俺にはあいつがいて、あいつには俺がいるから。

CAST南 龍和南 龍和

作者:たぴおかみるくてぃー

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.11.30

「ねえ、るわ」





「なに」





「アイス食べたい」





こんにちは。
南るわです。





俺とこんなくだらない
話をしているのは
髙橋かいら。





俺たちは
モデルをしている。





しかも結構
人気なんだぜ?
(自画自賛)





テレビにもよく
出させてもらえてるし。
だいたい同時期の
デビューだったこともあってか、
俺たちは結構仲がいい。





今日は撮影だったから、
その帰りに遊ぼう的な
話になった。





てゆーか、アイス?
コンビニでいいかな?





「コンビニ行く?」





「ヤダ」





「じゃあどこ?」





「んー、あの最近人気の
ジェラートのとこ」





「えー・・・
あそこ混んでるじゃん」





「え? でも今日
この後はオフでしょ?」





「そうだけどさ、
学校は?」





「今日、撮影長い
予定だったから休み☆」





「まじか。でも
今日の撮影確かに
めっちゃ巻いたよな」





「うん」





短かったよな~
今日の撮影。





「しゃーない、
行くかー」













* * * *





「えー、どれにしよう!
迷うんだけど!」





「お腹だけ壊すなよ?
デブるかもだし」





「え、それいつも
給食おかわりしてる人に
言う?w」





「あ、忘れてたw」





結局人気の
ジェラートショップへ。
30分は並んだと思う。





「えー、スイカとメロンと
いちごとキウイとチョコと
白桃・・・
どれにしよう。
全部食べたい」





食いしん坊かっ!笑





「別に今日全部
食べなくてもいいじゃん」





「えー?」





「また一緒に来ればいいよ。
撮影被ったときにでも」





「え!? 次もあるの?
また一緒に来てくれるんだー!
やったぁ~!」





「はいはい、
待ってる人いるから
とっとと選べ」





結局かいらは、
スイカとメロン、
俺は、いちごとチョコ。





かいらに分けてやろうと
思って。





「いっただっきまーす!
・・・んっ!
やばい!
超美味しい!」





「かいら、俺のいちごとチョコ
ちょっとだけ分けてやる」





「え! いいの?
ありがとうっ!
いただきまーす!
えー、こっちも美味しい~/////」





なんか、子供っぽくて
かわいいな、こいつ。





誌面では大人っぽい感じが
多いから、
余計にそう感じんのかな?





このとき、俺たちは
知らなかった。





俺たちに脅威が
迫っていることに。













* * * *





プルルルっ
プルルルっ





「もしもし」





かいらと遊んだ
次の日の昼過ぎ、
マネージャーから
電話がかかってきた。





『昨日のかいらちゃんとのことが
週刊誌に載ってる!』





「はっ?」





『今すぐ事務所、
いや、編集部に来い!』





「わかった!」





そう言って、俺は
学校から駆け出した。













* * * *





編集部につくと、制服で、
しかも汗だくのかいらがいた。





かいらにも
連絡いってたのか・・・
相当急いできたんだな。
宮城からだし。





「じゃあ、
2人揃ったことだし、
説明してもらおうか」





そう言われて
出された写真は、
ちょうどジェラートを
あげた瞬間。





よく撮れてる、
じゃなくて。





そう見えるように
撮ってあるじゃん。





しかも見出しは
【人気モデルの南るわと
髙橋かいら・
まさかの熱愛!?】





これ、絶対ヤバいじゃん!





「き、昨日は
撮影が巻いて
早く終わったので、
るわと遊びに行ったんです」





「学校は?」





「えっと、長い撮影の
予定だったので、
休んでます」





「俺もです」





「なるほどね~。
多分これ結構
炎上すると思うんだよね。
どうする?」





「どうする、とは」





思わず聞いてしまった。





「あー、2人は実際
付き合ってないんだよね?」





「「はい」」





「じゃあ、いっそのこと
既成事実にしてしまって、
周りから認めてもらう。
もしくは、しばらく
関わらないようにする」





「撮影もですか?」





「関わらないを選ぶのであれば、
企画はかぶらないようにするかな。
これ以上深刻化させたくないし」





「わ、私、るわと
関わらないのは嫌です!」





「俺もです」





「じゃあ、既成事実に
しちゃうしか・・・」





「少し、時間をもらえませんか」





今、この場で決めるのは
良くない気がする。





ちゃんと
話し合いたい。





「いいよ、明後日の
撮影のときに聞かせて」





「「わかりました」」













* + * + * + * + *





「どうしようか」





「ねー」





「何、どうしたの?」





「あ! るきちゃん!
お疲れさまです!」





「うん、ありがとう」





たまたま撮影があった
るきちゃんが通りかかり、
話を聞いてくれると言うので
頼むことに。





なんてったって
るきちゃんもちょうど
1年前に同じことで
炎上しているから。





「あの、るきちゃんは
去年の炎上のとき
どうしましたか・・・?」





かいらが恐る恐る聞く。





「あれ? あれはねー、
私たち本当に付き合ってたから、
ちゃんと公表した。
周囲に認めてもらえるように、
その分撮影とか、
インスタの投稿とかも
頑張ったし」





「「なるほど・・・」」





たしかにその時期
頑張ってたかも。





るきちゃんも
おおぞらくんも。





「あ、今ちょうどおおぞら
撮影終わったみたいなんだけど、
呼ぶ?」





男としての意見もほしいな。
同性の方が話しやすいし。





「何がどうしたって?」





「俺たち今、めっちゃ
炎上してて。
去年のおおぞらくんと
るきちゃんと同じ理由で」





「なるほどねー。
あ、あれか。
編集部に関わらないようにするか、
既成事実にしろって
言われた感じ?」





「え・・・、
なんでわかんの?
あってる」





「今、るきとかいらで
話してるから聞くけど、
るわ、かいらのこと好きか?」





「好きだけど」





「恋愛としてな?」





「うーん・・・
好き、かも」





「あ、向こうも話
まとまったっぽいし、
俺ら帰るわ」





「え、ちょ」





「チキんなよ?
男見せろ、男!」





痛い痛い、
肩叩かないで。
この馬鹿力め。





「じゃあ、後は
2人で頑張ってね!
かいらちゃん!
ファイト!」





「るわも! がんば!」





おおぞらくんと
るきちゃんは
そう言い残して
いなくなってしまった。





「かいら」





「な、なに?」





あぁぁぁぁ!
おい、るわ! 男だろうが!
チキんな! ひよるな!
男見せろ! 覚悟決めろよ!





「かいら、俺、
かいらが好きなんだ。
事実にしちゃわない・・・?」





「わ、私もるわが好き」





「明後日、ちゃんと
編集部に話そう。
で、世間からも
認めてもらえるように頑張ろ?
お互いに」





「・・・うんっ!」





炎上騒動は、しばらく
おさまらないと思うけど、
お互いに撮影もテレビも
インスタも頑張って、
世間に認めてもらえるように
頑張ろうと思う。





どんなに辛くても、
俺には、かいらがいる。
かいらには、俺がいる。





きっと大丈夫。





俺たちはこの先も
活躍し続ける。







*END*

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