未来へのバトン

CAST藤野 有紗藤野 有紗

作者:ベリー

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.06.27

私はアリサ。
中学3年生。
陸上部で、
短距離やってます!





50m走のタイムは
7・8秒。
女子では結構速い方かな。





走るの大好き!
他の女子は彼氏の
恋バナとかばっかりで、
よく分かんないや。





実は、コロナの影響で
学年別での開催ではあるものの、
もうすぐ体育祭がある。





中学校生活最後の
体育祭に向けて、
毎週日曜日にみんなで
学校に集まって練習してるの。





今年は短距離学年トップの
エイト君が一緒のクラスだから
めっちゃ心強い!





エイト君は容姿も良いし
リーダシップもあるから、
みんなの人気者。





練習メニューを
作ってきてくれたり
全体をまとめてくれたりと、
頼りになるな。





毎週練習してきたかいがあって、
みんな格段にタイムが
上がってきてる!





・・・ナツ君以外は。





ナツ君は、
はっきり言って
足は遅い方。





だから、毎週コツとかを
教えてあげることになった。





今までの練習が
合ってなかっただけで、
私がいつもやっている
練習メニューで
2週間くらい一緒に
練習していたら、
ナツ君は練習当初からは
比べものにならないくらい
速くなった!













・* 体育祭まであと1週間 *・





エイト「よーし、じゃあ
今日はここまで!」





自分の荷物をまとめて
帰ろうとしていると、
ナツ君が小走りでやってきた。





ナツ「アリサちゃん、
本当にありがとう。
アリサちゃんのおかげで
こんなにタイムが上がったから、
走ることの楽しさが
分かるようになったんだ。
みんなの足もひっぱらずに済むよ!」





アリサ「全然。
みんなの足をひっぱるとか、
考えなくていいから。
ナツ君に走る楽しさを
分かってもらえて、
私も嬉しいよ!」





そして、自分が
恋をしていることに
気がついた。





好きな人がいるって
こんな感じなんだ。





好きな人に
喜んでもらえるって、
こんなに嬉しいんだ。













・*。・ 体育祭の前日 ・。*・





エイト「明日はいよいよ体育祭。
みんなで練習してきたから、
きっと優勝できるよ!
頑張ろう!!」





みんな「おーーー!!!」





アリサ「明日は頑張ろうね。
絶対優勝できるよ!」





ナツ「うん! 頑張ろー!」













・*。・ 体育祭当日 ・。*・





綱引きや玉入れ、
騎馬戦などが終わって、
いよいよクラス対抗リレーが
やってきた。





私のクラスの今までの
結果は良好で、
2位以内には入れそう!
優勝まであと一歩!





司会「それでは、
クラス対抗全員リレーを
始めます」





『パンッ!!』





始まった・・・!!





アリサ「頑張れー!!
頑張れー!!」





みんな
練習以上に良い!





そしてエイト君に
バトンが渡り、
私のクラスは独走状態。





このままだったら
優勝間違いなしだ!





私も位置につく。





バトンを受けて、
一生懸命走る。
みんなの歓声が聞こえる。





30m先で、
ナツ君が待ってる。





ナツ君に
バトンが渡った。





アリサ「行っっっけーー!」





ナツ君は、練習も超える
速さで走っていった!





みんな「あぁっ!!」





アリサ「え?」





一斉にみんなが
立ち上がるから、
前がよく見えない・・・





人混みをかき分けて
グラウンドへ出てみると、
ナツ君が倒れていた。





アリサ「ナツ君っ!」





ナツ君はすぐに
起き上がって、
走り始めた。





まずい。
後ろから他のクラスが
追い上げてきてる。





でも、ナツ君の様子が
おかしい。
足を引きずって走っている。





捻挫でもしたのかも
しれない。





「あぁ・・・!」





ナツ君が次々と
追い越されていく。













・*。・ 全種目終了 ・。*・





司会「それでは結果発表です。
4位、2組」





私たちのクラスだ。
リレーは種目の中で
1番点が高いので、
最後にフィニッシュした
私たちのクラスは、
他のクラスと
大きな差をつけられた。





司会「3位、1組。
2位、4組。
そして優勝クラスは、
3組です!」





グラウンドの向かい側から
歓声が聞こえる。





本当は、ああやって
喜んでるはずなのは
私たちなのに・・・
と、ふと思ってしまった。





「まじ、
ナツがいなかったら
俺ら優勝してたよな?」





「みんなであんだけ
練習したのに、
あいつ1人のせいで
ビリかよ」





「最悪」





みんながコソコソ
話してる。





エイト「おい、
なに陰口言ってんだよ。
みんなこんなに頑張ったじゃん。
例え結果が良くなくても、
みんなで団結して
頑張った思い出は宝物だろ」





みんなは黙り込んだ。





ナツ君は、
どこにもいなかった。













・*。・ 放課後 ・。*・





私は、ナツ君の家を訪ねた。





チャイムを鳴らすと、
ナツ君が出てきて、
私が立っているのをみて
少し驚いた。





アリサ「これ、
今日配られたプリントだよ」





ナツ「・・・ありがとう。
今日はごめんね。
ばいばい」





アリサ「ちょと待って。
みんなはあんなふうに
言っているけど、
私はそんなこと思ってないよ。
ナツ君は悪くない・・・」





ナツ「僕が悪くなかったら
誰が悪いんだよ!!」





「僕が転んだせいで
みんなの努力が無駄に
なってしまったんだよ!
全部僕のせいだって、
君も思ってるんでしょ!
別にかばうふりしなくていいよ!
余計に傷つく」





アリサ「そんな・・・
私はそんなこと思ってない!」





ナツ君は、バタンと
ドアを閉めてしまった。





その日から、ナツ君と私・・・
いや、クラスのみんなは、
一切喋らなくなってしまった。





アリサ「私は、ずっと
ナツ君が好きなのに・・・」













* 6年後、ロサンゼルスにて *





『パンッ!!』





中継「ナツが
追い上げてきている・・・!
1位ゴールだーー!
ナツ、堂々の金メダルー!
日本新記録を叩き出したー!」





今年で21歳になった私は、
テレビでオリンピックを見ていた。





「ナツ君、おめでとう・・・」







*end*

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