アイドル炎上は君のせい？

CAST髙橋快空

作者：ピンクノフセン

2022.06.28

「はー今日も尊い!!!」

私、髙橋カイラは
アイドルに
ガチ恋してます！

好きなのは、ボーイズ
アイドルグループの
『イーファースト』のセンターで
歌からダンス全て完璧で
アイドルの神様と
呼ばれている『リン様』。

２歳年上とは
思えないほどの
大人っぽさ・・・
尊い!!

「ピーンポーン」

カイラ「はーい」

レン「よっ！　カイラ。
もう遅刻するぞー」

この人は隣の家に
住んでいるレン。

幼稚園の頃からの腐れ縁で
親が仲良いから
今でも一緒に
学校行ってんの。
本当にありえない！

カイラ「レンが早いんだよ！
もう少し推しを拝ませてよ」

レン「推しってなんだよー」

カイラ「レンにこの感情は
一生味わえないでしょ。
私の推しは
イーファーストのリン様」

レン「んー？
これって
俺の兄ちゃんだ」

カイラ「んん？」

レン「だーかーらー
俺の兄ちゃんだって。
今離れたとこに
住んでるけど」

そういえば顔とか
似てるような・・・

いや、リン様には
劣るけど!!!!

レン「あ、このこと
他のやつに言うなよ。
変に騒がれたくないんだよ」

カイラ「分かったよ。
でもいつかリン様に
会えるかな・・・！」

レン「無理だと思う」

カイラ「いじわる～!!!」

あぁ。
リン様と似てるとか
言わなければ良かったー。

ほんといじわる！
レンってさ。

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

♯休み時間

アキ「へぇ、そうなんだ。
てか、それ言っちゃって
良さそう？」

私はアッサリ
アキに話した。

ちなみにアキは
イーファーストの
ルワ推し。

アキ「でも似てるよね。
顔とか」

カイラ「そうそうそう。
そう思うよね！」

♯ＰＭ２時真夜中

アキから
ＤＭが送られてきた。

『カイラ！
リンくん炎上してる！
熱愛報道!!!』

画像も５秒後くらいに
送られてきた。

調べたら本当で・・・
頭が真っ白になる。

顔にモザイクがついた女性が
リン様と肩を抱き合い
家に入る写真。

言い逃れ
できないような画像。

その数秒後新しい
ネットニュースが出てきた。

リン様が
このニュースに対して
『これは弟です』
と言ったって。
弟ってレンだよね。

あのレンが？

これはリン様。
どんなに似てるって言っても
私はレンをいつから
見てきたと思っているんだ。

─────この日から私は
魂が抜けたみたいになった。

＃次の日

レン「おはよおー
行こうぜー」

カイラ「今日はいいよ」

レン「アキもいるし来いよ。
推しは拝んだのか？」

カイラ「・・・炎上した。
推しが」

レン「は？
兄ちゃんが?!」

カイラ「これ。しかも
レンのせいにしてる」

レン「おいおいまじかよ」

カイラ「もう
リン様のことが・・・」

涙が出てきて
止まらなくなった。

レン「泣くなよ。俺、
兄ちゃんよりは劣るけど、
似てるし、
少しは推しに見えるだろ？
ていうか俺、ずっとカイラ
見てきたんだ。
こんな悲しい顔してるの
初めて見たぞ？」

カイラ「え・・・」

レン「少しでも笑えって。
俺は笑ってるカイラが
１番好きだから」

カイラ「す・・・き・・・？」

レン「俺はカイラのこと
小さい頃からずっと
好きだったんだ。
推しよりも俺を見て欲しい」

カイラ「リン様に似てる顔
してるくせに、
カッコイイこといっぱい
言ってくれるじゃん」

私は微笑んで言った。

レン「それ、
好きってことでいい？」

カイラ「いや、気持ちがまだ
整ってないから。
でも、推し乗り換えよっかな、
レンに。
なんか今のレンは
ライブ中のアイドルより
輝いているから!!!」

そう、私はアイドル以上に
輝く君をずっと推すんだ！
一生。

＊ｅｎｄ＊