記憶更新

CAST高比良 由菜高比良 由菜

作者:ハニオレ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.01.29

いつか言わなきゃ
いけないことって
誰にでもあるよね。





私は、言わなきゃ
いけないことが
多すぎる。





本当は人魚だってことも、





誰かと結ばれたり
することがあれば
記憶がなくなるってことも。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





私は、ゆなな。
ニコラ学園に
通う高校1年生。





実は私、人魚なんです。





そのことをみんなには
黙ってて・・・





私の初恋の人、
太陽君にも。





だって、もし私が
人魚だってことを
みんなに話してしまったら・・・













・*。・ 学校 ・。*・





ゆなな「みんな、おはよ~」





みんな「おはよ~、ゆなな」





ゆなな「おはよ~、瑠紀」





るき「おはよ、ゆなな!」





この子は、瑠紀。
私のはじめての親友。





瑠紀も私が
人魚だってことを
知らない。





けど、私が太陽君のことを
好きなのは知ってる。





るき「ゆなな~、聞いて~!」





ゆなな「なになに?」





るき「推しが尊すぎるの~!
どうしよう!」





ゆなな「よかったねぇ~」





るき「もぉ~、ゆなな~」





たいよう「おい、また
推しがどう~って話か?」





るき「太陽には
私の気持ちが
分かんないよね!」





たいよう「分かるよ。
推しがいるんだもん」





るき「マジ!
だれだれ~?」





たいよう「教えね」





るき「なんだ~、
教えてよ~」





たいよう「ゆななちゃんは
推しとかいるの?」





ゆなな「い、い、いない!」





たいよう「なんか
緊張してない?
リラックスして!」





ゆなな「はい・・・」





るき「この子、
人見知りだからね。
いっぱい話せば
慣れて話してくれるから!
話してあげて~」





ゆなな(小声で)「瑠紀! どうしよ~」





たいよう「ゆななちゃん?」





ゆなな「ひゃいっ!」





たいよう「フフッ。
だから、リラックスして。
リラックス!」





ゆなな「はい・・・」





たいよう「じゃあ、ルール決めよ」





ゆなな「ルール?」





たいよう「うん。
俺と話すときは、
敬語禁止ね。
それと、朝挨拶して。
これは絶対!」





ゆなな「挨拶と
敬語禁止、かぁ」





たいよう「なんかダメ?」





ゆなな「いや・・・
敬語禁止って
言われても」





たいよう「瑠紀と話すとき
めっちゃタメじゃん。
瑠紀と話す感じで!」





ゆなな「はい、じゃなくて。
うん」





たいよう「よくできました」





太陽君に頭を
ポンポンされた。





多分私、
顔真っ赤になってる。





るき「太陽?! ・・・マジか」





たいよう「じゃあね!」





るき「ゆなな、大丈夫?」





ゆなな「やばい、太陽君に・・・!」





るき「よかったねぇ~」





ゆなな「どうしよう」





るき「告っちゃえば?」





ゆなな「それは・・・できない」





るき「なんで?
2人、お似合いだと
思うのにぃ~」





ゆなな「できないの」





るき「なんか秘密とか?」





ゆなな「! なわけないじゃん!
じゃあ、私帰るね!」





るき「ゆなな?
なんか隠してる」





さっきは、やばかった。





瑠紀に、私の秘密が
ばれそうだった。











・*。・ ゆななの家 ・。*・





ゆなな「ただいま~」





お母さん「おかえりなさい」





ゆなな「お部屋で
宿題してくるね」





お母さん「うん」





宿題なんか出てないのに、
宿題やるって
適当なこと言って
私は部屋にこもった。











・*。・ ゆななの部屋 ・。*・





部屋のドアを閉めて
私は、ドアの前に
座り込んだ。





暗い部屋の中、1人。





1人っきりで泣いた。





自然と涙が出てくる。





気がついたら
夜の11時になってた。





それまでずっと
泣いてた。





