浴衣に恋した。

CAST足川結珠

作者：ピンクノフセン

2022.05.03

やっほ～！
私、足川ゆず。

私は学校の人気者☆
正直なんでも
出来るんじゃないかって
思っちゃったりしてます。

でもそんな私、
１つ自信のないものが。

それは“恋”。

同じニコラ学園で
同じクラス、
いつめんのハアトくん。

私はハアトくんが好き。

でも何しても
振り向いて貰えない。

それはなんで？

カンペキに
近い私なのに。

あと私に足りないのは
何なの？

今すぐ
カンペキにするって
約束するから。

───なんて考えても
答えなんて出ないけど。

きっと、ハアトくんが
好きなのは─────

カイラ「ユズ～
どーしたの？
元気ないよ？」

ハッ!!
この人はカイラ。

美人で流行りは
なんでも知ってる。

K‐POPで
踊れないダンスは
ないって噂がある。

ユズ「なんでもないよ？
それより朝早くから
どうしたの？」

カイラ「あ、そうそう。
もうすぐ夏休みだし、
夏祭りのやる日
いつめんで出かけない？」

ユズ「え！　いいねそれ!!
私と、カイラと
レンくんと
それからハアトくんで!!
ってことだよね」

カイラ「うんうん!!
みんなに聞いたら
いいって言うし、
浴衣で集まろ？」

ユズ「ＯＫ!!」

・＊。・　夏祭り当日　・。＊・

ハアトくんが、あの子だけを
見ないよう
私はとびきりのオシャレして
いこうと思って。

ハアトくんはきっと
あの子が好きだから。

私も見て欲しいから。

神様、
お願いします!!!

───と言っても
浴衣は、お母さんが
どうしてもと言って
お母さんのお下がりを
着せられ。

いつも行ってた美容院は
たまたま休みで。

自分で髪セット。

あぁ、無理かも。

花火の上がる
４時間前の
河川敷を見ながら歩く。

カイラ「あっ！
ユズだ～！」

ユズ「わぁ!!
カイラ!!」

カイラのまとう浴衣は
流行り。

いかにも流行り。
な浴衣。

羨ましい～!!
素敵!!

ユズ「カイラ・・・素敵!!」

カイラ「え！　そう？
嬉しい!!
ユズもレトロな感じが
素敵だよ！」

レン「おー
カイラ、ユズ」

ハアト「こんばんは～
もうみんな
集まってるー」

カイラ「みんな
こんばんはー
じゃ、みんなで
屋台回ろー！」

色々見て歩いてると
ちょっぴり面白い
建物発見！

ユズ「見てあれ。
屋台じゃないけどお
化け屋敷だってｗ」

カイラ「いいじゃん！
入ろ!!!」

ハアト「あ、ちょっと
待って。
最大人数２組って
なってるけど」

レン「じゃ、
グッパーじゃん!!」

別れた結果、
私→レン。
カイラ→ハアト
となった。

まさかの
結果ですけど。

レン「じゃ、行こっか」

ユズ「うん」

中はとっても暗くて
レンくんと
はぐれそうになった。

それでもって
私は浴衣を踏んで
転んでしまった。

ユズ「わ！」

レン「ユズ！
大丈夫か？」

ユズ「いてて・・・
ごめん」

レン「立てる？」

ユズ「うん。全然平気。
って、いて!!
足擦りむいちゃったみたい」

レン「じゃあ僕
おぶるよ」

ユズ「え？」

レンくんはとっても
体つきが良くて
最後まで私を
おぶっていてくれた。

出てから
レンくんから
衝撃の言葉を受けた。

レン「あのさ。僕は全然
ハアトくんみたいに
イケてないけど、
ユズが好きなんだ。
浴衣姿に恋した」

ユズ「私も・・・
レンくんが
好きになったかも」

こうして私たちは
付き合った。

その後このお化け屋敷で
カイラとハアトくんが
付き合ったって。

やっぱし、
ハアトくんカイラが
好きそうだったからなあ。

負けちゃった。

でも私は素敵な恋を
手に入れられた。

・＊。・　カイラの思考の中　・。＊・

あぁ。
やっぱりユズは
可愛い。

ずっと好きだった
レンくん
取られちゃった。

負けちゃった。

でも私は
私の浴衣姿に恋した
ハアトに出会えて
付き合えたからいいや。

＊ｅｎｄ＊