雨は恋のキューピッド

CAST高比良由菜

作者：ゆあゆな

2023.02.20

私は、ゆなな！
人見知りだけど、
明るい性格。
男子が少し苦手。

・＊。・　ニコラ学園　・。＊・

ゆなな「おはよ～」

ルキ「おはよ、ゆなな！」

この子は、親友のルキ。
いつも相談に乗ってくれて、
私の良き理解者。

ルキ「そういえば、
今日午後から雨だって！
傘持ってきた？」

ゆなな「え、まじ？
どうしよ、
傘持ってきてない！」

あ、みんなには
説明していなかった。

実はね・・・

小さい頃に、
友達と遊んでいたら
突然、大雨が降りだした。

だから、その友達と
はぐれてしまったの。

その後、すぐ引っ越しに
なってしまったから、
友達には会えなかった。

それを、私は今も
後悔している。

だから、大雨や雷が、
すっごく怖い。

このことは、
親友のルキしか知らない。

というか、ルキにしか
話していない。

ルキ「ゆなな、大丈夫？」

ゆなな「う、うん・・・」

本当は怖いけれど、
ルキの家は反対方向だし、
迷惑かけたくない・・・

タイヨウ「心配だから、
俺が送っていくよ」

え、タイヨウ君
今、なんて？

実はね、タイヨウ君は
私が密かに片思いしている相手。

しかも、奇跡的に
家が同じ方向。

このことを
ルキは知っている。

ルキ「いいじゃん！
送ってもらいなよ！」

（ゆなな、仲良くなれる
チャンスだよ！）

ゆなな「じ、じゃあ、
そうする・・・」

タイヨウ「ＯＫ！
じゃあ、決まりな！」

ルキ「ありがとう、
タイヨウ！
ゆなな、よろしく！」

こうして、私とタイヨウ君は
一緒に帰ることになった。

・＊。・　放課後　・。＊・

タイヨウ「ゆなな、帰ろ！」

ゆなな「そうだね・・・」

///ザーザー///

わぁ、すごい雨。

タイヨウ「はい、どうぞ」

ゆなな「ありがとう」

タイヨウ「今日の給食
美味しかったな！」

ゆなな「そうだね」

タイヨウ「今日の体育、
疲れたな」

ゆなな「そうだね」

どうしよ、私、
そうだねしか言ってないし、
上手く会話が続かない。

それより、私、
タイヨウ君と
相合傘してるんだけど!?

///ゴロゴロゴロ///

ゆなな「キャー！」

タイヨウ「大丈夫??」

///ギュッ///

タイヨウ君が私を
反射的にハグする。

その瞬間、
私とタイヨウ君の顔が、
真っ赤に染まる。

タイヨウ「ほ、本当に、ごめん！」

ゆなな「ぜ、全然いいよ！」

タイヨウ「あ、あのさ」

ゆなな「？」

タイヨウ「実は前から
ゆななのことが好きだった。
それで、ルキに相談してた。
俺と付き合ってください！」

なんだ、タイヨウ君も
私と同じだったんだ。

ゆなな「こちらこそ、
お願いします！」

やっと私、
タイヨウ君の前で笑えた。

私はもう、雨が怖くない。

だって雨は、私の恋の
キューピッドなんだもん！

いつの間にか、２人の前には
虹が広がっていた。

＊ｅｎｄ＊