ピコンッ・・・





太陽君から。





たいよう『ゆななちゃん、
今大丈夫?』





ゆなな『うん』





たいよう『明日一緒に
お出かけしない?
ゆななちゃんが
大丈夫なら』





ゆなな『ごめんなさい、
明日は予定が』





予定ないのに
太陽君に嘘ついた。
ごめん、太陽君。





たいよう『こっちこそごめんね。
なんかあったら
いつでも言ってね!
おやすみ』





ゆなな『ごめんね。おやすみ』





私はベットに寝っ転がって
スマホを見つめていた。





太陽君との連を
必死に見返してた。





ゆなな「あれ、もう朝?」





ベットに寝っ転がってたら
気が緩んで寝てしまっていた。











・*。・ 月曜日 ・。*・





今日は月曜日。





学校に行かなきゃいけない。
行きたくなかった。





休日の間、太陽君からの
連絡が全くなかった。





今までは、毎週末
連絡してくれたのに。





私は連絡がないことを
誘いを断ってしまった私に
怒ってると思って
太陽君に会うのを
避けたかったの。





お母さんには、事情を話して
今日は休ませてもらうことにした。





次の日が来た。





体がだるくて動かない。
顔がすごく熱い。





お母さん「ゆなな~、朝よ~」





ゆなな「はぁはぁはぁ・・・」





お母さん「ゆなな?
どうしたの?
あら、熱?」





体温計で熱を測ったら
39度あった。





人魚界では
熱が出ることは
滅多になかったから
すごく辛い。





ゆなな「太陽君・・・」













・*。・ 学校 ・。*・





るき「太陽~、
ゆなな
今日も休みだって」





たいよう「・・・大丈夫かな」





るき「明日あたり
行ってみたら?
家、知ってるでしょ?」





たいよう「うん。
分かった。
明日行ってみるよ」













・*。・ 次の日 ・。*・





お母さん「ゆなな、
体調はどう?」





ゆなな「ちょっとは
楽になった」





お母さん「うん。
けど、まだ微熱ね。
今日も学校休もうっか」





ゆなな「うん」





もうすぐ学校が終わる時間。





ピーンポーン・・・





「犬飼太陽です。
ゆななちゃんに
学校のプリントとかを
届けに来ました」





お母さん「は~い、あがって」





たいよう「ゆななちゃん、
今会えますか?」





お母さん「多分大丈夫だと思うわ。
こっち」





お母さんが太陽君を
私の部屋に案内する。





お母さん「ここよ」





たいよう「ありがとうございます」





コンコンコン・・・





ゆなな「はい」





たいよう「太陽です。
入っていい?」





ゆなな「はい」





たいよう「熱、下がった?」





ゆなな「うん。
けど、まだちょっと微熱」





太陽君が私のおでこに
手を当てる。





たいよう「うん。
あっ、お見舞い持ってきた」





ゆなな「ごめんね、わざわざ」





たいよう「ううん。大丈夫。
じゃーん!」





太陽君がイチゴと
パイナップルを
持ってきてくれた。





小さく切って
タッパーに入れてあった。





たいよう「ゆななちゃん、
パイナップル食べれる?」





ゆなな「うん。ありがとう」





たいよう「うん。
で、こっちは瑠紀から。
アイスって」





ゆなな「雪見だいふく!」





たいよう「フフッ。
よかった、元気になって」





ゆなな「フフッ」





たいよう「明日からは
学校これそう?」





ゆなな「うん」





たいよう「うん、分かった。
これ、ゆななちゃんが
休んでた時の分のノート。
瑠紀がゆななちゃんにあげるって」





ゆなな「ありがとう」





たいよう「うん。
じゃあ、また明日!」





ゆなな「うん!」











・*。・ 学校 ・。*・





ゆなな「おはよ~」





るき「ゆなな!
もう大丈夫なの?」





ゆなな「太陽君が
お見舞い来てくれたから。
元気になった」





るき「ほぉ~。
で、なんか進展あった?」





ゆなな「ないよ~」





たいよう「ゆななちゃん!
元気になった?」





ゆなな「うん。
昨日はありがとうね!」





たいよう「いえいえ~」





