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君との約束

CAST山本 初華山本 初華

作者:かなで

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.07.03

あの日、私達が交わした約束を
あなたは覚えていますか?





私は、今でも覚えています・・・・・





「ごめん、ゆうり! 待ったー?」





「あ、いちか! お帰りー!
全然大丈夫だよ~」





「じゃ、帰ろ!」





「うん!」





私、山本いちかと
親友の橘ゆうり。





ニコラ学園の
仲良しコンビです♪





「・・・・で? 断ったの?」





歩きながら、ゆうりが
私の顔をのぞき込む。





「え?」





「だーかーら、今の。
告白だったんでしょ?」





「あ・・・・うん、断った」





今私は、クラスの男子に
告白された。





すごく嬉しかったけど、
恋愛対象として
見たことはなくて・・・





「いちか、やっぱり、
アイツが忘れられないの?」





ゆうりが少し寂しそうな
笑顔を見せる。





私は唇をかみしめて
うなずいた。





「・・・・・・・・うん・・・」













・*。・ 3年前 ・。*・





「ナーツー! 帰ろ!」





「おー、今行く!」





私とナツは幼なじみだった。





小さい頃からずっと一緒で、
仲がよかったんだ。





教室から出てきたナツと一緒に、
学校の廊下を歩く。





「そういえば、新作のゲームゲットした!
ナツの好きなやつ~」





「うわ、マジで? 今度やりにいく!」





「フッフッフ、でも私には勝てないね?」





「戦闘系のゲームなら
俺の方が強いよ?」





「それは小学生の頃に
検証済み~」





他愛ない話をしている時間も、
ナツと一緒なら、一瞬に感じる。





楽しくて、幸せで、
ずっとこうしていたいって思うんだ。





靴を履きかえて、校庭に出る。





もう冬が近づいていて、
ビュウッと冷たい風が吹きつける。





「さむっ・・・・」





私は思わず、そう口にした。





その時、赤い何かが
私の視線に映る。





とたんに、無防備で
風にあたっていた首元が、
あたたかくなるのを感じた。





え?
ナツによって、私の首に巻かれた
赤いマフラー。





「これでもう寒くないだろ?」





「え、でもナツは」





「俺は、いーの。
いちかの方が大事だし」





その言葉に、私は顔を赤くした。





どうしてそういうこと、
サラッと言えちゃうんだろう。





真っ赤な顔を悟られないように、
下を向く。





ねえ、ナツ。
あなたは気づいていますか?





私があなたに
恋していることを―――――――――・・・・・













**-・.・***・.・-**





「いちかとナツって、
ほんと仲いいよね」





ある日の昼休み、
パンをぱくつきながら
ゆうりが言う。





「えっ」





私は飲んでいた牛乳に
むせ返った。





「両想いなんじゃない?」





ニヤリと笑うゆうり。





ま、まさかそんなこと・・・・
あるわけないよ。





「ナツは絶対、いちかのこと好きだって!
自信もちなよ!」





「・・・・ううん。ナツは私のこと
ただの幼なじみとしてしか見てないから・・・
私はそれで、いいの」





ゆうりに、笑ってそう返す。
本当はそんなこと思ってない。
ナツに好かれたい思いでいっぱいなのに。





今思えば、逃げていたのかもしれない。
“幼なじみ”という、ナツに1番近い女の子。





その関係を壊したくなくて――――――
―――――――・・・・・













**-・.・***・.・-**





ある日のことだった。





「え? 転勤?」





嘘でしょ・・・?





