一度花火と散ってしまっても

CAST田中南

作者：るな

2022.06.29

ルワ＆ミナミ「おはよう」

私の名前は田中南。
中学２年生だ。

毎日ニコラ学園ヘ
一緒に行くルワは
幼馴染で小さい頃から
よく遊んでいた。

私はルワのことが好きで
一緒にいるだけで
楽しいと思える人だった。

ルワ「今度の花火大会
一緒に行かない？」

ミナミ「いいよ。
予定入ってないし。
幼稚園から一緒だけど
２人で行くのは初めてだね」

・＊。・　当日　・。＊・

私はこの日を
楽しみにしていた。

ミナミ「ヤバい。遅刻する」

ミナミ「ごめんお待たせ」

ルワ「僕も今来たところだよ。
今日いつもと雰囲気違うけど
似合ってるね」

ミナミ「ありがとう。
じゃあ行こうか」

さらっと流したけど
本当はすごく嬉しかった。

なぜかルワが
私のことを見てくる。

ミナミ「どうかした？」

ルワ「ごめん。
いやだったよね」

ミナミ「そんなことはないけど。
元気なさそうだけど大丈夫？」

ルワ「いや元気だよ」

ルワはいつもと
様子が違った。

でも２人でいれるからと、
私はあまり気にしなかった。

ミナミ「すごい人の量だね」

ルワ「わかれると
めんどくさいから
手繋いでおこ」

ミナミ「小学生かよ」

ルワ「何食べる？」

ミナミ「焼きそばとポテトと
綿飴食べたい」

ルワ「どんだけたべんだよ」

ミナミ＆ルワ「笑」

ミナミ「でもポテトは
絶対食べたいな」

それから場所取りをして
屋台の物を食べながら
まっていた。

ルワ「花火打ち上がる前に
言っておくね」

ミナミ「何を？」

ルワ「２学期からは
ニコラ学園には通わないんだ。
カナダに行っちゃうから」

ミナミ「え」

信じられないけど
ルワに悲しい態度は
とりたくないな。

ミナミ「まぁまた会えるよね」

ルワ「でも帰ってくるの
僕らが大学１年生の年だよ」

その言葉で
私の恋は終わるのだと
そう思った。

パーーーン。

花火が打ち上がり始めた。

花火とともに
私の恋心は散った。

・＊。・　５年後　・。＊・

私はその後猛勉強して
志望校（大学）に
受かることができた。

リミ「今日どこいく？」

ミナミ「暑いから
近くのお店にしようよ。
ニコカフェ行く？」

リミ「めんどくさいから
ニコカフェにしようか」

店内に入ると
ルワらしき人がいた。

横の席に行って
一瞬見てみる。

やっぱりルワだ。

声をかけたいけど
リミがいるから
やめておこう。

私が店を出るまで
席を立たないことを
願っていた。

リミ「じゃあバイバイ」

ミナミ「また明日ね」

ルワのことが
気になりすぎて
家の方向をいつもより
ゆっくり歩いていった。

ルワ「わっ！」

ミナミ「びっくりした。
すごい久しぶりだね。
５年くらい
あってないんじゃない」

ルワ「とりあえず
一緒に帰ろ」

ミナミ「ＯＫ」

２人だけがいる道を
進んでいく。

ミナミ「あ！　猫可愛い」

ルワ「オッドアイだ。
珍しいね」

私が立ち上がった
そのときだった。

ルワ「ミナミのこと
ずっと好きだったよ。
付き合ってください」

バックハグをされて
耳元でつぶやかれた。

嬉しすぎて
発狂しそうだ。

ミナミ「お願いします」

花火と散ったはずの
私の恋がまた叶うなんて
思いもしなかった。

でも嬉しいはずなのに
涙がでてきた。
５年分の涙が溢れた。

ミナミ「この５年間
どんなに我慢したと
思ってんの」

ルワ「ごめんね」

ルワは悪くないのに
悲しい気持ちにさせて
しまったかもしれない。

ルワ「でも今日からは
一緒にいれるよ。
これからもよろしくね」

大好きだよ。ルワ

～ｅｎｄ～