その日は、みんなに
ついていくのに必死だった。





2日休んでたから。





ゆなな「疲れたぁ~」





疲れがたまった日は
放課後に屋上に行って
風を浴びるのが日課。





1時間くらい風に当たって
帰ることにした。





ゆなな「よし、帰ろっと」





「待って!」





太陽君の声がして
後ろを振り返った。





ゆなな「太陽君?
なんでここに?」





たいよう「ゆななちゃんに
伝えたいことがある」





ゆなな「伝えたいこと?」





たいよう「俺・・・
ゆななちゃんのことが好き!」





ゆなな「えっ?」





たいよう「俺と
付き合ってください!」





告白されてしまった。
ここで断るのも
なんか気まずいし・・・





けど、OKしたら
私の記憶がなくなっちゃうし。





けど、私は
太陽君のことが好き!





ゆなな「はい、
私でよければお願いします!」





OKしちゃった。





私の記憶はなくなる。





ゆなな「太陽君。
今までありがとう。
大好きだったよ」





たいよう「ゆななちゃん?
ゆななちゃん!」





私は、太陽君に抱えられて
記憶をなくした。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





しばらく経って
私は目を覚ました。





たいよう「ゆななちゃん?
分かる?
ここは保健室」





保健室の先生は
私の本当のことを
知ってる。





一応言っておいたの。





ゆなな「誰?
あなた、誰ですか?」





たいよう「ゆななちゃん?
俺だよ。犬飼太陽!」





ゆなな「えっ?」





分かんなくなってしまって
保健室を飛び出した。





学校の外も
どこに行っても
知ってるところがない。





どこか隠れる場所を探して
走った。





みんな知らない人。





るき「ゆなな?
どうしたの?」





分かんない。
私の名前、
ゆなな・・・なの?





自分のことも
分かんない。





お母さん「ゆなな? ゆなな!」





私に呼び掛けて
私を追いかける。





ゆなな「なんで・・・
なんでみんな
分かんないの!」





誰かに手首をつかまれた。





たいよう「ゆななちゃん。
はぁはぁはぁ・・・」





ゆなな「放してっ!」





たいよう「ごめん。
けど、話を聞いてほしい」





たいよう「俺は、犬飼太陽。
ゆななちゃんの彼氏です」





ゆなな「私の・・・」





たいよう「急でびっくりでしょ?
どこまでわかる?」





ゆなな「えっ?」





たいよう「保健室の先生から
ゆななちゃんの記憶が
なくなってしまったって聞いて」





ゆなな「私・・・
何も分かんないんです。
自分のことも
あなたのことも。
ごめんなさい」





たいよう「いいよ。
じゃあ、これから
知り合っていかない?」





ゆなな「知り合っていく?」





たいよう「うん。
俺は、犬飼太陽。
ゆななちゃんの彼氏です。
あなたはゆなな。
俺の彼女」





ゆなな「私の名前は・・・ゆなな」





たいよう「うん」





お母さん「ゆなな!
ゆなな! ゆなな・・・」





たいよう「ゆななのお母さん」





ゆなな「お母さん」





それから私のことと
太陽? くんのことを
知り合った。













・*。・ 半年後 ・。*・





私は、高校2年生になった。





ゆなな「おはよ~、みんな」





みんな「おはよ~」





るき「おはよ、ゆなな」





ゆなな「おはよう、瑠紀」





たいよう「よっ!
ゆなな・・・と瑠紀」





ゆなな「おはよ、太陽!」





るき「なんかすっごく
ラブラブになってない?」





ゆなな・たいよう「フフッ」





私の記憶は
なくなったままだけど、





太陽君のおかげで今、
こうして、
楽しく暮らせてる。





記憶がなくなっても、
毎日太陽君と瑠紀からの情報で
記憶が更新されてく。





今までの記憶も
これからの記憶も
この記憶更新ノートに
記録しとく。





もちろん、この話もね!







《END》

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