近藤さんに
何か言われてたんでしょ?
気にしなくって大丈夫だよ。
アンジはアンジでいいんだし」
親友のシャノンが
声をかけてくれた。
おっとりしてるシャノン。
かわいい。
アンジ「ううん、大丈夫。
気にしてないし。
理科だし、移動しよ・・・」
シャノン「うん」
男の子っぽい
ストリートな服が好きで、
何がわるい。
この前、アキに
SNSの裏アカがバレた。
裏アカには、普段の私服も
のっていたから・・・
タイヨウ「あ、待って、アンジ!!
プリントありがと。
マジ助かった~!!」
シャノン「え、また
課題みせてもらったの?
家でやらなきゃだめだよ~」
アンジ「そうだよ。
今度から、ちゃんと
家でやってきてね?」
そう、何回も
この言葉を言ってきた。
もう、いつまでたっても
変わらないんだから・・・
タイヨウ「はーい。
あ、そうそう、この前、
姉ちゃんに映画のチケット
2枚もらって。
アンジ、一緒に行かない?」
えっ、うそ?
今まで私をさそったことなんか
なかったのに・・・
ふっとシャノンを見ると、
口パクで
『が・ん・ば・っ・て』
シャノンは、
私の片思い知っているから。
タイヨウ「だめ?」
アンジ「あ、ううん、
大丈夫だよ」
タイヨウ「よかった。
日にち指定されてて、
今週の日曜だけど、平気?」
アンジ「OK。
予定あけとくね」
タイヨウ「うん、じゃ、また」
太陽が去っていくと、
シャノン「よかったね!!
太陽くんとお出かけだよ!!
がんばってね、アンジ!」
シャノンが
そう言ってくれた。
アキ「・・・」
↑かげから見ていた。
(3人は気づいていない)
嬉しかった。
こんなこと、
初めてだったから。
でも、その反面、
不安もあった。
私でいいのか。
私服を見たら、
がっかりしてしまうかも。
でも、かわいい服なんて
持ってないし・・・
シャノン「いこ!
授業、始まっちゃうよ!」
アンジ「うん」
日曜日、
どうしよう・・・?
・*。・ その日の夜 ・。*・
スマホを見ると、
着信が入っていた。
SNSの・・・DM?
誰からだろ・・・
アキ『アキなんだけど』
『太陽と2人で映画とか、
マジ? いつなの』
──アキちゃんじゃん。
何で映画のこと
知ってんの・・・?
アンジ『今週の日曜日だけど。
何で映画のコト、知ってるの?』
アキ『きいてた。
じゃ、また』
意味わかんない。
何、どういうこと?
私との会話を
きいてたってこと?
教室で?
・・・本当に、
意味わかんない。
・*。・ 日曜日 ・。*・
変、じゃないよね?
鏡の前で、くるっと1周。
結局、いつもと同じ、
ストリートが強めのコーデ。
自分の中で
1番自信の持てる
コーデにした。
それに、昨日シャノンに
見てもらったときだって・・・
・*。・ 昨日 ・。*・
アンジ「どうかな~」
シャノン「え、かわいい×2!
絶対、大丈夫だよ!」
アンジ「変・・・じゃない?」
シャノン「変なわけないじゃん。
アンジって感じがして、
すっごくいいよ!」
・*。・ 現実(日曜日) ・。*・
太陽どう思うんだろ、
やっぱ引くかな。
そうなったらどうしよう?
待ち合わせの場所に行くと、
太陽がいた。
アンジ「ごめん・・・
待たせたかな?」
タイヨウ「ううん、
全然大丈夫。
さ、行こ」
あえて触れてこないのか、
引いているのか。
どっちなの・・・?
「あれ~?
太陽くんとアンジじゃ~ん?
2人で映画~?」
えっ?! アキちゃん?!
どうして、ここに・・・
タイヨウ「近藤さんだよね?
どうして?」
アキ「いや、たまたま。
私も映画みたくて・・・
って、アンジちゃん。
その服マジ?!」
っ!!
アキ「だって、
男の子っぽいじゃん、その服~。
ストリートコーデっていうんだっけ?」
アンジ「っそうだけど。
何か悪い?」
アキ「だって、
男子と2人で映画でしょ。
それで、そんな服着る?!
それに、太陽くんのタイプは、
私みたいなカジュアルでかわいい・・・」
シャノン「待って!!」
3人「えっ?!」
アンジ「シャノン?!
どうして、ここにいるの・・・?」
シャノン「アンジが心配で、
こっそりつけてたの。
ごめんね。
それに、別に服とか
どうでもいいじゃん?」
アキ「え・・・でもっ、
大切じゃない!」
タイヨウ「オレは、
その人に合うかどうかの方が
大切だと思うけど」
アキ「なっ・・・!
太陽くんまで・・・」
タイヨウ「それにっ」
タイヨウ「オレは、
アンジが好きだから・・・」
え?!
今、なんて・・・
タイヨウ「オレと、
付き合ってくれないかな・・・?」
嬉し・・・いっ!
アンジ「私もっ、私からも。
太陽のことが好き・・・ですっ!」
今までの小犬みたいなかわいさとか、
天然とかとは違う、
かっこいい太陽がそこにいた。
──そっか、
私はそこにほれてたんだ・・・
アキ「っ!
本当意味わかんないんだけど?!
なんで、伊藤さんが・・・」
シャノン「実はね・・・」
タイヨウ「オレが相談したんだ」
アンジ・アキ「えっ?」
シャノン「太陽くんがね、
アンジに告白したいって」
・・・そういうこと・・・?
タイヨウ「オレは、アンジが別に、
どういう格好しててもいいと思う。
かっこいいとか、かわいいとか、
男らしいとか女らしいとか、
いいだろ」
タイヨウ「オレは、
アンジが好きだから」
アキちゃんはそれ以降、
何も言わなくなった。
シャノン「よかったね、アンジ♪」
アンジ「うん・・・!」
それから私は、自分の好きな
“かっこいい”を貫いている──!
*END*
池端 杏慈

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