陰キャの私は無愛想男子の一面を知った

CAST藤野 有紗藤野 有紗

作者:ミコ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.03.17

私の名前は、アリサ。
中学3年生。





修学旅行とか、中3は
色々と楽しいイベントが
あるんだけど・・・・・・





実は私、地味子で、
いわゆる『陰キャ』って
ヤツなの。





中3で友達ゼロ。





唯一親友だったナツミとも、
今年のクラス替えで
離れちゃった・・・





ナツミにも、
「そろそろ友達作ったら~?」
って、言われる始末。





はぁ~。
このまま中学卒業、
なんて嫌だな~。





ドンッ!





アリサ「わっ、すいません!」





変なこと考えながら
廊下フラフラしてたら、
男子にぶつかっちゃった!





ナツ「誰だよオマエ。
気をつけろよ」





・・・・・・





は?
いや、今のところは
「ごめん」でしょ。





ちょっとナツ君って
無愛想なんだな。





もう関わんないように
しとこ・・・・・・

















・・・・・・・・・・・・・





ヤバい。
やらかしてしまった。





私は水筒を飲もうとしたとき、
うっかり手が滑って
麦茶をこぼしてしまった。





床ならまだいい。
拭くだけだから。





でも・・・・・・・・・





私が麦茶をこぼして
しまったのは・・・・・・





そう。





お察しの通り、ナツ君の机。





しかも、次の授業は
保健体育だから、
体育着がおかれていた。





私はナツ君の体育着を、
麦茶で濡らしてしまったのだ・・・





アリサ「どうしよう・・・・・・」





幸い、今この教室は
私しかいない。
(みんな遊びにいってるかな?)





どうしたらいいか
考える余地はまだある。





アリサ「まず机の周りを
拭・・・・・・」





ガラッ!





勢いよく教室の扉が
開いた。





私はおそるおそる
ふりかえった。





そこに立っていたのは・・・・・・・・・





ナ・・・ナツ君・・・・・・





ナツ「・・・・・・・・・・・・・・・」





オワッタ。





何て言おう・・・・・・





ナツ「ねぇ」





ビクッ・・・
この先の言葉が怖い・・・





ナツ「オマエの体育着は
濡れてないんだな」





アリサ「え?」





ちょっと待って。





理解が追いつかない。





ナツ「これ、
オマエがやったの?」





ほら、やっぱ怖い・・・・・・





でも悪いのは私・・・・・・





正直に言わないと。





アリサ「ごめんなさい!」





頭を下げて謝った。





ナツ「・・・・・・・・・・・・・・・」





ナツ君は、無言で
体育着を持って
教室を出た。





・・・・・なんで
・・・・・・なにも
言ってくれなかったんだろう・・・・





あの沈黙の時間が
1番怖かった気がする・・・・・・・・・





ビシッ!





私は自分の顔を
思いっきり叩いた。





なに考えてんの、私。





私が完全に悪いのに、
ナツ君のこと、
何か頭のなかで
グチグチ言っちゃって。





ビシッ!





もう1回叩いた。





アリサ「よしっ!
明日謝ろう!」





1人でうじうじ
考えるのはやめだ。





濡れたナツ君の机の前で、
そう決心した。













・*。・ 次の日 ・。*・





アリサ「ナツ君!」





ナツ「!!」





ナツ君が驚いてる。





まあ、登校中に
いきなり
声かけられちゃあね。





アリサ「ナ・・・」





ナツ「昨日、ごめんな」





ふえ?
何のことで
ございましょうか。





ナツ「昨日、無視して
行っちゃったでしょ。
アリサが濡れてないって
言ってたから
安心しちゃって。
すぐ教室出ていっちゃった」





ドキン!





何か・・・・・・・・・
嬉しい?





ナツ「ごめんな」





アリサ「わっ、私こそ
ホントごめん!
ごめんなさい!
あの体育着・・・・・・・・・」





ナツ「あはは、あれもう
小さくなってたヤツだから、
大丈夫だよ」





ううん、あの体育着は
けっこう大きかった。





きっと、嘘ついて
くれてるんだ・・・・・・





アリサ「何か・・・・・・・・・、
ナツ君のこと
誤解してたかもしれない」





ナツ「?」





悪いことしちゃったけど、
何か嬉しい。





ナツ君が私を
心配してくれていたことが。





心配なんてしてないかな?





でも、
「私が濡れてなくて安心した」
って・・・・・・・・・・・・





ナツ「学校行こ。遅れるよ」





アリサ「あっ、待って!」





何か、今日で
色んなナツ君を
知れた気がする。





あの無愛想なナツ君の
こーんな一面。





私しか知らないかな?





そうだといいな。







*end*

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