「・・・・うん、数年間アメリカに行く。
親父の仕事の都合でさ」





突然ナツから聞かされた、転勤。





私にとって、何よりも
聞きたくない知らせだった。





しかも、アメリカだなんて。
遠すぎる。





「そっか・・・・・」





私は、無理矢理笑顔をつくった。
ナツを困らせちゃいけないよね・・・





その時、ナツが大きな声で言った。





「・・・・・・・・・・あのさ!
俺、絶対戻ってくるから。
だから――――」





顔を赤くして、うつむいたナツ。
でも、すぐに視線を私に向けた。





「待ってて、いちか」





真剣な表情で、私を見つめるナツ。
ただその真剣さに、私も返したいと思った。





「・・・・・・うん」





ナツがそう言うなら、私は待ってる。
絶対に帰ってくるって、信じてる。





そんな約束を交わし、
私達は別れた―――――――――。













**-・.・***・.・-**





「いつ帰ってくるのかな、ナツくん」





ゆうりが、ふと空を見上げる。





「こんなにいちかが
待ってるっていうのにさ!」





少しふくれっ面のゆうりに
くすっと笑いながらも、私は、





「ナツはいつか帰ってくるよ!
私、信じてるもん」と、返す。





そりゃあ、いつになるかは分からないけど。
でも、信じて待っていたい。





「いちかを何年も放っておいて、
あたしが許さないんだから!」





「・・・ありがと、ゆうり。
今は、待ってみるよ」





ただ、待つ。
それが1番、今の私には合っている気がするから。













**-・.・***・.・-**





ゆうりと別れた後、
私は1人で通学路を歩いていた。





数年前、ナツと一緒に歩いていた道。





バカみたいなことを言いあいながら、
それでもすごく楽しくて。





私、ずっと待ってるんだよ。
ねえナツ、あなたはいつ帰ってくるの?





ゆうりにはあれだけ
強気なことを言っていたくせに、
やっぱり待つのは寂しい。





そう考えると
涙が次から次へとあふれ出し、
私の視界がぐにゃりと歪む。





「うっ・・・・ふ、ううっ・・・」





涙が止まらない。
ただただ辛くなって、
私は地面にしゃがみこんだ。





――――――その時だった。





「なんで泣いてるの、お姫様?」





あの頃と同じ、私の知っている
大好きな声が聞こえた。





涙をボロボロこぼしながら
顔を上げる。





そこにいたのは、





「ナ・・・・・ツ?」





「ただいま、いちか」





いつもと変わらないナツだった。
驚きで止まった涙が、またあふれ出す。





「帰ってきて、くれた・・・の?」





「うん。ごめんな、遅くなって。
戻ってくるって言ったのに、
こんなに待たせてごめん」





そのセリフが私の耳に届いた瞬間、
視界が真っ暗になる。





え・・・・





ふと我に返る。
私はナツに抱きしめられていた。





泣きながら、顔が真っ赤になる。
ドキドキしてる。





ばか。遅いよ。
会ったらそう言ってやろうと
思っていたのに、





そんな言葉なんて、もう頭の中にない。





ずっと好きだった人が帰ってくる。
それだけでも嬉しいのに、
彼が口にした言葉に、私は耳を疑った。





「好きだよ、いちか」





確かに、ナツはそう言った。





え? どういうこと?
誰が、誰を、好き・・・・・なの?





「いちかと別れた時の俺さ、
勇気なくて言えなかった。
でも、もういちかに
辛い思いしてほしくない・・・・
だから言わせて。
昔から、ずっと好きだった」





信じられない。
ナツが、私を?
ほんとの、ほんとに?





これが本当なら、私の答えは
ひとつだけ。





「・・・わ、たしもずっと、
ナツが、好き・・・だったよ・・・」





驚いたように目を見開くナツ。
そしてすぐに、





「マジで・・・?」





片手で顔を覆っているけれど、
隙間から見える顔は真っ赤。





「やばい。
俺、今、超幸せだ・・・・」





ナツが言う言葉に、
心臓がドクンと波打つ。





何それ。嬉しすぎる。





「ねえ、ナツ」





「ん?」





私は涙を拭いて、
彼の耳元に口を寄せた。





誰にも聞こえないように、
こっそりと。





大好きな人へ、伝えたい言葉。





「大好きだよ」







あの日交わした約束。





それは、私とあなたを繋いでくれた
赤い糸でした。







END★

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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