強い女に恋の予感!?

CAST宮本和奏

作者：たぴおかみるくてぃー

2022.11.16

シュッ。

「わかな。
今日はここで
終わりにしようか」

「わかりましたー。
ありがとうございましたっ」

皆さんこんにちは。
私は、宮本わかな。

特技は、
いろんな格闘技。

誰にも言ってないから
知られてないけど。

色んなジムとか道場に
内緒で通っている。

できるのは、空手、柔道、
合気道、ボクシングとか色々。

今日やってたのは
ボクシング。

なんで格闘技を
始めたかって言うと、
お父さんに護身用に
習いなさいって言われて
やってみたら
ハマっちゃったから。

来週やっと、公式の大会に
出ることができる。

しっかりやらないと！

＊　＊　＊　＊

次の日。

今日もボクシング。

全国大会に行きたいから、
練習はしばらく
ボクシングになった。

・・・あれ？
今日、人来てる。

るわさんとかかな？

ま、同じ学校の人に
ここで習ってる人なんて
いないし、大丈夫でしょ。

なんて、呑気なことを
考えていた３分前の自分に
ビンタしてやりたい。

「なっ、んでっ・・・」

「わかなじゃん。
どーも」

どうして、同じクラスの
宮本りゅうのすけがいるの？

彼とは腐れ縁で、
幼稚園の時から一緒。

いわば、幼馴染。

同じ宮本だから、
中学の時はよく
夫婦だって
からかわれていた。

私は、好きだから
嬉しかったけど。

でも！　どうして、
よりによって
りゅうのすけにバレるの・・・？

好きな人には、
強い女として
見られたくなかった。

最悪。

「わかなも体験？」

「え、きみ、
わかなと知り合い？」

「あ、るわさん」

南るわさん。

彼は私よりも
２つ上の先輩。

ボクシング歴は
私のほうが長い。

お願いだから
余計なこと
喋らないで・・・

と、眼圧をかけるも、
るわさんは
面白がっているのか、
やめてくれそうにない。

この前負けたこと
根に持ってんな・・・
あの人。

「わかなは、うちの
エースなんだよねー」

「・・・え」

すっごい
驚かれてるよ～・・・

「いやー、
すごい強くてさ～。
俺でも勝てないんだよね～。
ほんとに怪リ・・・」バキっ

ヤバい。
力入れすぎたし、
とっさに手が出た。

りゅうのすけの
前なのに・・・

てか、るわさん
マウスピース
してないんだった。

大丈夫かな？

「いったぁ。
何すんのさ、マジで」

「るわさん。早く
練習したほうがいいですよ？
大会、１回戦で敗退かぁ。
弱いですもんね～、
るわさん」

笑顔で圧力をかけ、
いなくなれ、とアピール。

「こっわ！
さーせんっしたっ！
練習しますっ」

そうそう、とっとと
どっか行け！

「えっと、」

「わかなって
ボクシング
やってたんだね」

もういいや、
全部言っちゃえ。

「ボクシングの他に、
空手、柔道、
合気道とかもやってる」

「すっご！　かっこよ！
いいなぁ。強いって」

「え？」

「俺、強い人が好きなんだ！
なんか守られて当然、
みたいな顔して
隣歩かれるよりも
全然好き」

え、まさかの脈アリ・・・？

「てか、りゅうのすけは
体験？」

「うん。お試し」

「コーチ呼んでくるね」

「ありがとう」

その後は、何事も
なかったかのように
ボクシングを楽しんだ。

＊　＊　＊　＊

無事に大会も終わり、
見事に全国優勝。

やっと学校に行ける。
と、思いながら
学校につくと。

ガヤガヤ

いつもより
騒がしい教室。

何事・・・？

「あ、怪力女来たぞ。
骨折られちゃぁ～うｗ」

・・・え？
な、に、あれ。

なんで教室の黒板に
全国で優勝したときの
写真が・・・？

バレたくないから
名前も写真も
非公開にして
もらってるはずなのに。

てか、あの写真、
るわさんと撮ったやつじゃ
なかったっけ・・・

私のところだけに
なってるけど。

「お兄ちゃんの全国大会
見に行ったらぁ、
宮本さんがボクシングしてて」

りみさん？
そういえば、
りみさんの名字って
南だっけ・・・？

るわさんが
りみさんのお兄さん？

「強い女って
やばくない？」

「あ、ありさも
わかってくれるんだね！」

どうしよう。
私、心は強くない。

「なぁ」

「あっ！
りゅうのすけくん/////
りゅうのすけくんも
強い女って
ヤバいと思うよねっ？」

りみさんって
りゅうのすけが
好きなんだっけ。

「別に俺は強い女が
ヤバいとは思わないし、
むしろ守られて当然みたいな
顔してる奴よりも、
自己防衛できる奴のほうが
かっこいいだろ。
ましてや、全国大会だぞ？
わかなは、オリンピックも
決まったのに、
バカにする女のほうが
ヤバいと思うけど」

りゅ、りゅうのすけ・・・
しれっとオリンピックを
バラさないで？

庇ってくれたのは
嬉しいけど。

「わかな。
俺は、わかなが好きだ。
強くてもいい。
俺と付き合ってください！」

こ、公開告白・・・

答えはもちろん。

「はい！　喜んで！」

「「「「「ふぅーーーーー!!!」」」」」

冷やかしが、はずい。
てか、りみさんと
ありささんいなくなった。
ま、いっか！

みんなに強いと
バレてしまったけど、
お陰で？
りゅうのすけと
付き合うことができました！

今ではクラスと言うか、
全校公認カップルに
なってます！

りゅうのすけも
ボクシングを始めたので、
これからもボクシングを
楽しめそうです！

＊ＥＮＤ＊

P.S.
なぜか、りみさんまで
ボクシングを
始めてしまった・・・

本人曰く、
『りゅうのすけくんが
強い女の子が好きなんだったら
私も強くなるからいいもんっ！』
とのことです。笑